EP12 プロジェクトWC③
EP14の執筆が終わりました。予定通り、EP14④で、1部の終了とします。
100個・・・18G×100=1800G スノープリンセスの利益は600G
今月も黒字だ!
私は女王に、1日5据しか生産できない事を説明し、「なるべく早く」と言う形で、理解を貰った。
この話は、直ぐマーメードへ伝える。
両ギルドにとって、とてもいい話となる。
スノープリンセスでは、私専用に3Fに1据。
幹部と職員用に、2Fに5据。
1Fの、一般でも使えるトイレに5据を設置した。
翌日、電話が鳴りやまなくなる。
全てウオッシャーの問い合わせだ。
その日のうちに、注文件数は両ギルド合わせて1000を超えた。
200日待ちの状態になる。
翌日も、その翌日も、またその翌日も、電話は鳴りやまず・・・・注文件数は5000を超え、なおも止まる気配はない。
甘かった。私の考えでは、売れて100据。
僅か1週間で、7000を超える注文が来るとは、予想していなかった。
実に4年待ちの事態に陥る。
量産体制の強化は難しい。
マーメードでは、担当の技師が限られている。
今から募集しても、技師のスキルを持つ者は、そう簡単に集まらない。
ピンチだ。
「雪姫様、受付にマリリン様と、超大物がお越しです」
頭を抱え、幹部と協議している私に、ギャリソンが報告する。
マリリンさんは、今回の件に関してだ。
『超大物?』については、考える余裕が無かった。
部屋に入って来たのは、マリリンさんと、30代の女性。
超大物は?
「こちらは、ミサキさんです。マーメードドルフィンの創業者です」
マリリンさんから紹介してもらった人は、初代のマスターの様だ。
椅子に掛けて貰う。
リアちゃんが、横から私に、何か書いてある紙をよこした。
「ミサキ様 マーメードドルフィン初代ギルドマスター。
『付与師協会会長』『迷い人保護協会会長』『7国議会 副議長』
『「穴」研究グループ会長』『ラムタ栄誉国民』」
と書かれていた。
超大物だ!
しかし、その大物は威圧感などなく、気さくに話しかけて来た。
「先のジプト国の転覆騒ぎ、昆虫族撃退の立役者、雪姫さんの話は聞いています。お若いのに、優秀だとの噂ですね」
ミサキさんも、迷い人。
話は盛り上がり、小一時間、余談に費やす。
「あの‥マスターそろそろ」
マリリンさんが、本題への話に切り替えるよう催促した。
そうだった!私も余談に費やす時間はない。
ウオッシャーが、えらい事態に陥っていたん。
既に電話対応で、ギルドの業務にも支障が出ている。
私の部屋では、対策会議中だった。
「厚かましいことは、百も承知です。恥を忍んでお願いします」
ミサキさんは、いきなり頭を下げる。
現在ミサキさんは、迷い人の保護区を運営している。
迷い人の多くは、世に出たがらない。
世界観の違い、長い寿命、そして、保護区での困らない生活が、迷い人を引き込ませている。
その中で、ミサキさんは希望者を「付与師」に育てている。
保護区の人たちは、「得ない者」私とは違う。
異世界に落ちて、何の能力もなく、ただ長い寿命だけを得る。
確かに、同じ境遇の者達の元に、引き込む気持ちは分かる。
それは非難することはできない。
全てを用意してもらっている、私とは違う。
ミサキさんの保護区は、7か国からの援助を受けているが、運営は苦しいという。
この世界で生活するには、何らかの技術を身につける必要がある。
その為には「習得値」を得る為のお金がかかる。
少ない資金のせいで、十分な経験が得られない。
だから、保護区から出ようとしない。悪循環になると言う。
電気式の温水や、温風を「魔法付与」に変え、保護区の人に、技術者のスキルを習得させ、大量生産の可能な体制を取る。
更に、設置に街に出ることで、少しでも世界に慣れさせたい。
これがミサキさんの考えだ。
「美味しい所に割り込む」
と言われても、仕方のない行為。だが、私としては、渡りに船!
「どうか私たちに、生産を引き受けさせてください!」
「お願いします!どうか生産を引き受けてください!」
商談即決。
私はスノープリンセスの持つ、全ての権利を委譲することを伝える。
勿論パテント料も、全て放棄する。
「そんな。頂くわけには・・・」
ミサキさんは、ひどく困惑した。
既に注文個数は7000個。スノープリンセスの取り分は42000G
4億2千万円だ。
しかもそれは、ルーランだけの話。今後各国に広がれば、この数倍の利益になる。
それを放棄すると言うのだ。困惑は当然だ。
私は説明する。
これは、ギルドとして始めた計画。ギルドで受けた以上、受注はクエスト。
しかし、現在4年待ちの事態を招く。
これは、私の浅はかさから招いた事態。
つまり私は『力量以上のクエスト』を、受けてしまったことになる。
そして、この事態を収拾できる、ミサキさんが救援に来た。
スノープリンセスでは、救援を受けたクエストの報酬はない。
スノープリンセスのルールにのっとり、ギルドマスターの私が、お金を受け取る訳には行かない。
筋が通らなくなる。
ミサキさんは食い下がるが、私の考えは変わらない。
幹部の皆も、首を「うんうん」としながら、私の考えに同意してくれている。
「これだけの資金があれば、保護区の人たちに、多くの経験を積ませてあげることが出来ます。感謝の言葉もありません」
マリリンさんが同行したという事は、マーメードとの話し合いはついているはずだ。
ステラ女王との約束分だけを、スノープリンセスとマーメードドルフィンで引き受け、後は丸投げ。
勿論、技術指導や、今後の受注の受付作業等は、手伝う。
ミサキさんは、深く感謝し、戻って行った。
マーメードも、権利は全て委譲していたらしく、結局私たちの手元には、ステラ女王の支払い分、600Gずつの利益が残る。
「ホッとしました。この先どうなるか心配でした」
マリリンさんは安堵の声を漏らす。
「ウオッシャーだけに、尻拭いして貰えたよ」
上手く落ちた。
次回、ウォッシャーの利益を使って・・です。




