表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人の行方  作者: 森三治郎
PR
81/86

81、兎⑩


目覚めたら、思いがけない人が自分を見つめていた。


「わっ!」


「おお、お目覚めですか」


ご先祖様は、三日間兎の所へ通い続けた。そして、突然の山羊先生の訪問。何か、良からぬ予感がする。


「勝手ですが、お茶でも淹れましょうか」


「うん、お願いするかな」


山羊先生がお茶を淹れている間、ご先祖様はふとんをたたみ、様子を整えた。

対面する二人の間には、湯気の立つ湯飲みが置かれた。


「兎から、伝言をたのまれました」


「……」


愉快な話しではなさそうだ。


「兎に、お礼を言っておいてと頼まれました。『たぶん、受胎できたと思います』と、言ってました」


「それで、兎は?」


「兎は、身一つで『受胎告知センター』に行きました」


「受胎告知センター?」


「ああ、受胎告知センターとは、妊娠、出産、子育てを一括して支援する施設です」


「そうなの」


「旧世界とは違うみたいですね」


「うん、かなり違う。何か、いいのか、悪いのか分からない」


「新人のシステムの方が、合理的と思いますが」


「う~ん」


ご先祖様には、何か釈然としないものが残っていた。新人たちは欲望に恬淡(てんたん)とし過ぎるように見える。ご先祖様は、裡に火を付けられた性欲が燃え盛っていた。この業欲を、どうすればいいというのだ。


「おお、精神安定剤を置いてきます」


山羊先生は、分っていたようだった。


エゴの木


挿絵(By みてみん)


エゴの木です。

異常に花付きがいいです。もともと花付きが良い木なんですが、それにしてもみごとです。

見とれてしまいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