第8話 池田屋事件の終結と余波
土方歳三。
「ここからは」
刀を抜く。
「わしが仕切る」
鬼の副長、土方が入る。
一瞬で空気が変わる。
「囲め」
冷静。
的確。
「三人一組で潰せ」
新選組が動く。
組織として。
一人を三人で斬る。
逃がさない。
集団戦術の完成形。
志士たちが崩れる。
「くそっ……!」
「なんだこの連中は……!」
恐怖が伝播する。
志士多数、斬死。
逃げる者。
斬られる。
捕まる者。
縛られる。
「一人も逃がすな!!」
大捕物。
階段。
廊下。
血の跡を追い捕縛。
沈黙が戻る。
だが。
静けさは、優しくない。
死の後の静寂。
近藤が立つ。
血まみれで。
「……終わったか」
土方が答える。
「いや」
低く。
「始まりだ」
外、京の夜。
まだ静か、だがこの夜で。
何かが、変わった。
山南 敬助は屯所に居た。
静かに座る。
報告を聞く。
「新選組が……勝利しました。」
目を閉じる。
「……そうか」
拳が震える。
行けなかった。
戦えなかった。
「私は……」
誠とは何か。
その問いだけが残る。
池田屋事件の終結
この夜。
新選組は名を上げた。
だが同時に。壊れ始めた。
誠の名のもとに。
人はどこまで斬れるのか。
【討死・自刃】
・宮部鼎蔵(自刃)
・北添佶摩(自刃)
・大高又次郎(戦死)
・石川潤次郎(戦死)
・松田重助(戦死)
・伊藤弘長(戦死)
・福岡祐次郎(戦死)
・越智正之(戦死)
・広岡浪秀(戦死)
【脱出後 自刃】
・吉田稔麿
・望月亀弥太
【捕縛 処刑・獄死】
・内山太郎右衛門
・佐伯稜威雄
・佐藤一郎
・今井三郎右衛門
・村上俊平
・錦織有無之助
・西川耕造
【捕縛】
・沢井帯刀
・大中主膳
・森主計
・瀬尾幸十郎
・安藤鉄馬(のち逃亡)
【一般人】
・入江惣兵衛(獄死)
・和泉屋重助(処刑)
・丹波屋次郎兵衛(処刑)
【新選組側の犠牲】
・安藤早太郎(のち死亡)
・奥沢栄助(当日死亡)
・新田革左衛門(のち死亡)
沈黙。
血の匂いだけが残る。
近藤が、立っていた。
「……これが、誠か」
誰も答えない。
夜は、何事もなかったかのように更けていく。
だがこの日。
新選組は京の守護者となり。
同時に“人斬り”として恐れられる存在となった。
―池田屋事件 終―
つづく




