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紹介状の相手は
先生は続けて言った。
「ただ、右手の筋力が落ちているということは事実です。ですから、脳神経内科に一度受診することをおすすすめします」
「脳神経内科……?」
「はい。脳神経内科では、脳だけではなく、脊髄や末梢神経、筋肉など、体を動かすことに関わる部分を専門的に診ています」
先生は少し間を置いてから続けた。
「深刻な病気と決まったわけではありませんよ。
ただ、筋力低下がある以上、原因をきちんと調べておいたほうが良いということです。」
「……分かりました」
私はそう答えた。それ以外に言葉が見つからなかった。
けれど、胸の奥に、さっきまでなかった小さな不安が生まれていた。
脳神経内科。
その名前が、妙に重く聞こえた。
私の病気は「脳」が原因なのだろうか。そしたら、結構やばいんじゃ、、、不安で押しつぶされそうだった。「脳」そのフレーズだけで、私の不安は二倍にも三倍にも膨れ上がっていった。
前、医療系のドラマで、見たことがあった。
脳には、脳外科医でも触ってはいけない部分があって、そこに病気が見つかっても、手術はできないと。
「紹介状を書きますので、そちらで詳しい検査を受けてみてください」
その紹介状の相手はここらへんで、一番大きい病院だった。




