『ハーレム自慢大会』〈由緒ある大会〉
◆◇◆◇◆
「終わった、終わったぁ〜」
「早朝からありがとうございます」
「いやぁ、出資するって言ったのはあたしだし?
このくらいはお茶の子さいさいって感じ」
今し方、『入学費含む代理出資者の説明会』が終わった───それにしてもブライトネスさんの個人資産の額がいくらか気になった
てっきりブライトネス家からの『融資』と思っていたものの書類を見た限り、エマ・ブライトネスさん『個人』からの出資だった───これは言及するべきか迷ったものの辞めておいた
◆【最近藪蛇突いてばっかだったので】
並んで歩く昼頃のこと、ふと目にした人だかりにブライトネスさんが駆け寄って向かい、散らしを嬉々として持ち帰ってきた。可愛い【1283】
「ノル!ノル!この大会出てみない?」
どれどれ
◆【ハーレム自慢大会】
少し目を疑う。ハーレム───1人の男性の周りに、多数の女性が集まっていることを指す意の方。を自慢するということは?
「何ですかこの
下世話の最高到達点の様な大会は…」
散らしの表題に思わずしかめ面をしてしまった
「若者向けに名前はアレだけど、読んでみてよ
騙されたと思って」
渋々目を通す。確かに名前とは裏腹に趣旨としては『新婚応援』や『若者融資』と言った真面目なものだった───『幸せのお裾分け』がこの大会の宣伝文句だった
主催者は侯爵のペペロという人だった───重婚制度を推進するための大会とのことで今年で300周年とのことだった。凄いなこの侯爵
てか、16年生きてきて初めて聞くぞ?この大会
「…なるほど、名前の割には
確かにちゃんとした大会ですね」
「若者向けに改名したんだって、そのおかげで
参加者の年齢層が下がったんだって」
「…慧眼と言っていいのか微妙なとこですけど
凄い立ち回りですね」
「審査員募集中なんだって一緒に参加しない?」
「えぇ…」
「うわぁ露骨に嫌そうな顔〜」
いや、そうではない───『幸せの形』というものが人それぞれであるのに『審査』をするという難題に対してのしかめ面だ
「僕には荷が重いなと」
「いっつも真面目だなぁ」
だって今この瞬間を『幸せ』と感じていることを誰かに話したとして、それな本当に『幸せ』なのかを判断するのは難しいものだ
「それよりブライトネスさんが
この手の話に乗る理由が僕は気になりますね」
「お?鋭いねぇ、やっぱり気になっちゃう?」
◆【真意】
「報酬がね。侯爵邸で開かれる試飲会への
招待なんだって!これは
受けない手はないでしょ」
「ブライトネスさん、それはありですね」
「でしょ!」
◆【共通の趣味】
いつかの談話で2人して『お酒』が好きなことが分かってからいつか一緒に飲もうと約束していた中だ。それが今回侯爵邸で行われる『新作の試飲会』とあれば気分が上がらないわけがない───【1383】
◆【2人して『審査員』として登録した】
「開催は結構先みたいだね」
「それにしても何で
審査員を募集してるんですかね?」
不思議な話だ。こんな得点があるのなら席の奪い合いになりそうなものだが?
「作法とかが厳しいからじゃないかな?
ドレスコードだったり、そこまで
飲んで食べてって雰囲気じゃないし」
「なるほど」
勿体無いな
◆【大賢者より】
『酔い』という状態を『回復』できる環境においてノル・スタルジアの所属する国・街では酒飲法により『依存性』によって飲酒可能な年齢制限が設けられている
ごく一般的なお酒や『試飲会』で出されるものは『美味』であることばかりが常である故、年齢制限は掛けられていない
『依存性』で最も年齢制限が高いものは『リリスシリーズ』と言われているモノだ。『リリスシリーズ』は『20歳以上』『常飲禁止』が定められておりその『依存性』は『興奮』である
その中でも『ピュアリリス』は一本『1億リア』と一般人では先ず手に入らない、お目に掛かれない代物となっている
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