『風の選別』〈【魔法】を取得できる代物〉
◆◇◆◇◆
こうしてみる『ここ』は8層と比較するとだいぶ温かみというか、自然味のある空間だなと感じる。人の手で作られた様な『人の温かみ』を感じる見た目をしているな───2層は
『…』
「ただいま戻りましたオリヴィアさん…」
◆【生存報告と───】
『さっすが我が弟子!オリヴィアが動けたら
熱烈なハグを───』
「人が吊り下げられてる、です」
『これがノルの師匠か』
『子供と…それに魔獣?』
「こ?」
『こっらー!ノル君なんばしよっとかー!!』
「えぇえ!?」
情緒不安定過ぎないかな───先まで嬉しそうな声色をしていたのに、今度は急に怒りを露わにした。死地に飛び込んだことを怒られた訳ではないのだとしたらいよいよを持って心当たりがないのだが
「…ところで、なんばしよっとか?とは
どういう言葉ですか?」
『異世界の言葉で「何をしているんだぁ!」って
言葉だよ』
「…なるほど?」
何故いきなりそんな言葉遣いをしたのだろうか───いや、意味はないだろう。もしくはよく使っていた言葉が口をついて出たんだろう
◆【誤解】
『ごめん、ごめん。てっきり外の人を
この迷宮に招いたのかと思ってね
師匠の早とちり』
「ひとつ聞きたいんですが、やっぱり『ここ』は
誰かに教えない方がいいんですよね」
『だね。理由は沢山あるけど1番は』
「1番は…」
『国に取り上げられることだね』
「…報奨金が出るとよく聞きますが」
『出るよ。出るけど隠しダンジョンだよ?
人生n回分のお金??そんなの端金だね!!!』
テンション高いなぁ
『ノル、我々は辺りを見て回る
お前は師匠と募る話があるだろう?
終われば召喚術で呼ぶと良い』
「ありがとうございます」
『賢い子だね。それに黒獅子
300年前にも目撃情報は噂程度だったね』
「虎丸さんにはとても助けられてます」
『トラマルって〜変な名前だね』
◆【風の選別について】
「師匠、この風の選別ってモノなんですが
どういうモノなんでしょうか?
僕の鑑定だと、ランクとスキル
後は加工品しか見れなくて」
しかも、その加工先もないときた
『それは結構希少なやつだよ
飲み込むと風の魔法覚えるの』
「それは凄いですね」
『でもね』
「でも?」
『選別ってのが面白い所でね。人によっては
食べても意味がないの。それの上位が恩恵って
ものになるんだけど、今は割愛しようかな』
「…」
『食べてみたら?複数の風魔法覚えられるかもよ』
「意味がないかも知れませんよ…」
手のひらに乗る大きさの『玉』を見つめる───これを食べれば【スキル】が手に入る。俗に聞く『スキル玉』というのがこの様なものだったとは。ブライトネス家でも使ったことを聞かされ、学校でも習っていたものの実物を見るのはこれが初めてだった
「こんなに小さいんですね…」
『そうだよ〜
大丈夫…ノル君なら確実にひとつは手に入るよ』
「なんでそう言い切れるんですか?」
『師匠だから』
「それ、そこまで万能な言葉ではないですからね
でも───」
でも、師匠はふざけること、間違えること、冗談を言うことはあるけど───そのどれもが本心からの声であることは知っている
「───師匠が言うなら」
◆【口に入れ】
『飲み込む』と言うより『溶けた』───口に入れ、飲み込もうと思った時には口の中にあったものが溶けて口の中から消えたのだった
【6948】───身体の芯から満たされる感覚に身を任せると『風』を全身で感じることになった。先まで僅かにでも残っていた疲労感すら、その風が吹いてしまった
『選別を通過したみたいだね』
「分かるんですか?」
『おうともさ、伝わってきたよ
ノル君のか・い・か・ん♡』
「なんか、増えてますね」
『無視って酷くない!?』
◆【鑑定眼】
名前:ノル・スタルジア
年齢:16
種族:人間
レベル:130
職業:冒険者 英雄学校『Sランク』
スキル:【大賢者】【創作】【編集】【付与】
【LP変換】【魔弾C】【石弾C】【鑑定眼B】
【浄化C】【探知C】【水玉C】【霊感C】
【魔法融合】【紫電C】【治癒C】
【暗視】【陽光】【頭痛耐性】【頭髪増毛】
【体術C】【体力上昇B】【召喚術】
【盟友の誓い】【状態異常回復C】【火扇】
【投擲C】【◾️◾️剣術・未熟】
【風上】【風足】【風斬】
状態:『有頂天』
◆【なんか知らんもんが色々増えてる】
【風上】
〈魔力を運の値に『変換』する〉
【風足】
〈風による推進力を受け、機動力を上げる〉
【風斬】
〈風で形成した刃を『中範囲』に打ち出す〉
【風上】目に見えた変化は感じられないスキルだ
【風足】は動作に風の助力が受けられる代物だった───使い勝手が微妙に悪い。風によって機動力を上げているため屋内で使用すれば惨事を招くことになる
【風斬】は手の振りによって指向性を定めることでその方向に『風の刃』を放てる魔法───威力はそこそこ、範囲は両腕を広げた程度の範囲で指定方向へ一直線に飛ぶ魔法だ。多対1というより、1対1の牽制に使える代物だ
「ともかくとして、LPが増えたことが
地味に嬉しい」




