朝焼けに包まれる。
次の日、目が覚めると、朝の4時だった。
外はまだ薄暗く、冬のように寒かった。起き上がって、カーテンを開けると朝日が出ようとしていた。
「あれ?」
今、気づいた。
普通に立ててる。あんなに昨日は辛かったのに。
波が激しい。立てる日の嬉しさは尋常じゃなかった。
まだ、病室のみんなは寝ている。
厚手のカーディガンを着て、スマホを持つ。
そっと部屋を抜け出して、私は屋上へ向かった。
屋上へ続くドアを開けると、
「眩しい」
咄嗟に目を閉じたけど、またすぐ開く。
朝焼けの綺麗なピンクが私を染めた。まるで私を元気づけるように。「1人じゃない」そう語りかけるように。
「カシャ」
思わず、カメラを向けて写真を撮っていた。
屋上で朝日に包まれた2時間は一瞬だった。
寒さなんて関係なくなってしまうほどに。
「やば!」
気づけば6:00
後30分でみんなが起きてしまう。
部屋を抜け出して屋上に来たのがバレたら、怒られる!
私は、また、病室に戻った。
部屋からも朝日は見えたけど、やっぱり屋上の方が綺麗だった。神秘的だった。
起床の合図が鳴ると、病院が一気に動き出す。
看護師さんが走り回って、患者さんが起き上がる。
もう、あの静かな朝焼けはどこにもない。
今日は、検査が無いから、一日中暇な日。
お母さんとお父さんは、お昼頃に来るって言ってた。
春服を持ってきてくれるらしい。
なんとなく全身鏡の前に立つ。
足を見ると、細くなっていた。あり得ないほどに。
筋肉をほとんど使わなくなったせいだろう。
早く戻らないかな。そう思った。




