病気の進行
今日は、診察も、リハビリもどっちもある。
診察は、一週間に3回。リハビリは一週間に1回。
診察の状況によっては、リハビリの回数が増えるかもしれない。怖い。でも、夏希先生に会えるのは嬉しい。たくさんお話しできるから、お昼ご飯が楽しみになった事、中庭や屋上に行くと、気分がいい事。
でも、澪ちゃんの話をすると、先生は少し曇った顔をする。隠しているようだけど、わかる。なんとなく。
なんでだろう。理由までは分からない。
だけど、何か、何かがある気がする。それが不安。
澪ちゃんは前、入退院を繰り返しているって言ってた。
それに関係あるのかな?聞けないけど、気になる。
朝ごはんを食べて、即準備。今日は立てるか運試し。
立てたら、病院内の散歩。リハビリもいつも通り。
立てなかったら一日中ベッドの中。車椅子を動かしてもらう。リハビリは、立てる事を目標にする。
これが今日一日の予定も気分も全部決める。
お願い、私の足、立って、力を入れて。
そう、強く願いながら立つ。
手すりに捕まりながら、慎重に。
っあ、立てる。立てた。
「嬉しい」そんな単純な言葉だけじゃ表せない。
さいっこう!
看護師さんが呼びに来た。診察の時間だ。
「失礼します。」
そう言いながら、軽い鉄のドアをゆっくり開けた。
「夏希先生。おはようございます。」
「うん。結香さん、おはよう。今日は調子良さそうね」
元気よく頷く。
「じゃあ、まず握力測ろうか。」
握力、、、。前回は16。今回はどうだろうか。
もしかしたら、これが一番緊張するかもしれない。
でも、今日は調子がいいからな。
一番ひどい時は、8kgだったけ、力が入らない日。
「じゃあ、握ってね。どうぞ。」
その声で思いっきり計測器を握る。
思いっきり、できるだけ。強く、もっと強く。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ
「どうですか?」
「そうだね。前回が16kg。今回が、、、」
ドキドキする。
心臓の鼓動が、強く、早くなるのがわかる。
「今回が、、、13kgだね。」
3kg下がっちゃった。
やっぱり、「病気の進行」には逆らえないか。
仕方ないけど、なんか悔しい。
「調子いいと思ったんですけどねぇ。」
「そうねぇ。握力維持は、相当難しいかもね。
リハビリはいつものメニューでやりましょうか。」
「はい。」
そう言うしか無かった。どんなに強く願っても病気の進行には逆らえない。仕方ない。




