【石弾C】【CR】【ー】
◆◇◆◇◆
「第一試験お疲れ様でした。第二試験は
入学後の暫定的なランク分けを行います」
受付を終え会場で待つこと1時間。教師が登壇をし、第二試験の説明を始めた
「第二試験は皆さんの【スキル】を
披露して貰います」
◆【第二試験会場】
第二試験は『校内』と『会場』で分かれて行われる
『校内』───【非戦闘スキル】の第二試験。【演算】や【記憶力】などの『事務系』による試験。【目に見えない】それでいて【効果が限定的】なモノなどもこちらに該当し、校内の『運動施設』に仮説された場所で行われる
『会場』───【戦闘スキル】の第二試験。【直接的被害】や【間接的被害】などを『ダミー人形』や『的』、『玉水晶』によって効力を推し量る試験。【武器術系】や【魔法系】【支援系】は会場に設けられた『それぞれの測定器』で測られる
◆【選ばれたのは】
教師の説明により『会場』で試験を受けることにした。【スキル】なら【大賢者】ながら【これ】に関してはいまだに使えない
【5000LP】を使って『下位』のものに【編集】できるものの『LP』がそもそも足りていない上に、使用できずとも苦労していないので『今まで通り』無いものとして扱うことにしている
となれば残された手札の【創作】【編集】【付与】【LP変換】【魔弾】【石弾】【鑑定眼】【浄化】【人物探知】が残った
この中でも取り分け【創作】【編集】【付与】は自分の力とは言い難いので除外する───いくら『譲渡』されたからと言ってそこまで驕れるほどの理解力はない
【LP変換】自体には特異性はない───先に述べた【3種】の火付け役としては『素晴らしいスキル』ながら、試験の趣旨とは合わないのが分かりきっている。除外だ
【人物探知】も効果としては『素晴らしいスキル』ながら比較的新しい上にこの会場にいる者を知らない自分にとって【人物探知】はないも同然のため除外する
【浄化】も効果としては『非常に優秀なスキル』だが『汚れが落ちる』『ドブを時間をかけて綺麗にできる』『軽い体調不良を治せる』『不死者を昇天させられる』など目に見えた効果としてはあまり期待できない
◆【魔弾】【石弾】【鑑定眼】
教師の一部に連れられ『校内』組が会場を後にした。そろそろ第二試験の順番が回ってくる頃だと思われる
やたらと人の目が集まっているのは気のせいだろうか───ブルードン伯爵と僕に『教師』の目が集まっている。『警戒』というより『期待』の眼差しが感じられるのは『自意識過剰』だろうか
『万能感』の『驕り』がまだ抜けきっていないのかもしれない
「では最初、ノル・スタルジア」
「っはい!」
名前を早々に呼ばれてしまった。どうしたものか
◆【教師に連れられ】
会場に設けられた仕切りの先で『ダミー人形』『的』『玉水晶』を前にした
「君は何をする」
『第二試験』は『すること』を予め、審査する教師に言っておき、それに合わせた『測定器』が割り当てられるとのこと───となれば僕が最も扱い慣れている【魔弾】か【石弾】に択が絞られた
「【魔弾】と【石弾】はどちらがいいでしょうか」
「ほぉ準男爵なのにその歳で2つのスキルとは
親に愛されている証拠だな」
「…ありがとうございます」
◆【銭ゲバらしい物言いだ】
「なら楽な【石弾】を、やってみたまえ」
「分かりました」
用意された『測定器』の内『ダミー人形』と『的』の使用が命令されたので準備を始める
『ダミー人形』は『スライムの身体』から製作された───『被害計測器』だ。受けた攻撃を『スライムの皮膜の破損具合』『骨を模した芯の振動』により、視覚化してくれるものである
『的』は『照準性測定器』だ。射出系の【スキル】によって『正確性』を視覚化してくれるモノで、使い切りの『木製』の的である
『玉水晶』は今回使わないものの【スキル】の『効果量』を『魔力量』で測定し、『色彩』によって視覚化するものになる。黒:紫〜赤:白で区分される
◆【測定器に向けて手を伸ばす】
【石弾】を『ダミー人形』に向けて放った。打ち出したそれはスライムを抉り取り、ダミー人形を大きく揺らし、やがて収まった
穴の大きさは『20cm』。衝撃は人に殴られた程度のものだった───鋭利な直径20cmの礫がそれなりの速さで飛んでいく姿は改めて見ると恐ろしいものがある
「…次、的」
「はい」
教師が何かを書きとめるのを待ち、的の測定器の前に移動をして、準備を始める
◆【石弾に異変】
それは突然だった。何気なく、いつも通り、気にすることなく【石弾】を放った時、異変があった───甲高い風切り音を伴って、いつもより速く【石弾】が飛んでいった
「え?」
「ん!」
構えた照準の先、手のひらから射出された『礫』は見慣れた速さではない『速さ』で射出された。驚くべくは『発射までの短さ』であった
「今、石弾が小さくなかったか?」
許可を得てからダミー人形に再度放つと『10cm』の小ぶりな穴になっていた
「小さかった、ですね」
訳が分からなかった。何か【スキル】に異常が出たのかもしれないと【鑑定眼】で【詳細】と【スキル】を確認し、一先ずの安心を得た
◆【報告】
「石弾が成長していたみたいです」
なんてことはないことだった。スキルの『使い込み』───『熟練』が形として現れた様だった。僕は意外と魔法との相性が良いのかもしれない
「君…なぜ分かるんだ」
「それは【鑑定が…。あ…」
教師が『驚愕』で固まっていた
◆【スキルの詮索は基本御法度】
「…君、玉水晶も使いたまえ」
「はい」
教師に促され、玉水晶に触れる───魔道具のそれは『レベル33』の魔力を受け『黒ずんだ赤』色を示してきた
デッドリーパーを経ての成長だろうか。今後は【鑑定眼】によるこまめな確認が必要なのかもしれない
「もう、行っていいぞ」
「ありがとうございました」
そそくさとその場を後にした
◆【石弾が成長した】
【石弾C】
〈石を生成して撃ち出す
溜めにより大きさが変化する〉
〈溜めが短ければ小さく速い礫が射出され
溜めれば溜める程に大きくなる〉
◆【930】
◆【大賢者】より
【スキル】───【才能】を【具体的な形】にしたもの、昇華させる【儀式】の抜け穴として『英才教育』を経た『複数回の実施』というものがある
【神託の儀式】───【才能】を【具体的な形】にするものだが、これは【才能】に限った話ではない【努力】もまた『具体的な形』とすることができる
【才能】と現在の【努力】を【スキル】として持つことができる───言わずもがな。他の『正規神託者』と比べてその『人生の開始位置』は遥かに高いところからとなる
しかし、これらには『金銭が必要』となる
【努力】が『形あるもの』になる時は【才能】と違い『肉付け』を必要とする。これには『代償』が伴う
故に『お布施』によって『聖職者』が『代償を払う儀式』をやってくれるかが決まり、仮に『了承』されたとしても身につけるべき【第二神託スキル】の贄となる【努力】は『教育』ありきな為、その総額はかなりの額が必要となる
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