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War Ensemble/ウォー・アンサンブル ~戦争合奏曲  作者: 改案堂
第三章 Diabolous in Musica/音楽に潜む悪魔
141/144

141 tr34, empty hollow/虚ろの洞

「オーウレディースアンドジェントルメンシニョールアンドシニョリータおとっつあんおっかさん

どでかワンちゃんまでみなさま本日はトヴァンジェステ一座の大道芸にお集まりおありがとうござい!

最初の演目は小人のピエロによる追いかけっこだ、誰がこのパンを食べられるか?今日は彼は朝から腹ペコだ、ナイフはないがだれの口に何が入るやら?さあ上に投げるから、早いモン勝ちだ!おっとお客さんも入りたきゃいいんだぜ?それじゃいくぜ!3!2!1!ウラー!

…とまあ、こういった下衆い大道芸を続けながらがルスカーヤのあちこちを旅するわけだ。

 今回はたまたま定期連絡でノヴゴロドへ寄ったが、俺たちゃ聖導帝国内の情報収集がメインだな。」

「忙しいところ悪いのトヴァ。そこの巨j

「おおお今日は何という幸運!神に感謝しなければ!女神のように美しいご婦人シニョリータとお会いできる機会を得られるなんて!燃える情熱のような赤く長い髪、意志の強そうな眉、切れ長で僅かに愁いを帯びた眼差し、赤い髪と眉に映えるエネラルドグリーンの瞳、筋の通った鼻梁、あつす薄すぎずバランスの取れた絶妙な大きさの唇、顔全体を小さくシャープにする顎、良く鍛えられた首筋から僧帽筋、女性の豊穣の象徴豊かな胸、男性も顔負けの力強い上腕筋と上腕二頭筋、、腰も恐らく筋肉でくびれ、すらりとした長い脚もさぞかし美しい美の象徴の様でしょう!

ああほんとうに素晴らしい日、このように美しいフリッカに出会えるなんて!」

「うるせえ、アタシは『女の(フリッカ)』じゃねえ」


「おいそこのチョビヒゲさんよ、悪いがこの娘はフルヴァツカ語しかわからねえ。

 ルスキ語で捲し立てても、全然通じてねえぞ。

 それから、オレの身内を堂々と目の前でナンパすんじゃねえ。

 はったおすぞ」

「おお、本命はケイン殿の方でありましたか。

 とても日本からの転移者には見えませんが、日本語は通じますか?」

「ああ、問題ない。

 ということは、ここに居る全員に聞かせられない事を話すって解釈でいいのか?」

「はい、アンゲラさんはもとより、ガルワフさんやその取り巻き一族にも秘密です。

 それに、あなたの事も試しておきたい。

 あとで言い訳しておきますから、ここからは日本語で。」


「ところで、あなたは西暦何年から来ましたか?」

「西暦2022年、令和4年だ」

「ずいぶん最近ですね、私は1990年、バブル景気真っただ中の頃ですよ。

 転移されてきた頃は何と悔しかったか。

 あんなに儲かってたのに、なんで自分だけこんな中途半端なつまらない時代に来てしまったんだ、とね。

 後で来た人から聞いた話では必ずしもそうではなかったようですが、それでも経済だけが人間の本分じゃあありません。

 ケインさん、あなたはまだ若い。私の様なもう還暦を迎えるような老いぼれとは違って、世界中を旅するべきです。

 先ほどベタ褒めしたお嬢さん、私の言ったこと自体は本当ですからね?

 彼女は美しく、そして若い。

 これから旅をするなら、沢山の事を覚えるべきです。

 言葉もそう、身を立てる芸もそう、戦いのすべもそう、旅をするための知恵ももっと積むべきです。

 彼女には大変だが、たくさん経験してもらいましょう。

 一方でケインさん、あなたはこの旅で何を得たいんですか」


「オレは…オレが何者なのか、知りたいんだ。

 知っての通り俺の身体はSSSEからの転移者だ、身体を操ることもできるし、元の身体の特殊な才能なのか電気を起こすこともできる。

 だが、頭の中身はアンタと同じ世界の人間、ただの一般人なんだ。

 SSSRの人間には何人かあったが、頭の中身が誰なのか、これにはさっぱり答えが出ねぇ。


 いつまでも追いかけて出る答えじゃない事も理解してる。

 幸い、この世界でこんなオレでも好いてくれる娘がいて、3年間のはお互い自分の事を頑張る約束をした。

 だから、できる事は全力でやりたいんだ。


 これからルスカーヤに入り、3人の人間に会いたいと思っている。共にSSSR工作員だ

 一人目はグリゴリ。

 二人目はメドベージェフ。

 三人目はエリザヴェータ。


協力してほしい」


トヴァことトヴァンジェステは青い顔でソファに身を沈めた

「…ある程度覚悟してたが、話がデカいな。

 下手する当地の一座じゃ手に余る。


 ウチの一族はあんたらの処からアチコチ借りがあるし、関係もある話だから受けるけどよ、ちょーっと時間が欲しいね。

お前さん達の役割も決まってないし芸人の入れ替えも必要、ガルワフ爺さんとの連携もせにゃならん、


モスカウに付くのは冬頃になるが、それでいいか?


まあ、そこは仕方ない。

話し合いには参加するから、声を掛けてくれ。


ああ、ちなみにオレは一通り言葉解かるが、アンゲラは勉強中だ。

スヴェリア語の読み書きとルスキ語の会話を教えてあげられる教師が居たら、付けてくれると嬉しい。

おまえ以外で」

「かー!きたよ!わかった手配しとく。

こっからルスキ語戻すぞ。

よーお前ら、こいつらを冬にモスカウへ連れてく!!

それまでに芸を仕込んどけ!

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