第十五話/三月二十一日/七瀬⑤
“三月二十一日、午前四時、世界は光に包まれる”
佐伯美緒は、自らの身体へ弘法大師、空海の魂を転生させる。
圧倒的な祈りの力、法力を伴って……
千二百年の時を経て、遍照金剛が現世へと降り立つ。
弘法大師『空海』・・・真魚
吉備の鬼神『温羅』・・・みさき
『吉備津神社』宮司の娘・・・伽耶
空海を追う『摩』法少女・・・七瀬
四人の女子高生が織りなす、「因縁生起」を巡る物語――
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岡山・香川の実在の旧跡・名所を舞台に繰り広げられる、バトルコメディ奇譚。
小旅行気分でお読みください。
弘法大師 生誕一二五〇年 入定一二〇〇年 祈念作品
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体、等とは一切関係ありません。
また、特定の宗教・教義を礼賛するものではありません。
いつの間にか涙は止まっていた。
朝焼けが差し込んでいる。どのくらい時間が経ったのだろう。
朦朧として、なかなか意識が戻らない。
夢を見ていたのか。あれは、
「お……さま!」
もしや、
「お嬢様!」
「えっ、あぁ……」
近江が身体を揺さぶっていた。
「お嬢様! しっかりしてください! 私がわかりますか?」
焦点が合うように、意識が覚醒する。
「つぅっ!」
体中が痛い。
限界を超えて動いたためだ。筋肉や関節が悲鳴を上げている。
「良かった。意識はあるようですね。追いますか?」
逡巡する。
「あれは……」
「捨身誓願だ……」
急速に思考のピースが合っていく。
「へっ?」
近江から間抜けな声が洩れた。
口に出しても、信じられない。そんな事が可能なのか。
現実的ではない。
しかし、状況証拠がその非現実を証明している。
「佐伯美緒の内には、弘法大師、空海が宿っている――」
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