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聴雨譚  作者: 木逸昼寝
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雨障


 誰に対して発せられたわけでもない言葉は垂れ流されおおやけへと向かい、しかし同時にくずかごの中に突っ込まれる。時折どこの誰だかが通りがかりにいいねを押してくれたり、求めている訳ではないものの不意にかおりのつぶやきへ思うところをつづったり、または反発や揶揄と言った趣きのコメントを寄せるものもいる。それら全てをありがたく思う。こんな世界の隅っこに住まう私に気がついてくれて、と。


 「もう わけわかんない おなかいたいし 雨降ってるし 眠たいし 無職だし」


 「変な手紙きた 不幸の手紙だったらやばい(笑) まあなくなっちゃったけど」


 「あーやだやだやだ なんでないの 引き出しに突っ込んだのにぜんぜんないの どこにいったのよ どこの誰 (笑) ××市ってどこ (笑)」


 脈絡なく、逡巡することなく垂れ流されたかおりのつぶやきはクリック一つで世界へと羽ばたく、そして直ぐに失速し、そこら中に落ちて降り積もるチリや芥となった。


 連続して愚痴のようなツイートをつらつらと呟くと珍しく直ぐに反応が来る。アイコンがデフォルト設定でたまごが浮かんだのっぺらぼうがかおりのツイートにコメントを寄せている。


 「まだ雨は降っていますか?」


びくっとして思わずスマホを握る手が揺れる。のっぺらぼうが途端に薄気味の悪い顔を覗かせた。名前とユーザー名を確認するがランダムなアルファベットと数字が並ぶばかりで初期設定のままなのであろうか、フォロー数もフォロワー数もゼロ、過去に呟いたり、いいねを押した形跡はない。

 

 


 

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