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第八話/三月二十一日/みさき②

“三月二十一日、午前四時、世界は光に包まれる”

佐伯美緒は、自らの身体へ弘法大師、空海の魂を転生させる。

圧倒的な祈りの力、法力を伴って……


千二百年の時を経て、遍照金剛が現世へと降り立つ。


弘法大師『空海』・・・真魚

吉備の鬼神『温羅』・・・みさき

『吉備津神社』宮司の娘・・・伽耶

空海を追う『摩』法少女・・・七瀬


四人の女子高生が織りなす、「因縁生起」を巡る物語――


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


岡山・香川の実在の旧跡・名所を舞台に繰り広げられる、バトルコメディ奇譚。

小旅行気分でお読みください。


弘法大師 生誕一二五〇年 入定一二〇〇年 祈念作品


※この作品はフィクションです。実在の人物・団体、等とは一切関係ありません。

 また、特定の宗教・教義を礼賛するものではありません。


 夜明けはまだ遠い。

 漆黒の大型バイクが闇へ溶けるように駆ける。

 山間を抜けると突如、前方にライトアップされた白い橋梁が姿を現した。

 瀬戸大橋である。


 三本の吊橋と二本の斜張橋しゃちょうきょう、そして一本のトラス橋が島々の高架橋こうかきょうで繋がり、本州と四国とを結んでいる。

 橋の上は、強い横風が吹き荒れていた。

 やり過ごそうと頭を伏せ、前傾姿勢で重心を下げる。

 アクセルを少し開くと、車体が安定した。

 橋梁から放たれる大光量が、一直線のアスファルト道を浮かび上がらせている。

 光に導かれるように、ただひたすらに四国を目指した。


 私には二つの候補があった。

 一つは、空海入定の地である、高野山。

 もう一つは、空海生誕の地である、善通寺ぜんつうじ

 選択は後者である。勘でしかなかった。

 もし善通寺でなかった場合は、きびすを返して高野山へ向かうつもりである。


 法力に敏感な者であればその源流点が特定できるほどの大きな力だが、私にそんな能力はない。

 もやを追うように不確かな雰囲気だった。

 行先に悩みつつも、行動を起こさずにはいられない。

 とにかく、一秒でも早く真魚に会いたかった。

 駆り立てられるようにアクセルを開くと、排気管から激しい咆哮ほうこうが響き渡る。


 瀬戸大橋を渡ると、善通寺まではあとわずかだ。


お読みいただきありがとうございます。

皆様の応援が、執筆の糧です。


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感想はもちろん、

舞台となる岡山・香川の旧跡・名所のリクエストもお待ちしております。

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