第2章 王国対戦 2-16 王国対戦 ログザイ vs センチュリア3
翌日午前10時より前に対戦場所の広い草原に到着し、アーマードギア(AG)2機の動作確認と軽い動作訓練を行う。
機体を温め、不具合箇所が見当たらなかったため、戦闘準備が完了した。
そろそろ10時になるが未だに来ない……
『午前10時と決めたんだよね?』
「はい、その通りです」
『悪いんだけど、寝てるようならたたき起こしてきてもらえる?
寝坊したとかで謝罪しないようだったら10時ジャストに戦闘行動を開始すると伝えてきてもらえる?』
「はいっ!!ただいま」
ログザイ王国軍の兵がセンチュリア聖王国の野営地まで到着したのを確認。テントの中に消え、しばらくして出てきたところ通信をくれた。
『寝坊したようですが誰も起こさなかったようです。それについて謝罪もせず、「こちらは神の使徒なんだから待ってろ」だそうです。
先ほどの10時になったら戦闘行動を開始すると伝えましたので予定通りどうぞ。私はすぐに逃げますので』
10時ジャストにはなったが、まだログザイ王国軍の兵の彼が安全圏に退避できていないのでいましばらく待った。
ほどなく退避できたようなので行動を開始した。
いまだ、センチュリアの方はろくに準備もできておらず、こちらが移動し始めたのを確認して大慌てなのが見て取れる。
アスカさんが大型兵装アストライアーの駐機場にバズーカを撃ち込んでいる。何機行動不能にできただろうか……
さらにこっちもアサルトライフルを連射し、大型兵装やその周辺に銃弾をばらまいた。これも結構な数を行動不能にできただろう。
一応30機到着していると聞いていたので、1/3程度はもう使い物にならない。
そのまま駐機場に入り込み、今度はヒートソードで切り刻んでいく。
そうしていると何やらわめく声が……
「おいっ、卑怯だぞ!!こっちは準備できていないのだぞ!!!」
『午前10時に始めると決めただろう。なぜ準備できていない?戦闘するのにお前は寝てるのか?
悠長だな。普通死ぬぞ?』
「部下が起こさなかったからだっ!」
『は?お前は部下が起こしてくれない起きれないのか?戦場で。そんなのはいい訳にもならないぞ。
お前の大型兵装が壊される前にさっさと乗り込んで戦い始めるんだな。
じゃあ、こっちは続きをしてるからな。早くしろよ』
シズマだかを置き去りに大型兵装の破壊を再開する。
アスカさんと分担すればすぐ終わるだろう。
こちらはアサルトライフル、アスカさんはバズーカを手当たり次第に撃ち込む。
しかし、開始時間前に乗り込んでいた真っ当なプレーヤーもいたようで、ようやく5機ほどが動き出した。
だが、駐機場に他の機体もある中なかなかこちらに攻撃ができないようだった。
なるべく脚部中心に狙って移動不能にし、腕や頭をヒートソードで刈り取っていった。
さらに破壊していくが、5分もすればまともな機体が2,3体しか残っていなかった
こちらは適当に撃ち込めばいいから楽だった。 なるべく胴体には撃ち込まないようにしたいが、外れればどうなるか分からない。
特にコクピットには当たってほしくはない、ゲームとはいえ。人体がぐしゃぐしゃというようなエフェクトはないにしても、容易に想像してしまい気分がいいものではない。
残った機体も登場するプレーヤーが近付けもせず、もう勝敗が決まっているような状態だ。
すると別の駐機場所から3機のアストライアーが立ち上がった。
これまで破壊した大型兵装と形状はほぼ変わらないが、金色や赤など目立つ色で塗装された機体だった。
護衛騎士様のカスタマイズモデルなのだろう。
『もう他の機体は始末し終わったぞ?重役出勤か、お偉いことだな』
『お前達がこちらの準備が終わるのを待たないからだろうがっ!』
『開始時間は決めたはずなんだがな?時間を守るのは当然だろう?
