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魔法使いザラッラ  作者: 浅賀ソルト
“評価不定”の2つの自立
209/268

正解は分からない

 寝室に入るときにメイドに服を脱がせてもらった。私は全裸だった。

 ネゾネズユターダ君もメイドに脱がされて全裸だった。股間は完全に立っていた。

 私が30歳になり彼が20歳になると身長はほぼ同じ高さで成長が止まっていた。私は背を抜かれたときに伸ばし直してうまく調整できた。背を縮めることはできないのでこれはちょっとした賭けだったが、その賭けに成功していた。

 彼が私を抱き締めると足の長さの差で股間の性器が私の股をぐいぐいと押した。「ああ」と私は声を漏らした。

 彼は股間をくっつけて刺激したまま、「パビュ゠ヘリャヅがドラゴンの養子になる話をしてたんだけど」と言った。

「ああ。その話は一回終わってからにしましょう」私は彼の腰に足を回した。

 彼はうんと言ってその足を持ち上げて私をベッドに運んだ。そして荒々しく私を求め、激しく突いた。私はすぐに前後不覚におちいって時間の感覚を失った。声を上げて何度も絶頂を迎えた。

 汗だくではあはあと息をつき、互いの体の熱を感じながらクールダウンしていた。1回やってからでないと話し合いは始まらない。互いに連続で2回戦目をやれる余力はあったけど、後戯と前戯をしながらの会話になった。

 私の方から切り出した。私の手は彼の腰や脇を撫でていた。「キリュ゠チャがうちの娘を気に入って養女にしたいと言ってきたの。子供を交換しないかって。断ったら本人に話してみてくれって言われたので彼女に聞いてみたわ。嫌だとは言わなかったから、卵が孵る30日後まで考えて返事を聞かせてって言ったの」

「ふーん」彼も私の腰を撫でている。

 ちなみにだけどネゾネズユターダ君は私の胸にはほとんど執着がない。前戯のときには胸に触れてくるけど、彼が興奮を高めるのは主に私の足と顔である。足を出した服を着てるとじーっとそれを見てるときがある。そうでないときは私の顔を見て興奮している。私の目とか鼻とか唇が好きらしい。本当にどうでもいい話だけど。

「どうして僕に黙ってたの?」

「忘れてたのよ。あとで相談するつもりだった。どう思う?」私は彼の足に私の足を絡ませた。「最初は無しだと思ったけど、よく考えてみるとそれもありかなと思って」

 彼も足を動かしてそれに応えた。太股で私の濡れた股間を刺激してくる。「うん」

「怒ってる? 言うのが遅れたのは悪かったわ」

「ちょっと怒ってるけど、懐かしい気もした。元々子供のことを僕が決められないのは分かっていたことだし。それはやっぱりそうなんだなって」

「うん」私は相槌を打った。

 ネゾネズユターダ君は子供に愛情があり、執着もある方だと思うんだけど、それが支配的だったり怒りに変わったりしない。彼の好きなところの一つだ。私と子供の取り合いをしようとはしないのである。

 いいことなんだけど不満でもあった。私は言った。「怒ってないの?」聞き方が怒って欲しい感じになってしまった。

「あんないい子はいないよ」彼は言った。「あの子には華がある。将来は大物になりそう。だからもし“草と風のドラゴン”が彼女をひどい目に遭わせたりしたら許せない」仰向けのままベッドの上で拳を握った。それからぽとっとそれをベッドに落とした。「けど、彼女が最近、やたらと狙われてるのも確かなんだよなあ……」

「そうなの?」

「うん。学校が段々安全じゃなくなってきた」彼は拳を作っていた反対の手も私の太股に伸ばしてさわさわと撫で始めた。「絶対に手元に置きたいんだけど、どこが安全なのか分からないんだよね……」

「子供を作りすぎちゃったわね」私は笑った。

「まだ足りないよ」彼はそれからちょっと頑張ってキザなセリフを言った。「君が欲しくて欲しくてたまらない」

「あははは」

「本当だよ」彼は手で私の足を持ち上げながらゆっくりと体を起こした。そのまま体をひねって正常位の体勢になり、私の太股を両手で抱えた。もう私の中に入りかけである。

 前戯はどうした。

 彼は私のふくらはぎのあたりにキスをする。これも彼のお気に入りだ。

 そこから2回戦が始まったわけだけど、この日のことを思い出すとやっぱり養子問題に関しては棚上げだった。なんの結論も出ていなかった。夫婦で子作りしただけだった。

 パビュ゠ヘリャヅが嫌いなわけでもないしお金がないとか育児が大変なわけでもない——彼女に関しては子育てで助けてもらっているのでむしろいてくれた方がよい——ので、手放したくないという気持ちの方が大きいのだ。

 それでもこのことを考えると、そうじゃない理由の方も考えてしまう。代わりに貰うドラゴンの子供が欲しいというわけではない。ドラゴンに子供を育ててもらうという変な話が、妙に背徳的な魅力に聞こえてしまうのである。

 ネゾネズユターダ君にはちょっと違う事情もあった。あとで聞いたが、南西蛮族で子供の交換というのは縁組と同盟のような意味があり、そこまで変な話ではないのだという。キリュ゠チャも南西蛮族の風習を知った上で提案してきたのかもしれない。だからこの話を彼は政治的な取り引きの話としても考えていた。


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