第十三話/三月二十一日/七瀬④
“三月二十一日、午前四時、世界は光に包まれる”
佐伯美緒は、自らの身体へ弘法大師、空海の魂を転生させる。
圧倒的な祈りの力、法力を伴って……
千二百年の時を経て、遍照金剛が現世へと降り立つ。
弘法大師『空海』・・・真魚
吉備の鬼神『温羅』・・・みさき
『吉備津神社』宮司の娘・・・伽耶
空海を追う『摩』法少女・・・七瀬
四人の女子高生が織りなす、「因縁生起」を巡る物語――
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岡山・香川の実在の旧跡・名所を舞台に繰り広げられる、バトルコメディ奇譚。
小旅行気分でお読みください。
弘法大師 生誕一二五〇年 入定一二〇〇年 祈念作品
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体、等とは一切関係ありません。
また、特定の宗教・教義を礼賛するものではありません。
佐伯美緒は雨戸に体当たりして打ち破ると、外へ飛び出した。
ここは五階だぞ!
これだけの法力をもってすれば空でも飛べるのか?
しかし、美緒は普通の人間と同じように、重力に逆らうことなく落ちていった。
驚きとともに、予期せぬ決着に心が緩む。
一瞬呆けたのち、結果を確認するため慌てて雨戸に駆け寄り、階下を覗き込んだ。
眩しい――
夜明けにはまだ早い。
白く輝く靄が漂っている。
目を凝らすと、人の形をしていた。
天女だ。
初めて見た。
あまたの天女が舞っている。
天女の先を目で追っていくと宙から光が湧き出している。
如来……!
釈迦如来が光の中に鎮座している。
美緒は釈迦如来に見守られ、天女の腕に抱かれてゆっくりと地上へ降り立った。
圧倒された。
その非常識な美しさに。
信じられない光景に。
身体から力が抜け、霊刀を取り落とす。
膝をつき、雨戸へ寄りかかるように倒れこんだ。
その温かい光に包まれると、涙が溢れて止められない。
光は唐突に消え失せる。
その余韻が永遠のように感じられた。
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