仕事をしていれば普通に身につく事なんだが……引きこもりなのか、お前らは?』
『ぐぐぅぅ……』
『もう立ち話もいいだろう、そろそろ始めるか』
『くそぉ、アストライアーの力を思い知れよ』
見たところアストライアーF型 (格闘戦仕様)2機、アストライアーS型 (格闘・魔法戦仕様)1機という構成で、こちらとしゃべっていたシズマとやらは先頭に居る格闘戦の機体だろう。
怒りにまかせてかこちらに一気に突っ込んでくる。
足下にアサルトライフルを撃ち込んだが気にせず突っ込んできた。
接近してきてレイピアで突いてきたが、シールドバインダーで受け止めた。そのすきに脚部に銃弾を撃ち込むがなんとか避けたようだ。
その頃になった他の2機もようやく動き始める。
ファントムを取り囲むように展開してきたが、囲まれる前に一気に移動しシズマ機の背後を取る。
『遅いな、お前達。うちの新入り遅いぞ』
『『何っ!』』
軽い挑発にシズマとトーマが乗ってきて、こっちに向かってきた。
接近してくる2機を待ち、馬鹿の一つ覚えのようなレイピアの突きを繰り返す。
こちらは全てシールドバインダーで受け、不用意に近づいてきたトーマ機の右肩をパイルバンカーで打ち抜いた。
トーマ機は駒のように回転しながら後方へはじけ飛び倒れた。
もう剣は振るえないだろうダメージを受けているのが見える。ぶらりと吊り下がったまま、剣を手放している。
トーマ機と入れ替わるようにもう1機の大型兵装が出て来たが、その機体はこちらの右側に回り込むように移動してきてい。二方向からの攻撃をと思っているのだろう。
しかし、相変わらず頭に血の上ったシズマは、トーマやもう1機のプレーヤーと連携を取ろうとせず自分勝手な攻撃をしてくる。
レイピアを受け流しながらシズマ機の左側面に抜け、もう1機との間にシズマ機を置くように位置取りした。
そのままアサルトライフルを連射し、シズマ機が避けてももう1機に当たるように打ち続けた。
『くそう、当たれ』
最初はシールドを前に突き出し当たるままに突っ込んできたが、シールドが手から跳ね飛び失うとさっさと避けてしまった。
当然受け止めてくれていたシズマ機が無くなり、もう1機の方に急にアサルトライフルの銃弾が飛んできたため避けられなかった。
シールドでの回避も忘れていたため、全身に銃弾を受け後方に倒れた。
そのまま脚部中心に撃ち込み、移動できないようにした。
『あとはお前だけだぞ。仲間と連携も取れず指揮も執れずよくリーダー面しているな?
単独では強いのかもしれんが、それより強い者が現れたらもう勝てないか……』
『何っ!俺は俺一人で強いモンスターを何匹も倒してきたんだ、強いんだ』
『だったらその実力を見せて見ろよ。昔の実績だけで大型兵装の戦闘は強くならないぞ?』
『があぁぁぁぁぁ』
昔は強く周りに認められて吐いたのだろう。センチュリアで偉くなって権力を振り回している内に相対的に弱くなってしまったのか。
特に大型兵装という新しい戦力ではもう対応出来なくなったのだろう。
がむしゃらに突っ込んでくるシズマ機を左腕で受け止め、パイルバンカーとヒートソードで両腕を瞬時に切断。
そのまま、片手で持ち上げ投げ捨てた。
『せっかくの戦力が無駄だったな。お前一人で来れば被害が少なくて済んだし、周りに迷惑もかけなかったのにな。
まぁ、もう聞いてるかどうか分からんが』
比較的ダメージのすくないトーマ機に近付き、左腕を切り取って戦闘は終了となった。
エンプレスが近付き声をかけてきた……
『お疲れ様です』
『全然疲れてないですよ。
元々相手にならないくらい弱いのにさらに自分で弱くなるように使っているんだから、話にならない』
全然面白くもない戦いになってしまった……
次回予告
センチュリア聖王国との対戦も終わり、あまりにもひどい対戦にナムがエリスティアに苦情を申し入れる。
ただでさえ胃にダメージを受けているエリスティアは、さらなる追加ダメージを受けることに。
その裏でシズマに忍び寄る裏の組織の勧誘……
次回 2-17 王国対戦 ログザイ vs センチュリア 後片付け




