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時空の輪廻  作者: EPO
第2章 王国対戦

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第2章 王国対戦 2-18 王国対戦 DX vs イツビシ

 時間が少し遡り、ログザイ王国とセンチュリア聖王国の対戦日前日深夜……

 DX王国とログザイの国境付近にDXの大型兵装が15機集結していた。


 率いているのはDX王国 宰相ゼフィリア。

 彼女は上位プレーヤーではあるが、わがままが過ぎパーティーを組んでも長く続かずソロプレイが長い。

 パーティメンバーや知り合いのレアアイテムを欲しがり、暴力や詐欺行為で取り上げる事が多く、悪名高いプレーヤーとなっていた。

 その悪名が幅をきかせ、悪行を限りを尽くし、ついには闇ギルドを作りトップにのし上がったのだ。

 今回も、エンシェントドラゴンを倒したほどの戦闘力のあるアーマードギアを手に入れればこのゲーム内で好き勝手が出来る訳で、絶対に欲しいのだろう。

 ちなみにDX王国の宰相になれたのは、国王ザナディアス・DX2世がこのゲームにゼフィリアを誘って始め、闇ギルドとの付き合い止めさせるためにどうにか出来ないかと自分の身近に置いたからだった。


 大型兵装ダークウォーリアをさらに暗色系に塗装し直しログザイ王国へ侵攻中だった……

 しかし、そこへ別の大型兵装ムラマサ10機が立ち塞がった。


『すまないが、ここから先に行かれては困るのだが』

『……誰よ、あんた……』

『名のるほどの者ではありません。通りすがりの大型兵装プレーヤーですよ』

『……そんな冗談信じるわけないでしょ』

『確かに。イツビシ王国の上杉です。ただ、今ログザイ王国の邪魔をされたくはないので。

 あと、聞いたところによると例の大型兵装は誰にも譲渡できないそうですよ。

 なので、諦めて帰っていただけると助かるのですが』

『そんなこと信じるわけないじゃない。自分で確かめるわよ』

『そうですか……それは仕方がないですね。では、実力行使で排除させていただきます』


 その言葉で火ぶたが切って落とされた。

 ダークウォーリアの左右後方から隠れていた1機ずつが姿を現し、火縄銃型の魔法発動体からストーンバレットが発射され、2機のダークウォーリアに当たり前方に倒れた。

 次の瞬間、上杉の左右に控えていた4機のムラマサF型 (格闘戦仕様機)がダークウォーリアに突っ込み剣を胴体のコクピットに突き立てた……

 ほんの一瞬の出来事に、錬度の低いDXの兵たちは一気に腰が引け守りに入った。

 攻めてこないのであれば4機のムラマサF型が四方に散り、7機のムラマサM型 (魔法戦仕様)からの魔法攻撃が前後から撃ち込まれた。

 ダークウォーリアは大きめの盾を左手に装備しており運良く魔法を受け切れたため3機は耐えられたが、他の4機は倒れてしまう。

 倒れた4機は四方に散っていたムラマサF型がとどめを刺し機能停止した……


 既にダークウォーリア2機が転倒したまま、8機が機能停止という圧倒的な戦闘能力差を見せつけられているが、ゼフィリアだけがまだ諦められず自分で戦いもしないのに騒ぎ立てていた。


『何をやっているのよ、このクズ共は!それでも王国の大型兵装を任せられたプレーヤーなの?弱すぎるわよ』

『習熟訓練の最中なのにこんな所に連れてこられて、どれだけ戦えると思ってるんですか?いつもあなたのわがままに付き合わされ迷惑してるんですが!』


 指揮官であるはずのゼフィリアが、こんな突発的な戦闘に対応した指揮が出来るはずもないことは皆が知っていたが、これまで色々甘い汁を吸わせてもらっていたため気にしていなかったのだろう。

