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聴雨譚  作者: 木逸昼寝
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雨拵


 折り畳みの傘に音もなく降り注ぐ程度の雨とはいえ、アスファルトから跳ね返った雨粒がどんどん染み込み、薄いパンプス用の靴下を濡らしていく。スニーカーにでもしておけばよかったかな と思いながら環状8号線まで差し掛かると、通りの向こう側のコンビニ前に見覚えのある濃紺のステーションワゴンが止まっているのが目に入る。どうやら彰人と美緒が既に到着しているようだ。



 スモークが貼り全く内部の伺えない車体の横に立つとウィンドウがおり、美緒が顔を覗かせる。


 「やっほ 思ったより早くついちゃったあ うしろのって!」

 「うん」


 後部座席のドアに手を伸ばし傘を閉じ 身を滑り込ませる前に彰人へ一言 声をかけようと車内を覗き込むと 乗り込もうとする座席シートの奥隣

に人影を感じ 思わず声が出る。

 前方から美緒が覗き込む


「彰人のともだちの ヨウくん はじめましてだよね」

 「あ すみません はじめまして ええと 失礼します。 あ 彰人くん お邪魔します」


 しどろもどろになりながらとりあえず車に乗り込む。ヨウと紹介された男は低い声でよろしくと言った後 ぷいと前を向いてしまった。

 美しく整った鼻筋に切長の瞳がボサボサと寝癖のついたような長く伸び切った髪に埋もれている。

 

 「ひさしぶりー さ 乗ってのって」

 運転席にいる彰人に再びぺこりと頭を下げ、シートベルトをつけると車はカンパチを北方向へと走りはじめた。

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