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『水嚢?』〈高級品って使いやすそう〉

◆◇◆◇◆


『瞬退』のみでは足りなかった『捻り』『逃走』『反転』を合わせた『複合体術』による───『捻走転瞬退』でのみ、これに成功した


『瞬退』にて身体が後方へと向かい、それを追うようにして放たれた木剣に対し背骨を軸に受け流すべく『捻り』で送り、背を向けた1歩を『逃げ走り』、勢いをつけ───最後に『反転』し、勢いを押し殺すべく地面を踏み締めることで完了とする


 全力まで押し上げんとする脚力を敢えて『停止』もとい『反撃』に使うべくは言うまでもない───間違えれば背骨粉砕は免れないので通常の戦闘は魔法を使うべきなのは言うまでもない


◆【下半身の力が抜けその場に倒れ込む】


「げん、かい」


『瞬退』は想像以上に体力を消耗するようでその場に寝転ぶ形で体力が尽きた。今日は雲の流れる晴れだったことに今日初めて気がついた───何と言うか、地面を背にするのも悪くないと思った


「いつ休めと言った」


「勘弁してください…」


 視界の端からエルナ先生が顔を出してきた。少し不服そうなのは言うまでもない───若干頬を膨らませている姿は幼さ?を見せる年上なのに不思議な可愛らしさを見た


【1289】───上げていた首を地面に完全に下ろし、視界いっぱいに青空を満たした


◆【周りがざわめく】


「ぐっ…!」


 何か重く、高反発の何かが腹の上に乗せられたけど、何だこの妙な重さ、疲れてるんだってばさ


「ご褒美だ」


「…?どうも」

「っ!」


 水嚢かな?それにしても、この高級品の手触り、腹立つな───皮じゃないな、革だ。丁寧になめされて、触れていると心地よい。長年冒険者をやってるとそれだけ装備にお金が割けるのは羨ましいところだ


「…」


 それにしてもなんだこれ?水に混ぜ物でもしてるんだろうか?以上に流体に近い、それに飲みやすいように『注ぎ口』とは別に袋の中に固いもので補強されている───水嚢がそのままだと横になりながらだと袋自体が口を塞いで飲みづらいのでこれは有り難い


「…」


 腹の上の重みがなくなった


「まだ一口も」


「ノル・スタルジア」


「エ?はい」


「校庭を15周」


「…せめて水を」


「走れ!!」


 何をそんなに怒ってるんですか


◆【仕方なく水玉を出して水分補給した】


 僕も水嚢買おうかな


「お前、大胆だな」


「ノル君。いや、ノルさん」


「どんな匂いだった」


「え?」


 男性陣との距離が何故か近くなり、女性陣との距離は微妙になった。レノアさんは視線を背けてきた


「…?」


「ノル」


「シャリーさん、これは?」


「公衆の面前で尻を揉みしだくのは些か

 過激が過ぎるのでは?」


「…マジ?」


 首を縦に振るシャリーさん。今になってあの『固い感触』が『腰』だったことに気がつき、顔がはちゃめちゃに熱くなり始めた【1294】


「こう、足を片方に寄せて、そのまま尻を

 お腹の上に乗せたエルナ先生の…」


「解説しなくていいから!はっ!」


 エルナ先生を見ると仕切に腰を気にして、露骨に睨みつけられていた


「そこ、黙れ」


 ひと睨みされる僕達。エルナ先生は前髪をかきあげ次の話題に移った


「ま、アタシの授業はこういう風に進める

 ちゃんとついてくるように」


「こういう風って『そういう』?」


「シャリー・ノルドア、校庭20周」


「へ?」


「走れ!」


「はい!」


 藪蛇だな。気をつけよ

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