第六話/弘法大師・空海
“三月二十一日、午前四時、世界は光に包まれる”
佐伯美緒は、自らの身体へ弘法大師、空海の魂を転生させる。
圧倒的な祈りの力、法力を伴って……
千二百年の時を経て、遍照金剛が現世へと降り立つ。
弘法大師『空海』・・・真魚
吉備の鬼神『温羅』・・・みさき
『吉備津神社』宮司の娘・・・伽耶
空海を追う『摩』法少女・・・七瀬
四人の女子高生が織りなす、「因縁生起」を巡る物語――
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岡山・香川の実在の旧跡・名所を舞台に繰り広げられる、バトルコメディ奇譚。
小旅行気分でお読みください。
弘法大師 生誕一二五〇年 入定一二〇〇年 祈念作品
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体、等とは一切関係ありません。
また、特定の宗教・教義を礼賛するものではありません。
弘法大師、空海は密教の正統第八祖にして真言宗の開祖である。
俗名を佐伯真魚という。
今から一二〇〇年の昔、奈良時代末期の七七四年、讃岐国で誕生した。
幼い頃から多彩な才能を発揮し、神童と呼ばれた真魚。
七歳の時、ある誓いを立てる。
「私は仏門へ入り、世の中の悩み、困っている人たちを救うためにこの身を尽くします。
この誓いが成就しないのであれば、この命を諸仏に捧げます」
天へ向かって誓言を叫ぶと、断崖絶壁から身を投げた。
すると、天女が舞い降りて、優しく真魚を包みこんだという。
我拝師山の捨身誓願である。
諸国を巡って修業した真魚は神仏と交わり、秘術である「虚空蔵求聞持法」を修得した。
修業の道のりは四国八十八箇所遍路として、その足跡を今に伝えている。
その後、中国大陸へ渡った真魚は、当代随一の高僧、恵果和尚に教えを請い、悟りを開いた。
その実力を認めた恵果和尚より錫杖を託され、密教の正統な伝承者となった真魚は空海と号し、自らの悟りを広める旅へ出ることを決意する。
日本へ戻った空海は、祈りの力である法力で数々の奇跡を起こした。
錫杖で大地を突けば水が湧き、天を突けば龍を呼び雨が降る。
西に行けば瀕死の子供の命を救い、東に行けば魑魅魍魎を討伐した。
その伝説は今もなお、日本各地に残されている。
更に修業を重ねた空海は、ついに真言を唱えることで己の身に仏を宿す奥義、「即身成仏」を極める。
晩年は衆生安寧のため、鎮護国家の地盤づくりに力を尽くした。
五六億七〇〇〇万年の未来、弥勒菩薩とともに現世へ降り立ち、世界を救うと伝え遺した空海は、永遠の瞑想へと入った。
平安時代初頭、八三五年の事である。
以来、高野山では一二〇〇年に渡って途切れることなく、一日二回の食事が御廟へ供され、年に一回、御衣替えの法要が執り行われている。
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