前向きに、前向きに
そうこうしているうちに、夜ご飯が運ばれてきた。
夜ご飯は食堂がやっていないから絶対病室で食べる。
先生はいつ、春乃と合わせてくれるんだろう。
あんまり遅いと、私本当に立てなくなっちゃうよ?
初めて言ったな、自虐ネタ。それくらい、この病気が私に馴染んできちゃったってことかな。でも、そこで終わったら、私の最後の約1年無駄になっちゃう。
前向きに、前向きに、前向きに、前向きに。
呪文のように、心の中で唱える。
まるで、「前向き」って言葉に囚われてるように。
もう、さっさと寝よう。
21:00 消灯時間
無理やり目を瞑る。
早寝・早起きが染み付いちゃった。
いつもなら1時くらいまで、勉強したり、スマホしたりしてたのに。もう、ずっと勉強してない。
シャーペン持てないし、どうせ高校生やらないし。
どうせ、どうせ、1年で死ぬんだから。
いや、なんでも無い。やっぱりもう寝よう。
起床の合図で目が覚めると、病院は動き始めていた。
もう、これが「いつも通りの朝」なんだ。
これからも、ずっと、ずーっと。
今日もアニメ見よう。昨日の続きから。
起き上がる気力もなく、ダラダラと過ごす。
今まで大好きだったご飯も、最近はスプーンすら持つのが辛くなっていって、ご飯そのものが嫌いになった、、、昼ごはんを除いては。
今日はリハビリかぁ。
続けなきゃ、どんどん出来なくなっちゃうもんね。
やらなきゃ、やったほうがいい。
だから頑張る。
なぜだか、リハビリのある日は、ほんの少し前向きになれる気がした。




