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私の心の蓋

「コトン」

静かな教室にシャーペンの落ちる音だけが響く。


これじゃ、本当に、病気じゃない。


自覚したくなかった。

今まで、必死に蓋をして来た嫌な予感。

それが一気に溢れ出てきた。

不安と焦りと、、、もう わからない。

シャーペンを持つ。そんな簡単なことが、怖くなっていた。早く帰りたい、、、帰らなきゃ。絶対おかしい。

私の心の蓋だけじゃ抑えきれない。


先生に具合が悪いとだけ言った。青ざめていたせいか、心配してすぐに帰してくれた。でも、心配されている場合じゃない。そう私が、私に言っていた。いつもは心地よいと思う電車が、冷たく、固かった。


お願い、お母さん。家にいて。


普段は、一切思わないこと。

だけど、今はお母さんの暖かさに触れたかった。感じたかった。

それだけが、今の私を救ってくれる気がしたから。


家に帰るとお母さんは、お昼ご飯を作っていた。定期テスト中は午後授業がないからだろう。ドアが開く音にびっくりしていたが、すぐに駆け寄ってくれた。お母さんを見た瞬間心の奥が温かくなって、涙が溢れ出していた。玄関で私は、崩れてしまった。

「ねぇ、どうしたの」

心配そうな顔で言う。話そうと思っても、言葉が出ない。出せない。お母さんは、ゆっくり、優しく、私と一緒に椅子まで歩いてくれた。

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