第8話 大学炎上
夜。
山の寺を改造した
戦国大学は静かだった。
講堂の灯りだけが
夜の闇に浮かんでいる。
その時山の下で松明が揺れた。
武士の軍勢。
数百。
戦国大学を潰すために集まった
旧東軍の武将たちの兵だった。
門番の学生が叫ぶ。
「敵襲!」
鐘が鳴り響く。
戦国大学は
突然の戦場となった。
寺の大学門に火矢が飛ぶ。
ドンッ!
炎が柱に燃え移る。
「門が燃えている!」
学生たちが動揺する。
その時――
落ち着いた声が響いた。
天才軍師
黒田官兵衛
官兵衛が言った。
「騒ぐな。」
学生たちが振り向く。
官兵衛は地図を広げた。
「実技の時間だ。」
官兵衛は素早く指示を出す。
「包囲戦を使う。」
学生たちは驚く。
「大学を囲まれているのに?」
官兵衛は笑う。
「囲まれていると思うな。」
「囲ませているのだ。」
学生たちは授業を思い出す。
官兵衛が講義した軍略。
包囲戦
補給線
退路遮断
官兵衛は碁盤のように地図を動かす。
「ここに弓隊。」
「ここに槍隊。」
「裏門から回れ。」
学生たちは動き出す。
まるで将棋の駒のように。
だが戦国大学の強さは
軍略だけではない。
講堂では
経済学の師が指示を出していた。
堺の豪商
今井宗久
宗久が言う。
「兵糧庫を守れ。」
「戦は金と食料で決まる。」
補給班が動く。
兵糧。
水。
矢。
補給線が維持される。
さらに――
外国学の師。
南蛮外交の達人。
大友宗麟
宗麟が学生に言う。
「鉄砲隊を前へ。」
南蛮式射撃。
三列射撃。
敵軍が驚く。
「学生なのに強い!」
だが最大の力は
影だった。
屋根の上。
静かに動く影。
忍びの頭領。
服部半蔵
半蔵が学生たちに合図する。
「情報戦だ。」
忍びの授業で学んだ
潜入
撹乱
暗号通信
学生たちは敵陣に紛れ込む。
松明を消す。
旗を倒す。
混乱が広がる。
敵軍が叫ぶ。
「どこから攻撃されている!」
そして最後。
官兵衛が静かに言った。
「退路遮断。」
学生たちが動く。
敵軍の背後を塞ぐ。
包囲完成。
敵軍は気づく。
自分たちが
囲まれていることに。
恐怖が広がる。
やがて――
敵軍は崩れた。
「撤退!」
「逃げろ!」
旧東軍の武士たちは
散り散りに逃げていく。
戦国大学は守られた。
夜明け。
燃えた門の前に
学生たちが立っている。
傷はある。
だが大学は生きている。
僕はその光景を見て呟いた。
「見事だ。」
戦国大学の学生たちは
軍略
経済
外交
情報
すべての知識を使って戦った。
官兵衛が言う。
「これが知の戦だ。」
寺を改造した大学は
朝日に照らされていた。
その姿はまるで知の要塞。
戦国大学はただの学校ではない。
国家を守る頭脳の城になっていた。




