『時計塔の上で』〈友人に連れられ〉
◆◇◆◇◆
それは昼を少し過ぎた時のことだった。この時間帯は外食をする人や『休日』ということもあり、人のごった返した街の中で人混みが増した
◆【青ざめたブライトネス】
「っ…」
迫る人混みが迫り来る。前に道を変えようかとしたものの避ける道がなかった。突っ切るしかないかな───そんなことを考えていたら、ブライトネスさんが震えていることに気がついた
「ブライトネスさん?」
「え?ど、どうしたのノル、行こう?」
瞬きの一瞬で表情や仕草が『隠された』───最近『言葉』の内に『本音』を隠す人の相手をしていたせいか、それが気になってしまった
そして、迫る人混みに向かおうとするそんな姿が僕にとってあまりいい気分なものではなかった。そこでブライトネスさんの手を取り道の傍に避けた
◆【壁になる】
「の、の、ノル!?」
「少し我慢をお願いします」
背後では人混みが抜け始めた。もう少し他人に気を遣って欲しいがそんなことを考えてもしょうがないと壁に徹する
「…」
聞こえてくるのは昼御飯を楽しみにするものや、献立を考える声、中には楽しんだ後の感想の様なものも聞こえてきた。早い者はもう済ませているのだろう
「何処かで食事にしましょうか」
「そうだね。うん」
◆【クレープ屋】
人混みが抜けきり、歩き出す
「何処がいいですかね」
「アレなんてどうかな?」
ブライトネスさんが指差す先には『クレープ』───生地を薄く円状に焼き、内側に具材を挟んで巻く食べ物の持ち帰り専用のお店があった
「軽食ですけど…」
「いいの!買ったらさ?時計塔に行きましょー」
◆【クレープをふたつ買って】
街の中央に建つ、時計塔の上へと登る。見渡せば森や山に囲まれた景色が一望できる環境だ
今回はこの景色が目的ではないため、景色に背を向けクレープを食むことになった。時計塔の天辺───展望台のそこで並び食べるフレープは何となく『懐かしい』感じがした
「前より美味しいね」
どうにも前に食べたことがある様だった
◆【分け合って食べる】
「ノルはチーズとハムだったよね?」
「ですね」
「こっちのクリームとブルーベリーもどう?」
「いただきます」
惣菜クレープも良かったものの、分けてもらったデザート・スイーツのクレープも美味しかった
「あ、ゴミはワタシが」
「ありがとうございます」
◆【1333】
「最近仕事ばっかでゆっくりできるのが
至福だわぁ」




