【人物探知】【R】【150】『逆引き』
◆◇◆◇◆
「レノア様、デッドリーパーって昨日
街を騒がせていた魔物ですよね?」
「凄過ぎますわ」
「いえ、私ではなく…」
会場を離れる。今は1分1秒が惜しい状況だった。思考を整理する余裕がない───【創作】に頼る他なかった
しかし、スキルの知識が『付け焼き刃』な自分にとって『特定のスキル名』を【創作】によって念じることは『困難』だった
頭の中で『シャリーさんは何処にいるのか』という思考が周り始めた頃【創作】から『返答』を受けた。それらは『人探し』に最適な【類似スキル】群の『名前一覧』だった
「…」
名前だけ聞いたところで分からないため、その中でも『名が体を表しているスキル』を念じた
◆【840】
目を開ける。視界の内に白い帯の様なものが現れた。それは地面に敷かれた絨毯の様だった───【スキル】の効果で『これ』を辿ることで『探し人』の元まで行けることが分かった
◆【安堵を経て】
「シャリーさん!」
大理石のアーチを潜り、街へと戻る。『不合格者』が流れる道に沿って移動を続けると『探し人』が目の前に現れた
「ノル?どうした」
「どうしたもありません。シャリーさんの
名前が呼ばれなかったので」
「…なるほど、ノルは優しいですね」
噴水を眺めていたであろうシャリーさんが僕に向き直った。前髪で隠れた顔から『表情』は確認できなかった
「今からでも、学校側に落とした理由を聞きに
戻りませんか?納得が…」
前に一歩出てシャリーさんに近づいた
「その必要はないですよ」
「まさか…諦めるというんですか」
僕が云っていいものか分からないもののシャリーさんに疑問をぶつけた。『デッドリーパー』の素材は他の『汎用性』のものと比較して破格のものだ
それが生み出す点数も『破格』の筈だ。納得いかない───しかし、シャリーさんは『安堵』と『悲しみ』の混じった微笑みを向けてくると『書類』を差し出してきた
◆【返却不可】
「これは?」
「某は第二試験を免除されました」
「それはどういう…」
差し出された書類には『Sランク入学手続き』と『デッドリーパーの売却額』が記されていた───その額『1,600,000リア』の査定だった
スタルジア家換算で『アリスの卒業』まで安定して通わせられる額であり、加えて普通に暮らすなら気温の差が一巡するまで『3人』が働かなくても生活できる額だ
「ひゃく!?」
「点数は16万とぶっちぎりでした
学校側が2周までの学費を免除に公表を伏せ
特別枠にて強制入学となり───」
銭ゲバめ、断りづらいであろうシャリーさんを買収でもしたのだろうか。確かに大金を逃す手はなしだ
「───リアでの返還は効きませんでした
ノルには申し訳なくて…」
だがそれよりも『不当な理由』でシャリーさんが落とされたわけじゃなくて『本当に』良かった
「…」
◆【880】
「良かった…てっきり落ちてしまったのかと」
「…心配症ですねノルは」
「云ってたじゃないですか、開業するのに
ここの卒業が役に立つって」
「…リアは、いいんですか?」
確かに『160,000リア』は大金だ。英雄学校に通わないのであればどれ程の『余裕』が生まれるのかは想像に難くない。それでもだ
「確かに惜しい限りではあります。ですがリアは
稼げば過ぎることですし、気にしないで下さい」
「…時間、大丈夫?」
「あ、そうですね」
シャリーさんに書類を返し、急ぎ受付に向かうことにした。これが済めば『実績』として残ることになるため、これこそ逃す意味はないことは間違いなしだ
人の流れを割く様にして学校へと戻った
◆【人物探知を手に入れた】
【人物探知】
〈現在地から対象人物までを知れる〉
発動することで視界に『対象まで』の道順が『可視化』される。最短距離を教えてくれるだけで安全は保証されていないのが稀に傷だ
「離れ過ぎると道順ではなく位置を示してくれる」




