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【カクヨムコンテスト11 中間選考突破】 累計336万8千PV 僕の戦国時代  作者: 虫松
僕の戦国時代外伝 細川幽斎と僕の戦国大学創設記

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第3話 黒田官兵衛 軍師の授業

関ヶ原の戦いの後。

日本は一応の平和を手に入れた。


だが世界は違う。


海の向こうでは

ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリスが

軍と商船を一体化させ

国を丸ごと飲み込んでいた。


植民地。


それは

武力と知識で国を支配する仕組みだった。


戦国大学の本堂。


寺を改造した講堂には

若き学生たちが集まっていた。


農民の子

浪人

商人の息子


だが今は皆

未来の国家官僚候補生だ。


私は壇上に立ち言った。


「今日から新しい学部を作る。」


ざわめき。


「軍略学部だ。」


学生たちが息をのむ。


「これからの時代――」


「国を守るのは武勇ではない。」


「頭脳だ。」


そして私は

扉の方を見た。


「先生を紹介する。」


扉が開く。


ゆっくりと歩いてくる男。


黒い衣。


鋭い眼。


天才軍師 黒田官兵衛。


官兵衛は壇上に立つ。


静かに学生を見渡した。


そして言った。


「戦は――」


「力ではない。」


教室が静まり返る。


官兵衛は続ける。


「戦は計算じゃ。」


学生たちは驚く。


武士の世界では

「勇気」「根性」「突撃」が全てだった。


だが官兵衛は違った。


黒板に地図を描く。


「兵站」

「補給」

「地形」

「兵力」

「情報」


「これを計算できぬ者は」


「一万の兵でも負ける。」


学生の一人が手を上げた。


「先生、武勇は必要ないのですか?」


官兵衛は笑った。


「勇気は大事じゃ。」


「だがな」


「勇気は数字に勝てぬ。」


授業は続く。


官兵衛は次々と講義をする。


包囲戦

補給線

退路遮断


地図を使い

碁盤のように軍を動かす。


学生は驚いた。


戦とは

まるで数学だった。


官兵衛は言う。


「敵を倒すな。」


「敵を動けなくせよ。」


学生たちがメモを取る。


官兵衛は世界地図を出した。


日本では珍しい地図だった。


そこには

巨大な国々が描かれていた。


ポルトガル

スペイン

オランダ

イギリス


官兵衛は指さす。


「こやつらは」


「海軍と商人で国を奪う。」


「城ではなく港を落とす。」


学生がざわめく。


官兵衛は静かに言った。


「戦国は終わった。」


「だが世界の戦は始まったばかりじゃ。」


その言葉に

教室の空気が変わる。


授業が終わる。


学生たちは黙って立ち上がる。


さっきまでの

ただの若者ではない。


彼らの目は

国家を背負う目になっていた。


私は窓の外を見る。


海の向こうに世界がある。


ポルトガル艦隊

スペイン艦隊

大英帝国 艦隊。


私は小さく呟いた。


「これで外国の軍に負けない。」


「日本の植民地化だけは」


「絶対阻止する。」


その時

背後から声がした。


官兵衛だった。


「そのために大学を作ったのか。」


私は振り向く。


官兵衛は静かに笑う。


「面白い。」


「ならば」


「日本最強の頭脳を育てよう。」


講堂の外では学生たちが議論している。


地図を広げ

兵站を語り

未来を語る。


戦国大学。


ここから

日本の知の軍団が生まれようとしていた。

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