『無限の迷宮』〈一層の異変〉
◆◇◆◇◆
入学式まで残り『4日』───やるべきことを頭の中で考え事がまとまらないなか、桶に溜めた水を顔に顔を上げれば鏡と嫌でも自分の顔が目に入った
【鑑定眼】で自分を見つめる
名前:ノル・スタルジア
年齢:16
種族:人間
レベル:35
職業:冒険者 英雄学校『Sランク』
スキル:【大賢者】【創作】【編集】【付与】
【LP変換】【魔弾】【石弾C】【鑑定眼】
【浄化】【人物探知】【水玉】【霊感】
◆【スキル詳細】
【霊感】
〈五感が魔力領域を獲得する〉
「これのおかげであの人達と交流できたのか…」
◆【日課を済ませて師匠に挨拶】
『ノル君…これは?』
髪を洗い、丁寧に拭き上げる。充分に乾かし、髪に薬液を塗布していく、確かそれほど量はいらないくて、一振りを全体に馴染ませる様に
「ヘアフレグランスといって
髪に匂いをつけるものらしいです」
『いや、そこじゃなくて…』
「?」
『いや、普通に髪の手入れしてくれるのが
なんというか意外で…』
「嫌でした?」
『違う違う、なんかズレてるんだよな…』
ブルーベル。香料が主張し過ぎない、ほんのりとマスカットの匂いがふと香るヘアフレグランス───オイルタイプのそれは髪の痛みの補修にも一役買うらしいので試してみた
◆【昨日の出来事をひと通り】
『なるほどね、他の女の子のところいくから
ご機嫌取りと』
髪の手入れを終え、一色を片付ける。師匠の機嫌がやや斜め寄りなのが気になる。気に入らなかったのだろうか
「…言い方がアレですが内容としては合ってるので
なんとも否定しづらいですね」
『いいさ、いいさオリヴィアを放って
他の女にうつつを抜かすといいさ!』
「…迷宮の攻略が少し遅れます
許してくれますか」
『んんん///いきなりクソ真面目なの
反則じゃない?』
「いや、真面目な話ですよ?割と」
『まぁ、ノル君の手が早いのは今に
始まったことじゃないしね
多めにみるとしましょう。気を
遣わせたみたいだしね』
いつもおどける師匠が今日はどこかしっとりとした物言いをした。明日は槍が降るかもしれない
◆【師匠からの助言】
『この前言ってたデッドリーパーの件
いい解決策を思い出したんだ』
「助かります」
『なぁに師匠の気まぐれさ
【魔法融合】ってものを作るといいさ』
◆【1423】
「結構持っていかれますね」
『ノル君やっぱり魔法使いの才能があるんだね
オリヴィアの時はもうヒーヒー言ったんだよ?』
「そうなんですね」
『将来は宮廷魔法指導者か〜
はたまた魔法ギルドになんかに
就職したりしてね』
「そうなれば将来安泰ですね」
◆【1433】
『んじゃ合わせて【火扇】【風撃】【紫電】は
一気に取ってもいいんじゃないかな?』
「後で考えておきますね」
『え〜ノル君そっけない
ここからが面白いのに…』
「リザードマンの
討伐に行ってきますね」
『うい、気をつけてね』
地上に戻る途中、一瞬だけ、背筋に悪寒が走った。この感覚は『マリアさん』の『カリスマ』と似ているが───これはもっと純粋な『圧』だ
「この層には黄金スライムしかいなかったよな」
後退り、剣を構える。警戒していた通路の曲がり角から、いつもの黄金スライムがやってきたかと思い安堵したのも束の間───それは後に続く、巨大な黄金スライムの一部だった
「…でか」




