『サラ・ロングローン』〈人気受付嬢〉
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入学まで後『2日』───この日は受付嬢ランキングの『最終日』。結果が張り出され、皆の前で『表彰』されるのだという。しかし、差が差なので表彰の件は縁遠い話とあって『依頼』の受注に寄った次第だ
ジェンナさんとの契約は今日限りで解消のため、またギルドの総合受付で『受注』と『報告』を自前でやらなければならなくなる───それでも疲労の溜まる『専属』よりはマシというものだ
◆【ギルドの中から聞こえる怒号】
ギルドの扉を開けるや否や───ローラさんが誰かの胸ぐらを掴んで持ち上げていた。何て力だ
持ち上げられている人の背丈はローラさんと何ら変わらない様子なのにそれを両手で両足が浮くほど持ち上げていた
「わ、わ、わ、どうしたんですか?」
「ノルさんにだって、私は止められませんよ」
「あたし、何もルール破ってないわよ!」
「何でそんなに怒ってるんですか」
絵面とは裏腹にローラさんは冷静に話を始めた───持ち上げていた人に何やら格闘術における『拘束』を掛けながらだが
「このサラって女が、また私の担当している
冒険者を無理やり奪ったんです」
「貴方に魅力がないから担当を
外されるんじゃない?イタタタァ!」
あ〜もうだめだ。このままでは技を掛けられている人の腕が変な方向にひん曲がってしまう。流石に技を解こう───ってえ?めっちゃくちゃ硬い!?
腕の方向が徐々に在らぬ方向に向かっていく、『180°が181°』に向かおうとしている
「ちょっとローラさん?ローラさん??
人の腕ってその方向にそんな力入らないですよ?
ローラさん???」
え?凄いな。僕の手で手首を回し取れるのに、外せる気が微塵も湧かない。こんな細腕のどこに『膂力』があるんだ───歪な膨らみもないというのに
「成績が叶わないからって、こういうことするから
担当が…イタタタ、無理無理ムリ!!」
『ミシミシ』言ってる!『ミシミシ』言ってる!!
「お?やってるな今日も」
「ちょちょちょ、ガモンさん?
いるなら早く手伝ってください!」
「まぁいつものことだがノル坊の頼みだ」
◆【人気受付嬢サラの風貌】
「肘いたぁ…」
「【治癒】しますね…」
「ガモンさん!離して下さい!」
「落ち着け、ノル坊が怯えてんだろ」
「…っ〜」
必要な『集中力』が少し緩和されたような気がする───サラさんの痛めている肘の【治癒】に『明確なイメージ』を必要としなかった
しかし、サラさんといえば貢献度『1位』の『専属受付嬢』のことだったっけ?
『夜を彩る褒美』を『ご褒美』に添えている。茶と金を合わせた長髪の巻き髪、ジェンナさんの言う通り、グラマラスな体型をされている───それを万全に活かす『露出度の高い』制服の着こなしをしている
◆【治癒を行い】
ガモンさんの腕から離れたローラさんがサラさんと睨み合いを再開した。また腕を『拘束』し始めれば、次こそ折きる勢いだ
「こういうことってよくあるんですか?」
「ん〜そうは言ってもなぁ
受付嬢を変えちゃいけない
奪っちゃいけないって規則はないんだがな」
「その、割り切れることでは…ありませんね」
「まぁな」
野次馬をしている僕とガモンさんにローラさんが叫んできた
「以前からこうなんですよ
このサラって女はっ!」
「だ、か、ら。あたしがローラの冒険者を
誘惑した証拠はあるの?彼らがそう言ったの?」
「そんなこと、言ってないけど」
「じゃあ決めつけないでくれる?彼ら
貴方の雑な仕事に嫌気が差したのよ、きっと」
サラさんの挑発にローラさんが怒髪天とあからさまに不味い状況になった。ガモンさんは「平和だな」と呑気に構えていた───本当に大丈夫なのだろうか
◆【他の受付嬢が総合受付へと集合する】
総合受付で『依頼』を受けようと考えて数分が経った。未だに喧嘩は続いている
「心配だ…」
「大丈夫ですよ。いつものことなので」
「あぁ、ジェンナさん。おはようございます」
「はい、おはようございます」
◆【続々と出社】
「そういや、ノル坊はジェンナちゃんを
指名してたが『できてる』のか?」
相変わらず『ズケズケ』それ系の話をぶっ込んでくるなこのギルドは、僕にはその手の話題には縁がないというのに───ジェンナさんに関しては『偶々』僕を選んだだけだ。自惚れられる程の存在ではないことは自覚している
「違いますよ。ジェンナさんに頼まれて
今回限りで手を組んだって所です」
「ふぅ〜ん。ま、俺には関係ないがな」
何だろ。すごく含みのある言い方だ
◆【受付嬢ランキングは集計中とのこと】




