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生きる意味ある?

気づけば、病院のベッドに居た。

正確に言えば、車椅子に押されて病室まで帰ってきたのをうっすらとだけ覚えていた。そんなことは、今の私にとって、どうでも良かった。


私、本当に「死ぬ」の?


実感は、湧いてしまった。

もしかしたら、もう、ずっと前から、心のどこかで、奥底で、分かっていたのかもしれない。

治るどころか、どんどん辛くなっていく体。

シャーペンを持つことすら怖くて、立てなくて、でも、立ちたくて。何度も何度も頑張った。無理矢理にでも、立ってやろうって。たまに来る「調子の良い日」それすらも、どんどん少なくなって。


そりゃ、分かっちゃうよ。

顔は、笑ってるはずなのに、どんどん涙が出てくる。

拭っても、拭っても、止まらない。

孤独の病室で、私は何時間も、何時間も泣き続けた。


何時間経っただろう。時計は、深夜2時を指していた。

もう、なんか、全部どうでも良いや。

行く宛ても無く、裸足で、深夜の街を歩く。

深夜の街は暗くて、寒かった。

ただただ何も考えずに歩く。


歩道橋。


よじ登るようにして、階段を上がる。

上まで来ると、さっきよりも、風が冷たかった。

手すりに、足をかける。

こういう時だけ、こんな細いところに上で、バランスが取れるのが、本当に皮肉。

両手を広げてみる。風が私の横をすり抜けていく。


もういっか。希望の持てない1年なんて要らない。


体重を前にかける。

足から、鉄の冷たい感触が無くなった。


体が後ろに引っ張られる。咄嗟に大暴れする。

「やめて!離して!離して!!」

「結香!落ち着け!」

お父さんの声? なんで?


「病院から電話があった。結香がどこにも居ないって。急いで病院に行ってたら、結香が歩道橋に居て。」

「よかった。本当に、よかった。」


よかった?何が? 私の中で、何かが切れた。

「私、何か悪いことした?なんで私なの?

もっと恵まれてる人も、悪い人もたくさん居るよ?

春乃達と笑えればよかっただけなのに。おはようって普通に言えれば良いだけなのに。

ねぇ、教えてよ。なんで私なの?

希望も持てない。体はどんどん辛くなる。

こんな1年意味ある?辛いだけじゃん!

そんなんなら、今死んだ方がマシだった!」


パチン!  痛い。

お母さんが、目に涙をいっぱい溜めて、そこに居た。

「なんてこと言うの! やめてよ、やめてよ。」

「心配したんだから!」お母さんはそう言った。

でも、それ以上何も言わなかった。


お父さんに、おんぶして貰って、私は病院に帰った。

花弁雪です。

第25話だいぶ、センシティブな内容でしたが、いかがでしたでしょうか。

柵に怖くて登れない、やっぱり死ぬのは、怖い。

そんな内容にしようか、とても悩みました。でも、結香の思いを、感情を、読者の皆様に突き刺したい。

そう思い、今回の内容にさせて頂きました。


もし、結香と同じ状況になったらどう思いますか?

余命は1年程。体はどんどん不自由になっていく。

私は、きっと正気では居られないです。

そんなことも、考えながら、是非読んでみて下さい。


次回、第26話 9/28(月) 22:00 配信です!

お楽しみにm(_ _)m

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