『エルナ・ストーングス』〈元傭兵先生〉
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『始業』の挨拶が終わり、講堂から帰ると教室に戻ると『女性』が教壇に立っていた。とても端正な顔立ちと着崩した服装『落ち着きのある』というより『気怠げ』と言った雰囲気を纏っていた。そして、おそらくマリアさんより遥かに強いのが分かった
「おせぇぞ一年ども、早よ席つけ」
◆【着席】
皆が席につくと、教師は話し始めた
「アタシはエルナ。七歳から二十二まで
傭兵をやってた。んで訳あって
去年からここの教師になった」
黒髪短髪、革の軽装。パッとみた印象は『座学』ではなく『実践』の教師だろうか。徐に髪をかき上げたエルナ先生は教室の出入り口へと向かい、その縁を掴むと出ていきつつ、全員に言った
廊下に出ようとする身体、取り残される頭と片手のその姿勢は不安定ながら微動だにしていなかった
「アンタ達のことは大体把握してるから
さっさと校庭に集合」
着席させた意味は?
◆【校庭へ】
「この世界には魔物に盗賊、悪人が多い
この学校に通う以上、アンタ達は
今後あらゆる敵と戦うことになるでしょう」
木剣を肩で弾ませながらエルナ先生は続ける
「今日は超基本的な動作を教える
最も、もう習得してるのもいるだろうけど」
◆【木剣が指し示す先】
「マリア・フィアナ・アルバート
前へ出て剣を抜いて」
「は、はい」
「マリア…」
「大丈夫よアマネ」
言われるままに剣を抜いたマリアさんと、眉をひそめたエルナ先生が向き合った
「いい構え筋ね」
「ありがとうございます」
「それで、アタシに切り掛かって来てみ
殺すつもりでいいよ」
「殺すつもり…ですか」
「大丈夫、斬れないから」
何をする気なのだろうかと見ているとその攻防はあまりに一瞬だった。瞬き厳禁の『一振り』対『飛び退き』のそれは常人のそれとは違っていた
剣筋を必要最小限の動きで躱し、その上でマリアさんの剣を持っていた手を掴み『手刀』を首筋に当てる動作で制圧するフリを見せた
「悪くないじゃん、アンタ結構強いね
レベルは160はあるね」
「お見それしました」
「あー恐縮しない、今のが
アタシがやって欲しい動きだから、いい?」
見学していた生徒に向けた『練習風景』───戦いの中で最も使う動作がさっきの『瞬退』。一足にて距離を取る『体技』だった
「案外、ちゃんとできてないやつが多いんだ
目測を誤って腹切られ、臓物をぶちまけた
馬鹿を10人近く見てきた」
木剣を地面に突き立てエルナ先生は静かに告げた
「とにかくさ、今日は徹底してこれやってもらう
できるならアタシの一撃を避けられる様に
なるまで、ね」
「他の授業はどうするんですか?」
シャリーさんが聞いた
「始業の後は特別だから今日は
アタシの授業だけよ。良かったわね
死ぬ気で全力出せるわよ」
どこに良い部分があるのやら甚だ疑問だ




