EP12 プロジェクトWC②
TOTOネタです。 TOT
「雪姫様、マーメードドルフィンのマリリン様より、試作1号機が出来たとの、ご連絡が入っております」
朝、私が部屋に入ると、ギャリソンから報告を受ける。
「良し!」
思わずガッツポーズをする私。
マーメードと、共同で開発中の「ウオシュレット」の試作機が出来たことへの喜びだ。
「リアちゃん、任せていいかな?テレサとマーメードに行って来る」
リアちゃんには悪いが、ギア族はトイレに行かない。
トイレの事は、トイレを使う「生もの」にしかわからない。
「はい。お任せください。お気を付けて」
リアちゃんも勿論、この事は知っている。
快く送り出してくれた。
「お待ちしておりました」
マリリンさんとポポさん、ギルド職員数名が出迎えてくれた。
マリリンさんが、私とテレサを間違える。もう、お約束の域だ。
「これがポポが作った「温水洗浄腰掛型便座」です」
仰々しい名前が付いてはいるが「ウオシュレット」と「洋式便座」の一体型だ。
私のアイディアと知識から、機械師のポポさんが作り上げた。
この世界のトイレは、全て和式。
水洗ではあるが、洋式は存在しない。
ポポさんが作った試作機は、ウオシュレットの性能に加え、座ると、自動で適切な高さに調整される。
和式の上に置くと、自動で位置調整をして設置が楽。
魔法世界ならでわの、アイデアも取り入れてある。
私は座ってみた。
いい感じだぁ!!!!!
女の子しかいないが、ここで実践する勇気はない。
モーターと加熱器が取り付けてあり、温水や、温風が出ることも確認できた。
プロジェクトは、フエーズ2へと移行する。
試作機の実用実験だ。
これをトイレに設置し、実際に用を足し、性能を調べる。
今ここで実験可能だ。
マーメードのギルド会館内のトイレに設置が行われ、誰が試すかが話し合われる。だが少し恥ずかしい。
トイレの前には大勢。中は見られないが、用を足すには、なんか落ち着かない気分なのは間違いない。
誰も手を上げない。
「あ、あの。いいでしょうか?」
テレサが手を上げる。
「これって、用を足す必要はないのでは?」
アハハハハハ!!!その通りだ!
パンツを下ろし、腰かけて、お湯が的に当たるか?温風で乾くか?
それだけでいい。
流石はテレサだ。落ち着いて物事を見ている。
そのテレサが、試しにトイレに入る。
中から「うわ!」「おおお」とテレサの声が聞こえる。
「成功です!これ凄いです!」
テレサは、中から大喜びで飛び出してきた。
皆は我先にと、試したがる。
実験は大成功。
プロジェクトは、フェーズ3へと移行した。
この便器を「ウオッシヤー」と名付け、スノープリンセスと、マーメイドドルフィンに実際設置する。
希望者への販売を視野に入れ、量産体制を立ち上げ、両ギルドで販売利益を狙う。
プロジェクトは最終段階へと入った。
ギルドマスターの部屋で、今後の事が話し合われる。
「材料費と手間賃で、3Gもあれば十分です。販売価格は7Gぐらいが妥当かと」
マリリンマスターの意見だが、私は違った。
1回買えば、10年20年購入はない。これはある意味、嗜好品でもある。価格は高く設定していいはず。
「設置費込みで1据、18G。生産はマーメイドで、設置と集金はうちが担当。
原価3Gを差し引き、3Gを共同基金としてプール。6Gづつを折半」
共同基金は、学校の運営に充てる考えだ。
マリリンさんとサリーさん、ルクスさん、ポポさんは顔を見合わせる。流石に高いと感じたらしい。
が、私の意見に賛成してくれた。
イニシアチブは、私にあると見てくれている。
ポポさんの話では、1日5据の量産が可能だと言う。
現在、試作機も含め、21据が出来上がっていることから、マーメイドに10据。
スノープリンセスに11据を、即日設置することで話がまとまる。
この世界にも「特許」と言う概念がある。発明者を守るシステムだ。
登録はざっくりで構わない。
「腰掛式便座」「温水、温風による洗浄と乾燥」
これだけの登録で、私たちの「ウオッシャー」の類似品は出せない。
全てが、上手くいっているように思えた。
翌日のお昼。
ステラ女王と、クラリス姫がギルドを訪れる。
「お迎えに上がりますので、お待ちくださるよう、お伝えください」
ギャリソンが、受付に指示を出す。
が、私の部屋のドアは、勢いよく開く。
「雪姫!暫く!」
クラリス姫が、先に上がってきていた。
まったく元気なヤモリ姫だ。
「ねぇねぇ!おトイレ貸して!」
いきなりトイレのおねだりだ。だが、これはいいチャンス。
私のウォッシャーを、王宮に宣伝するチャンスだ。
「リアちゃん、私のトイレにご案内を。使い方の説明もお願いね」
本来なら、私がついて行くが、女王が来ている以上、留守には出来ない。
リアちゃんに頼む。
リアちゃんは、快く引き受けてくれた。ヤモリ姫を連れ、私のトイレに向かう。
「こんにちわ、雪姫さん」
ギャリソンが、ステラ女王をお連れした。
私は深く礼をし、椅子を勧める。
「今日は依頼ではないのよ。ごめんなさいね」
と言うと?
「なんでも、斬新なおトイレがあると聞きましたの」
流石は王宮情報部。もう情報を得たのか?
「ジェームスさんからですわ」
抜けのない男は、営業も忘れていない。
「はい。きっとお気に入りになると思います。今クラリス姫が、お使いになっています」
「それは楽しみ・・・」
言いかけると、クラリス姫が飛び込んでくる。
女王の肩を揺さぶり、口をパクパクさせていた。
(こいつ、なにやらかしたんだ?トイレで何があった?)
「クラリス様は、おトイレの性能に驚かれ、言葉も出ないご様子です」
リアちゃんが説明してくれた。
「まぁ、それは楽しみですわね。雪姫さん、お借りしてよろしいですか?」
私は、ステラ女王をトイレに案内すると、使い方の説明をして、ドアを閉める。
約2分後。
ドアが勢いよく開き、仁王立ちのステラ女王は、口をパクパクさせていた。
パンツを上げ忘れている!
「100個!100個発注ですわ!!」
!!!「その依頼!受けました!まいど!」
ステラ女王・・・こんな使い方してしまった。




