【紫電】【R】【50】『逆引き』
◆◇◆◇◆
スライムは本来、弾むようにして動く───その弾力性のある体によって弾むように動くことは理にかなっている
何故なら転がったり、地面を張った移動方法は先の手段に比べ損傷が少なく、移動距離も稼げるため、加えて高所からの落下というのは比較的得物から感知されづらい
「…ッ!」
とは言ったものの。それはある程度の大きさまでの話。スライム種は人間と異なり、レベルを蓄えた状態が『肉体』に大きな変化を与える
つまり───
「…でか」
───『巨大化』するのである
◆【通路を塞ぐ巨体】
肥大化した巨体が通路全体を塞いでいた───ここまでくると弾むことは愚か、転がることもままならない、故に身体を天井、壁、床に擦り続けながら移動を続ける
見上げる程大きなそれが通路の曲がり角から『のっそり』と現れた
◆【鑑定眼】
名前:黄金スライム
レベル:138
スキル:【腐敗】【巨大】【分離】【合体】
◆【スキル詳細】
【腐敗】
〈鮮度が落ちている。体液が澱んでいる〉
【分離】
〈肉体を切り離すことができる〉
【合体】
〈分離した肉体を一体化できる〉
◆【レベルが高い】
「…」
『圧』の正体はこれなのだろうか。レベルの差を肌で感じる。とはいえ、黄金スライムには変わりがない───スライム種の持つ厄介な『俊敏性』はあの見た目と動きからして、完全に損なわれている
「…やるかな」
敵わなかったとしても『一撃離脱』で着実に削れば問題ないだろう。取り敢えず、戦ってみよう
◆【VS黄金スライム】
【石弾45】【水玉】で牽制をかける
『石弾』は勢いを殺され、地面に落ちて砕け『水玉』は弾けて飛び散った───黄金スライムの身体、液体の密度が上がり過ぎているためか、通常の大きさで通じていた質量による攻撃が無効化されている
「…っ!」
黄金スライムの身体から何かが僕目掛けて、勢いよく飛んできた。そんな使い方があるのか───体液を【分離】して打ち出してきたようだった
「…っう」
黄金スライムの吐き出した体液から咽せ返る刺激臭がする『腐敗』したそれは本来の個体というより、液体に近い状態をしており、着弾と同時に『気化』した
「…気持ち悪い攻撃するな」
【魔弾】による攻撃は唯一反応を見せた。黄金スライムの肉体を爆ぜさせ、黄金スライムの身体を僅かに削ることができた───魔力の消耗が厳しく、この状況での乱発は自殺行為だろう
今ある手札に有効打がなく、意図したことではないが最近溜めていたのが正解だった。【創作】に意識を向ける
【紫電C】
〈線上、小範囲に『雷電性』を展開する〉
◆【1333】
「…」
【スキルC】を直接獲得するのは初めてながら、それの使い方と何故それが数ある属性から選ばれたのかも即座に理解できた
【紫電】の持つ特性は『感電』───『属性』の持つ特徴は火は延焼、水は浸透、風は楯行と様々だ。その中でも『電・雷』の持つそれは着弾から広がる『拡散』だ
黄金スライムに向けて放ったそれは着弾と同時に黄金スライムの内外問わずに全身を無作為に流れ続ける
黄金スライムの身体が波打ち始めた直後、奇妙なことが起こった。巨体が大小様々な形で【分離】を始めた
「…っ」
数的不利と思われたものの、その心配は杞憂に終わった
◆【鑑定眼】
名前:黄金スライム
レベル:69
スキル:【腐敗】【分離】【合体】
名前:黄金スライム
レベル:35
スキル:【腐敗】【分離】【合体】
名前:黄金スライム
レベル:17
スキル:【腐敗】【分離】【合体】
産地:無限の迷宮
区分:7
種類:黄金ゼリー
ランク:S
所有者:なし
スキル:【腐敗】
◆【分離】
『分離』のそれは本来のレベルの半分の値で自らを当分するものだった。最後に現れた17の片割れに至っては『紫電』を内包していたかと思えばそのまま動かなくなり、そのまま『素材』になった
「頭がいいのか悪いのか…」
別れた黄金スライムはそれ程に脅威は感じられなかった。唯一レベルの高い個体は先までの巨体のアドバンテージは無くなってただ愚鈍な的となった
【合体】を使おうとしたところを【魔弾】【石弾】【水玉】で遠くへ追いやり、残ったそれらを倒していく───【紫電】で69を再度『感電』させれば先程同様に身体を分離させた
「…」
◆【倒し終え】
数が嵩張ると無視していたものの、黄金スライムがこのような変化をするのは恐ろしいものがあるな。どうしたものか───余計な時間を食ったものの、無事に無限の迷宮から抜け出すことができた
◆【紫電Cを手に入れた】
【紫電】【R】【50】
〈極小範囲に『雷電性』を展開する〉
無地の場合、手のひらを覆う様にして『紫色』の雷が現れる。これにより、接触した対象に対して『雷電性』を与えることができる。痺れる程度ながらこれが強化されるとそうも言ってられなくなる
「浄化の形式がそのまま雷になった感じだ」
◆【1343】




