『レノア・ブルードン』〈伯爵家令嬢〉
◆◇◆◇◆
全身が燃えんばかりの感覚に襲われた様な気がした。何分意識を手放しているせいで何もかもが曖昧だった
◆【1520】
「…」
「ノル?」
意識が戻ると同時に『LP』の急激な増加を目の当たりにした。それと同時に身体に『違和感』を覚えた。不快感ではない、今ならなんでもできそうな気がする───『全能感』とでも言うべき、多幸感が抜けない状態が続いていた
「ひとりで歩けるので大丈夫ですよ」
驚く程、身体が軽い、瞼が勝手に持ち上がりひとりで歩けるどころか、空を飛べそうだ─── 身体の隅々までが思う様に扱える様だった
いや、扱えた。視界が捉える情報───僅かな時間が引き伸ばされた様にゆっくりと。不思議そうに顔を覗かせてきたシャリーさんと前髪越しに『黄金色の瞳に縦に長い瞳孔』と目が合った。綺麗だ
◆【不気味な髑髏】
「これどうしますか」
デッドリーパーのいたところまで戻ると鎌と黒い斑点が浮かび上がった頭蓋骨だけが残っていた
無意識的に【鑑定眼・欠】を使おうとしたものの、魔物には使えるのに『物』に使うには不適合らしい。仕方がないので【編集】を使った
◆【『人→対象』】【『詳細』】
【鑑定眼】
〈対象の詳細を知れる〉
【500】
◆【1020】
『デッドリーパーの頭蓋骨』───魔力が凝縮された髑髏。『付与魔術』や『装飾品』への加工により内包する魔力や【スキル】を『活用』できる
「デッドリーパーの頭蓋骨は
素材としてよく使われてるみたいですね」
「趣味が悪いです」
「まぁまぁ」
デッドリーパーの『魔力』を内包する『素材』という点からこれひとつでもかなりの『点数』が予測できた
「後は…」
「!?」
近くを通り過ぎようとした『虹色バッタ』を捕まえる。【鑑定眼】越しや『逃走時』の景色との『同化ズレ』があったなら『迷彩効果』もあってない様なものだ
「どうやったんですか?」
「確かに昆虫系は動作が速いですが
単調なのでシャリーさんも慣れればできますよ」
【鑑定眼】様々だ
◆【虹色バッタの『生捕り』を4匹】
道中で袋を買った店で虫籠を買い、学園に戻り提出した
「レノア・ブルードンチームの提出を確認しました
これ以上の提出には別途料金を頂きます」
銭ゲバ学校め、守銭奴ここに極まれりってやつだな。知らんけど───回数制限なんてルール聞いてない上に、追加料金を必要とするなんて、どんな学校だ
◆【虹色バッタと頭蓋骨提出】
「明日の第二試験前に通過者の発表が
ありますので忘れずに集合をして下さい」
受付から離れ、これ以上の滞在は無意味に近いので明日に備えて帰ることにした
「レノア…ブルードン?」
「あの人のことですよ」
ひとりポツンと佇む『シャリー・ノルドア』と名乗った伯爵家の令嬢を手のひらで指しながら会場を後にした
◆【第一試験、実質終了】




