14 考え事
お久しぶりですm(*_ _)m
今まで忙しくて投稿滞っており申し訳ないです
昨日ローベリと話した内容は確かに雑談だったが、その中にも今の時代に関する内容がさり気無く混ぜられていた。話す内容に関連付いた知識をあんなに自然と織り込むなんてすごいなと純粋に思った。少なくとも私には出来ないことを楽しそうにやる姿は私もなりたい姿だった。
そんな彼女から得た情報を一晩掛けて整理したところ、私が思っていた以上に世界は平和になったらしい。……この前誘拐されたからてっきり治安悪いんだと思ってた。その事を話すとローべりにかなり困惑された。というのも、
『え? 誘拐された? ──おかしいな、今の時代に幼児誘拐なんて殆どないのに……』
とのこと。
確かに幼児誘拐がまるっきりないとは言えないが、その件数は他の犯罪より少ない。なぜなら私が転生することは魔族だけでなく他種族にも知られている。もし間違えて魔王の転生体を誘拐したとなるとどうなるか分かったものではないからだ。
つまり相手はよほどのバカか──もしくはもし魔王を誘拐したとしても対処出来る手段を持っているということだろう。私を舐めている、という可能性も無くはないがかなり低い。なぜなら私の過去戦った記録は今も残っており、畏怖と共に語り継がれている。そんなヤツを拐ってお咎めなしと考えるほど愚かな者は居ない……と思いたい。うん、切実に。
それに今回誘拐犯達のアジトに使われていた思われる魔古具。これは世界が創世されたときに神が世界中にばらまいたと言われる強力な魔法道具、それがアーティファクトだ。機能は物によって様々だが、共通して言えるのが『現代人が作る魔法具とは一線を画す強力無比さ』だ。
例えば今回使われていた魔古具は“隠すこと”に特化したものだと推測される。私でも魔古具によって隠されていれば見つけるのは難しい。
しかし今回は簡単に見つけられた。そしてあの後アジト内を探したが魔古具は出てこなかった。話を聞いたところ、ノーリが誘拐された直後は中から外の様子を窺うことはできなかった。
そこから考えるとノーリが誘拐された直後から、私がアジトを発見する間に魔古具の移動が行われたことになる。そして実行犯の中での態度から見つかる可能性がないと分かっているような油断を感じた。
子どもの誘拐を企てた者は実行犯と別にいて、違う場所から指示を出していた。そして私が誘拐される前に魔古具を移動させるさせた。
つまり今回の事件には『モノを移動させる空間魔法が使用もしくは雇うことができ、魔古具を入手出来る立場の人間』が主犯格にいるということになる。
もちろん家に代々伝わっている物の可能性もあるが、それだってかなりの上位者に限られるだろう。
そんなことが出来る人物となると、世界中でもかなり限られてくる。
まず第一に魔古具の移動が実行犯に伝えられていなかった。その場合、遠地からモノを引き寄せるために魔法の難易度が上がるのだ。
魔古具は膨大な術式が組み込まれている。それが≪空間魔法≫の邪魔をするため、魔古具の魔法での移動は難易度が高い。
実行犯側に主犯格側の手先がいる可能性もあるが、これで誰かがアジト内から持ち出したという可能性はほぼなくなった。
実行犯達が不審に思うだろうし、価値が分かっているなら中でもしっかり警戒するだろう。それにそんな強大な力を持つ魔古具が移動されるならノーリが気付いて何らかの行動を取るはずだ。……気を抜いてたり、寝ていなければの話だが。それに気付かなかったということは他の方法という事になる。
そして最も有力なのはやはり魔法だ。でもこれはかなりの技量が必要となる。そんなことが出来るヤツとなると、恐らくノーリでも負けるだろう。……まあコイツは元々前衛より後衛の方が得意だし、何より人を傷つけるのが苦手だ。
でも、前衛が全く出来ない訳じゃない。そのため今回は捕らわれている子ども達を救出しようとして身動きが取れなくなった、という感じだが。
私も師匠として念のためにと最低限の攻撃や防御など、前衛に必要な技術は教えた。魔王流のためかなりのスパルタでしたつもりだが、それでもノーリは最後まで耐え抜いて見せた。そんな弟子でも勝てないとなると私か勇者ぐらいしか勝つのは難しいだろう。まあ、私の知らない魔法が使用されたのかもしれないし、相手が攻撃職ではない可能性もあるため断定するのは危険だろう。
(でも、そんな力の持ち主が今回の事で諦めるとは思えない……)
そう。今回は私が介入して子ども達は全員が無事だ。相手もなにか目的があって誘拐したのだから、その目的は果たされなかったと考えるのが妥当だろう。
(……もしくは他に目的が? 例えば──治安悪化が狙い? それとも人の目を事件に集中させて他の事件を起こすつもり? 今はまだわからないな……)
私は考察をやめて一旦頭の中から事件のことを追い出した。今日はこれから事件後初めてノーリに会うのだ。用意をそろそろしなければなるまい。
※
「お邪魔します!」
「……いらっしゃい。元気にしてた?」
そうして午後、私の部屋に弟子が来た。私の質問に「はい! もちろんです!」と元気そのもののように答え、二人でソファに座る。
今回はお菓子を食べながら雑談するということになっている。……表向きは。
今日の本題は先ほどまで私が考えていた事件に関する情報のすり合わせと意見交換を目的としたものだ。……まあ、お菓子を食べながら話すので、嘘をついているわけではない。私は至って誠実な人間なのだ。
そんなわけで今日私の家に来て貰ったわけだが……衝撃の事実が判明した。
「……え? あんた貴族なの?」




