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だっく  作者: 君島極
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第4話:また遊ぼう

それからの一週間は、驚くほど早く過ぎていった。


朝になると、石崎が部屋を開ける。


「おはよう」


「ぐわっ!」


だっくが真っ先に飛び出してくる。


その後ろから、みんなが続く。


「おはようー」


ルナが小さく頭を下げ、


「今日なにするの?」


ミルダが笑う。


ミーアとコウも眠そうな顔のまま部屋を出てきて、自然と石崎の後ろについて歩き始める。


食事を終えれば、みんなでコントロールルームに集まる。


映画を見たり。


カードゲームをしたり。


お菓子を食べたり。


だっくが回転椅子でまた転げ落ちて怒ったり。


特別なことは何もない。


ただ、一緒に過ごすだけだった。


それでも、その時間は子どもたちにとって何より嬉しい時間だった。



「かいと!」


昼下がり。


トランプを片付けながら、ミルダがふと口を開いた。


「なんでいつもみんなで遊べないの?」


石崎の手が少し止まる。


「え?」


「みんな一緒の方が楽しい」


そう言って笑う。


「部屋にいるより、ずっといい」


その隣でコウも大きく頷いた。


「俺も!」


「広いし!」


「走れるし!」


「お菓子あるし!」


「アイスもある!」


その一言に、だっくが勢いよく振り向く。


「ぐわぁいく! チョーダイ」


石崎は思わず吹き出した。


「だっくちゃんはそればっかりだな」


「ぐわっ♪」


嬉しそうだった。


ルナはみんなを見回しながら、小さく笑った。


「……楽しいね」


石崎も自然と笑みをこぼす。


「うん」


ルナは少し照れたように笑った。


「こんなにいっぱい遊んだの、初めて」


「そう?」


「うん」


ルナは少し視線を落とした。


「また、みんなで遊びたい」


その言葉に、石崎はすぐには返事ができなかった。


代わりに、小さく笑う。


「また遊ぼう」


その一言だけを返した。


「うん。遊ぶ!」


ルナも嬉しそうに頷いた。



気づけば、一週間は終わろうとしていた。


机の上に置いてあった予定表を見る。


職員帰館予定。


今日、午後三時。


石崎は時計に目を向け、小さく息を吐いた。


「……そろそろ帰ってくるな」


その言葉に、みんなの動きが止まる。


「そうなんだ……」


ミーアが寂しそうに言った。


「うん」


石崎は頷く。


「だから、元通りにしよう」


部屋を見回す。


お菓子の袋。


ジュースの空き容器。


カードゲーム。


映画のディスクケース。


普段のコントロールルームとは違う、子どもたちだけの一週間がそこに残っていた。


「掃除しようか」


石崎が笑って言う。


「終わったら、みんな部屋に戻ろう」


部屋が少しだけ静かになった。


「もう終わり?」


ミーアがぽつりと呟く。


「うん。みんな帰ってきちゃうからね」


石崎は少しだけ寂しそうに笑った。


「でも、また機会を作れそうなら、ちゃんと考えるから」


「ほんと?」


ミーアが顔を上げる。


「うん。約束はできないけど……また遊べたらいいね」


ミーアは少し笑った。


「わかった!」


その一言だけで十分だった。


子どもたちは頷き合うと、それぞれ掃除を始めた。


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