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『虹色バッタ』〈天命を迎えて脱色〉

◆◇◆◇◆


 入学まで残り『1日』───入学式当日。いつも通りの朝が来た。背伸びをし、朝の諸々を終え、英雄学校へと向かう支度を始める


「…あれ?」


 いつも通り『野草』を上げるべく、窓辺に置いていた『硝子の箱』の中に入れていた『虹色バッタ』を確認した時、透き通った『素材』になっていた


 飼育の仕方が悪かったのかと調べて見てもそれらしいものがなかったので取り敢えず記録をつけてギルドへと持っていくことにした


◆【鑑定眼】


 産地:アロネ草原

 区分:36

 種類:魔物の標本

ランク:A

所有者:ノル・スタルジア

スキル:【純化】


◆【スキル詳細】


【純化】

〈魔力の循環、吸収、発散に恩恵を与える〉


◆【提出しに行く】


 家を出て『ギルド』へと向かう。それにしても【純化】か『素材』としての効果はどの様なものになるのだろうか?


 ギルドにつき、カウンターに誰かが来るのを待つ間、見回し、そこであるものを目にした───『ジェンナ』の項目がなくなった『受付嬢ランキング』だ


「あ、ノルさん。お疲れ様です」


「ローラさん。これって…」


◆【ジェンナ、受付嬢を退職】


「辞めた…ですか」


「はい、彼女のやりたいことが見つかったとかで

 せっかく専属の話も上がっていたんですが…」


 ジェンナさんは昨日の時点でギルドマスターに話を通して、退職を選択していたとのこと───順位は2位との話だった


「そう、だったんですね」


「そんなに落ち込まないで下さいよノルさん

 2位ですよ?2位!ジェンナちゃんも

 ノルさんに感謝してましたよ」


「なら、良かったです」


「まぁ、発表の時間に顔を出さなかったことに

 顔を真っ赤にして怒っていましたが」


「ん〜僕にも色々ありまして…」


 貢献度最下位の罰則で辞めさせられたんじゃないと知り少しだけ『ホッ』とした


◆【1183】


「ローラさん、こちらを」


「これ、虹色バッタですよね?」


「今朝色が変わらなくなったので」


 今朝がた『素材』になった『虹色バッタ』をローラさんに提出した───それは『硝子』の様に透き通っているものの『光』を反射して、見方によってその『色』を変える状態だった


 虹色バッタ本来の『隠密性』がそのまま『素材』になったものだった


「えっと〜ですね?ノルさん」


「はい…」


 何だろう、この既視感


「硝子細工はギルドでは…」


「虹色バッタですよ!正真正銘の!」


 本当にこの人は


◆【説明をして】


「はぁ…ですが『透明』なものは『特別依頼』にも

 なかったんですよね…」


「となると、無価値ですか」


 それなら硝子の中で飾っておくことにするかな───この見た目は個人的にかなり気に入ってる。毎朝餌を食べる姿に愛着も湧いていたから僕にはそれなりの価値がある


「いえ、そう言うわけではなく

 こう言う場合は『競売』にかける事になります

 他の色より安い金額が提示されることも

 ありますので期待はしない方がいいですよ」


「そうなんですね」


 …どうしようかな。ローラさんが言う様に硝子細工の様に見えると言われればそれまでだ───しかし、『リア』になるなら出してみるのも良いかもしれない


 が、気に入っているのもまた事実。非常に悩ましいものだ


◆【悩みに悩んで】


「それでは『競売』の手続き手数料を5,000リア

 競売完了後の1割をギルド側に譲渡するという

 形になりますがよろしいですか?」


「はい」


「それでは、明日ギルドにて

 引き渡しのためにお越し下さい」


「よろしくお願いします」


 2人に贅沢をさせられる金額になれば良いなぁ


◆【虹色バッタを競売にかける事にした】

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