 しかし、そんなことは今の現状を見ればそうも言ってられない。

 かといって指揮を執る気もないゼフィリアの言うことを聞く気もないため、皆が単独で敵の大型兵装に突っ込み始めた。


 イツビシ側はこれまで離れれば魔法攻撃、接近すれば格闘で一気に倒していた。

 単独で攻めてくるようになったこのタイミングでは倍以上の戦力差があるため、ムラマサF型とムラマサM型が組み2対1で戦い始めた。

 お互いの位置を確認し邪魔にならない位置に移動し、味方機への攻撃を阻害するように牽制の攻撃を加えていく……

 タイプの違う機体での連携が上手く取られた戦術だった。

 こうなってはDXのダークウォーリア達は防戦一方となり、各機墜とされるか戦う気力を失うだけだった。


 ついにゼフィリア機を残すのみとなり、上杉が降伏勧告を行った。


『もうあなたしか残っていません。降伏して撤退してもらえると助かるのですが』

『私1機でも戦うわよ。あなたたちなんて蹴散らしてくれるんだから』

『大丈夫ですか?あなたの技量ではとても勝てないと思うのですが……』


 上杉の言葉にゼフィリアは逆上し、上杉機に突っ込んできた。

 上杉機は刀に手を掛け攻撃のタイミングを狙い構えていたその時……


 DX王国側から1機のダークウォーリアS型 (マルチ戦仕様)が駆けてきた。

 そのダークウォーリアは名前とは違い、全身がシルバーに塗装され闇夜でも目立つ。

 通常こんな機体に乗るのは目立つ必要がある上のプレーヤーか、余程腕の立つプレーヤーしかいない。

 この機体はどちらなのか……上杉は慎重に見極めようと一旦後ろに下がった。


 その瞬間、銀のダークウォーリアS型のバズーカ状の魔法発動体からファイヤーボールが2発発射され、上杉の後方に待機していた機体達に襲いかかる。

 狙われた機体達は躱すため後方へ散開し、上杉機から離れて取り囲むような配置になってしまった。

 そのタイミングに銀のダークウォーリアはゼフィリア機を避けるように迂回し、上杉機に高速接近、ショートジャンプして跳び蹴りをかます。

 上杉機は少し後方に移動し回避するが、銀のダークウォーリアは着地の瞬間に剣を抜き横に一閃した。

 上杉機はさらに後方へ逃げたが、そこには味方機が待機していたため接触し剣を避けきれず機体に傷を残すこととなった。


『DXの方だとお見受けしますが、そちらのゼフィリアさんを引き取って引いてくれるなら、こちらとしてはこれ以上攻撃はしませんのでこれで停戦としませんか?』

『そうだな、俺としてもゼフィリアを助けに来ただけなんで、このまま帰してくれるならそれ以上攻撃はしない』

『では、これでおしまいとしましょう。

 恐れ入りますが、そちらはどなたなのでしょう?私はイツビシ王国の上杉と申します』

『俺か?ザナディアス・DX2世だ。一応の国王だ』

『国王でしたか、それは失礼いたしました。しかし、その機体は凄い動きでしたね、感服いたしました』

『大したもんじゃねぇよ。大型兵装が面白くてな、色々動かして遊んでたら身についた』

『おお、それは素晴らしい』


 上杉としては、DX王国国王は気さくでなかなかのお人のように感じたため、しばらく話をしたいと思った。


『しかし、ちょっと余計な質問かとは思いますが……

 ゼフィリアさんですが助けるに値する人なのでしょうか?』

『それな。まぁ、他の人間には助けようと思う程のヤツじゃ無いと思うよ。

 でもな、俺にとっては助けなきゃならないヤツなんだ。リアルでも付き合いが長いし、このゲームに引き込んだのも俺だから……

 まぁ、惚れてるとでも思っておいてくれ』

『ヒューヒュー、こんなところで惚気けですか?流石国王様ですね。

 では、ゼフィリアさんを大事にしてあげて下さい。失礼します』


 そこでイツビシ側は撤退を始め、離れたところでDX側のこの後の行動を確認することにした。

 銀のダークウォーリアはゼフィリア機を抱えて引き上げていった。

 残っているダークウォーリアについてはどうしようかと思っていたところ、監督で来ていた時空ときそら・北条が現れた。


『私の方で処分しようか』


 というが早いか、大威力のファイヤーストームが起き大型兵装は消滅した。

 プレーヤーは国の方で死にも取りしているだろう、ただ今後ゼフィリアに付き従わないだろうが……


次回予告

DX王国とセンチュリア聖王国が初戦から敗戦し、ログザイ王国に無駄に手を出す国が減った。

いつもより急展開の王国対戦で当事者達は休息を取る……

次回 2-19 休憩


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