7話【問題児】
ツィルが死亡してから数十分経過した頃ようやくグランがその水死体を発見した。
「馬鹿な事もあるもんだ」
溺死している原住民を蹴り引き上げる。なんでこいつは溺死したんだか。泳げないのか。それとも自殺か。
「自然淘汰というものなのか」
どうだっていいか。此処に逃げ込む奴もいるはずだ。なら此処で待つべきか。少しくらいなら待っても良いかもしれない。城のところにはクリーチャーがいるから二手に別れるな。
――――
「なんだってこんなことになってんだよ」
ロゥムは丸一日だらだらと家で過ごす予定だった。周りに建物もないとてもとても寂れた無骨な岩山の中に構えた家。
今日はどうにもおかしい。こっそり広場に置いている隠しカメラには誰も映らない。
「お昼寝大会か〜?」
そもそもお昼寝に大会もクソもないと参加したこともないからどんな大会かも知らないが。
うさぎのピエロのような姿をしたロゥムはどうにも苛立って仕方がない。俺の知らない所で俺を欺いて笑ってるんじゃないだろうな。
被害妄想も甚だしいのは承知だ。
「嫌がらせしてやる」
今日はお休みの予定だったがロゥムはイタズラ道具の入ったバッグを持ち外へ飛び出した。
きっとツィル当たりが怒って怒鳴るだろうがそれがむしろ心地よい。
王女の秘密を暴いて俺が王女、いや王様?…性別無いからどっちでもいいが頂点に立ってやる。
ロゥムは恐らく皆がいるであろう場所を走り回った。
「…?」
べちゃっと足に赤黒い液体。水溜りかと思ったが粘ついている。そして周りにみんな寝ている。かんしゃく玉で起こしてやろうと大きな音を立てたが起きない。
「は〜〜〜〜?」
ガサガサと獣道から現れたのは知らない巨大な体格の怪人。
「誰?」
じとりとつま先から頭のてっぺんまで見るが本当に知らない。
「殺す」
ただそれだけしか返事はない返ってこなかった。




