『謝罪』〈2題目以降への布石〉
◆◇◆◇◆
「ルナさん」
「ノル殿」
仮面を外して、挨拶をする。確証はなかったものの【解呪】の行使はまだされていないことが分かって一安心だ【1264】
「先程は助かりました」
「いえ、お気になさらず」
しかし、どこか素っ気ない様子だ
「僕はまだ諦めてないですから」
「…ッ、公共の場で誤解が生まれる発言は
控えてくれたまえ」
そして何処か他人行儀な姿勢を崩すことはなかった
◆【着々と2題目の準備中】
参加者の方々に頭を下げて周る。特に道具店の人は大怪我させかねない状況だったため、真っ先に向かった
「結果的には問題ありませんでしたので
お気になさらないで下さい」
「お気遣いありがとうございます」
「それより、傷んだパンが投げ込まれた時
【魔弾】を使われましたよね」
やっぱりバレてたみたいだ
「お恥ずかしながら」
「助かりました」
「どういうことですか?」
「この大会も第一次の時点で退こうと
思っていました。心無い言葉を
浴びる意味もないと───」
本来の参加資格者がこれでは過去の大会も問題がありそうだな
「ですがミーラ…私たちの仲間のひとりが
【魔弾】への感謝を伝えたいと残りたいと」
ミーラさんに視線を移すと『会釈』されたのでお辞儀を返す───僕の行動が誰かの救いになったのならそれはとても良いことだな【1269】
◆【オーディンギルドの参加者の元へ】
「おい、危ねぇだろアレ」
「すみません」
「ちげぇよ、ラムウギルドの連中だ
あの太刀筋、ありゃわざと切って弾いた口だ」
ガモンさんが『シャリーさん』を睨んだ
「いえ、あの魔法を放ったのは私です
あの人はそれに応えただけですので」
「…お前」
普段は見せない『荒々しい様子』でガモンさんが僕を仮面越しに覗き込んできた
「うちの新人に似てんな」
「…はい?」
ガモンさん、僕に気がついていないみたいだ───それでもいつもの不敵な笑みを浮かべて肩を叩いてきた
「確かに魔法ってのは危ねぇもんだが
他人の不出来も背負い込むことはねぇ
特にラムウのはな!」
◆【ラムウギルド】
「先程は申し訳ありませんでした」
「気にしないで下さい」
リーダーの応対は『柔らかいもの』だった───それは一般の顔と『仲間』への顔が分けられた人の側面が見て取れた
「それよりうちの前衛はどうですか?
遠い国より修行でこの地を訪れていたところを
仲間に誘いまして───」
「…」
表情に動きがない。それにこの耳飾り前はつけてない奴だ───それに妙な魔力を感じるな
「お久しぶりです、シャリーさん」
「…」
呼び掛けにも、反応なしか
「その耳飾りは仲間との意思疎通が
円滑になるものでして私の贈り物です」
「…」
◆【鑑定眼】
産地:スガル迷宮
区分:3,622
種類:装飾品
ランク:A
所有者:グダス・ケントール
スキル:【静心】【魅了】
◆【スキル詳細】
【静心】
〈自己の感情表出を抑制する〉
【魅了】
〈特定の対処へ『盲信状態』になる〉
◆【所有者が変わっていない】
「贈られたものなんですね」
「はい」
平然と嘘をついてくるあたり筋金入りだと感じた───【スキル】のついた道具は『麻袋』の他に見たことあるものの『複数個』は珍しいな
しかし、これが悪意あるか否かは『2題目』で分かる。その時は『編集』で装備を壊すことも視野に入れるべきか




