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聴雨譚  作者: 木逸昼寝
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雨籠


 書き込みへのコメントからまだ数分しか経ってはいない。しかしこう言った時の時間の経過は歪みが一層ひどく、スローだ。


 日が落ち、暗く沈んだ街に降り注ぐ雨は幾つもの家々から漏れた灯りを、音を立てて通り過ぎる車のライトを 電灯すべて漏らさず乱反射させ落下していく。その雨を越え、こちらに引きずり出さねば、かおりは思い立ち Twitterにつぶやきを書き連ねる。



 「見も知らぬ人からの手紙なんて気持ち悪い通り越して恐怖なんですけど」

 「この手紙は警察に持っていったらなんらかの対応してくれるのかな 指紋とか取れちゃう?」

 「あー写真とって アップしちゃおうかな」


 忽然と消えてしまった手紙の写真を撮るなど土台無理ではあるが、脅しのつもりでツイートを続ける。しかし、だ。あの手紙は一体どこへ消えてしまったのであろう、其方の方が一層に問題で昼下がりに買い物から帰宅して郵便受けから取り出し、受け取った手紙がなくなってしまうまでこの家から出た事なく、昼寝をしてしまった数時間の間に誰かが持ち出したとでもいうのだろうか?このワンルームの部屋に侵入し、かおりが眠るベッドの傍にある引き出しから気がつかれずに取り出すなど至難の業である。



 「そだそだ かおりちゃん まだ彼氏できてないよね」

 

 こちらの混乱とはやる気持ちを遮り、そんなくだらない事は気にしないでとでも言うように美緒から再びLINEが入る。Twitterのアプリを一旦閉じ、美緒に返信を送る。


 「うん いないよ と言うかなんか今日 不幸の手紙みたいなのが届いて気味悪いの どうしよう」


 美緒に取り敢えずの返信をおくる。

 

 

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