『ライバルギルド』〈ラムウ〉
◆◇◆◇◆
アロネ草原へと向かうことになった。街を起点に南下して進んだ場所───『無限の迷宮』近くの狩場での『ゴブリン討伐』が最適と判断してオリヴィアさんへの報告も兼ねて受注した
◆【遭遇したパーティ】
午後に差し掛からんとする日照りの最中、男女混合のパーティに出会した
「やあ君、新人冒険者かな?」
「そうなんですよ」
男2人、女2人、遠近中とバランスの取れたパーティだ。そのうちの1人、パーティの精神的支柱らしき男が話しかけてきた
「この草原は弱いのが多いし
新人がよく訪れるんだ」
「そうなんですね」
◆【少し話して】
このアロネ草原は初心者御用達の場所らしく、毎年の様に油断が祟り命を落とす事件が起きているのだとか、そんなことも珍しくないのでこのパーティは見回りを実施しているとのことだった
「それでは」
「君…もしかしてひとりかい?よかったら
臨時でパーティを組まないかい?」
「嬉しい申し出ですが…」
断ろうとすると「まぁまぁ」と強引に手を組む流れになったが雰囲気が変わり、雲行きが怪しくなった
「そう言えば君、どこに所属してるんだい?」
ギルドの所属について聞かれた。その目は品定めをする様なものになっており、あまり気分の良いものではなかった
「オーディンですよ」
そして、返事を聞くや否や、四人は途端に態度を変えた
◆【雑な勧誘】
「ないわー、オーディンとかウけるんですけど〜」
「ね〜、あんなとこよく属するよね〜」
いきなりなんなんだか
「…あの、もう行っていいですか?」
「なぁ今からでもウチ、ラムウに鞍替えしない?
あの伝説の冒険者
アイリス様も輩出した最強のギルドだから!」
◆【ギルド間の派閥争い】
「そうなんですね」
「この子、生意気そう…」
「オリヴィアとかに憧れてそう」
あの残念美人に憧れる要素あるかな。確かに活躍していたとは聞くが、今は鎖の内側だし
「もう行ってもいいですか?」
「あー流石におふざけが過ぎた」
「…」
「どうせ討伐対象はゴブリンでしょ?
教えてもいいよ」
「いえいえ、お気遣いありがとうございます
ですがひとりで頑張らせていただきます」
◆【よくある話】
貴族間にも派閥争いはよくあることで王家の跡目争いの場ではその気が強くなる。より良い方向へ進もうとするのは同じでも『方向性』が違うことで対立が生まれることがしばしば、この手の場合『正解』は数あれども道は『ひとつ』とあって衝突は避けられないのだが
『その道』を『正道』とするには『支持』を必要とする。所属することで如何によりどういった舵切りをするのか、と言ったものだ
求心力───人にどれだけの利益を与えられるか。それが『派閥』には必要になる
◆【ラムウギルド員にはそれが感じられなかった】




