『銀狼』〈白銀の群体〉
◆◇◆◇◆
ここまでの迷宮を散策してきたことで『下層』へ降りるための『規則性』は身についていた───【ゲートキーパー】を保持する敵を倒すことでそれが可能となる。7層でも例に漏れず、これを見つけ倒すことを目的に探索を続けること数十分が経った
◆【銀狼の群れ】
先から虫が増えてきた上に大きさが増し、種類が凶暴な『肉食の蜂種』群がって来ている。近くに巣でもあるのだろうか
誰かが藪を突いたのだろうか?などと考えていると『以前来た時』に感じた『不快感未満』の何かを感じた
「…」
『ノルも気がついたか』
『森の騒めき』を明確に感じることになった───僕というより、『何か』に怒り、それの余波がこちらに来ていると言った感覚だ
こういう時の【霊感】と【鑑定眼】で調べると『無地』から『C』に上がっていた。『怒り』というモノを感じているのは『ランク』が上がったからだろうか。とても有難いが
「これは、森が怒ってるんですかね?」
『面白い表現だが、言い得て妙だな』
◆【銀色のチラつき】
銀色の狼が居た───目が合い戦闘かと構えるも、食事に戻っていった。鋭い眼光は種族による骨格の問題だろう
『…敵意はないが警戒はしておるな』
「手は出さないでおきましょう」
◆【鑑定眼】
名前:シルバーウルフ
レベル:160
スキル:【咬合力C】【判断力B】【統率C】
【復讐の誓い】
名前:シルバーウルフ『4匹』
レベル:108『±2』
スキル:【咬合力】【反射神経】【俊敏C】
【復讐の誓い】
◆【群体】
統率をとっている個体を含む5匹───群れで存在していること自体も脅威ながら『統率』という群体の方向性を定める個体がいることが何より脅威である
「復讐の誓い…」
ダンゴーより強い個体と同等のレベルの個体の混合が『復讐』を誓うというのは『どれ程』の脅威なのだろうか───虎丸さんはともかくとして、僕だけでは恐らく相打ちが関の山だろう。無謀もいいところだ
◆【とはいえ】
【ゲートキーパー】ではないため、躱したいのも本音だ
どうしたものかと決めあぐねる。八層に繋がる階段を見つけるのも『必要』ながら、最も重要なのは『解決策』───『マリア・F・アルバート』と『ルナ・ヒーラー』が『死印』によって命を落とし掛けている。これを解決するのが目的だ
冷静になった頭で考えると『LP』による【解呪】の取得は本当に最適解なのだろうかと思い始めている───が、これに頼らざるを得ないのが問題だ
故に『LP』の大量獲得は課題であり、それを手っ取り早く解決するのに『レベル』を上げる必要がある───下層に向かえば向かうほどにそれは容易になる『規則性』がある
◆【一枚岩ではない虫界】
取り敢えず、虫が大きくなる方向に向けて進んでいく───森がより強く怒りを示している方向がそれと合っているからだ
するとダンゴー同士がぶつかり合っていた
【818】───両者の潰し合いを監視しつつ、片方が限界を迎え、残った側を斬り倒した。疲労の蓄積が如何に『致命』となり得るものかを確認することになった
◆【銀狼が眺めてくる】
『解体』をしていると銀狼がこちらを眺めているのが見えた───敵意はないが、何やらダンゴーの死体を見つめているのが視線から分かったので試しに可食部を投げて渡した
『リーダー』はそれを咥えて何処かへと行った
『餌付けか?些か悠長だな』
「いえ、ただの気まぐれです」
僕も食事にしようかな
「少し休憩をしますか」
『御意』
◆【休憩】
毛繕いをする虎丸さんの毛並みを代わりに整えることを申し出───ブラッシングをし【陽光】を当て、【水玉】を花に注ぐと程なくして虎丸さんは大きく欠伸をして、横になった
麻袋から食事を取り出し、僕も休憩にしようかとすると再び銀狼の視線を感じ、剣を構える───が、虎丸さんが近くに寝直してくれると、銀狼は何処かへといった
『わざわざ離れるまでもない、休むのであれば
我の近くに居るべきだ』
「いいんですか?」
『今更であろう』
「ありがとうございます」




