寿命が縮んだ…
怖い、
剣は頭上にある。そのまま落とされれば死んでしまう。
冷や汗が出てくる、息も荒くなり上手く吸うことが出来ない
「なんだ、話すことが出来るじゃないか。」
鎧の主はそう言うと剣を鞘に収めてくれた。乗っている馬から降り、私に手を差しのべ
「すまない…てっきり盗賊のメンバーかと思ってね、剣を向けたことを許してほしい。」
許すもなにも寿命縮んだじゃねぇかよ、がっつり殺そうとしてたやん。おこ
「は…はぁ……」
もう溜め息しか出ない、ちょっとチビりそうだったわ。
しかしいきなり意志疎通が出来ただなんて不思議な話、さっきまでお互いの言語すら理解してなかったのに。
何でだろう、そして私はコイツの手を取って良いのだろうか
一度かっちょいい風に手を払ってナンチャラとかあったけど場が違うなぁ、うん止めよ
一先ず私は手を取り鎧の主が引っ張ってくれて立ち上がった
「それで怪我は無いか?いくら寸止めでもたまに風圧で切ってしまうからね…」
は???マジで言ってんの??ガバガバ判定か何かかよ危ねぇな!
まぁ痛みは無いから良しとしよう。許す
鎧の主は私の頭を触り血が出てないことを確認した。
うん、と頷き冑を取るとそこには美青年と形容するに持ってこいのイケメンがいた。うわぁ何だこいつマダムキラーかよ
いやこれはマダム以外も落ちるぞ…絶対学生の時に女子がファンクラブ作ってたタイプのイケメンだ
彼は白髪だかそれでも艶がある事が分かる髪、ベニトアイトのように透き通る青い瞳でそれはもう殆どの人は見とれてしまうだろう。
「…そうだ、自己紹介が必要だね。」
彼は冑を脇に抱え身なりを整えて
「私は雪華帝国皇帝親衛隊隊長、ディアマンテ・クラウディスウス。此度の我が失態をお許し頂きたい…」
そう言うと頭を下げた、それはそれ綺麗な60度。
「って私は大丈夫ですって!怪我も無いし寧ろこの場所分からなかったんで…あの、顔を上げてください」
顔を上げた彼、ディアマンテはまるで自分が絶対しないであろう事に罪悪感を覚えてるような、そんな顔をして私を見た。
眉を顰めてまた何かを話そうとしている。
謝ったんだし私はそれで良いんだけど、どうしようか…
このままだと彼はずっとこんな感じだろう。困った
……話を変えよう、そしたらまぁマシにはなる…かな?
「あの聞きたいことがあるんですけど、此処って一体何処でしょうか?…私気付いたらこの場所に居たんですけど…」
そう聞くと顰み眉は変わらなかったが、私を切ろうとした罪悪感もあったのか、フム…と何かを考えてくれた
しかし遠回しで異世界から転移しましたって言ってるもんだしこれは言って良かったんだろうか。まぁいいか!
「あ、もしかして異世界から転移したのかい?」
やっぱりそう結論付けるよな、うん、妥当
私は頷き、成る程と口に出した
「そうか、なら付いてきてくれ。異世界転移は良く聞く話だから衣食住は何とかなる筈だ。」
良かった~…ひとまずは寝る場所は何とでも
…………って良く聞く話??私以外にも居るってことか
所で、彼はまだ聞こうとしてる事があった
「君の名前、教えてくれないか?…いや嫌なら大丈夫。でも最終的には書類に色々と書いてもらうからね」
と。そうだね、名乗られたら名乗り返すのが道理だもんね
「真です、日下部真って言います」
彼は微笑み
「マコト…そうか、良い名前だね」
宜しく頼むよ、そう言い私を抱き上げて馬に乗せてくれた。
とても暖かい瞳をまっすぐ私に向けてくれた。




