第2章 王国対戦 2-14 王国対戦 ログザイ vs センチュリア1
ここはセンチュリア聖王国 騎士団会議室。
上位プレーヤーで構成されている護衛騎士が7人集まり、王国対戦についての戦略を話し合っていた。
筆頭のエリスティアが議長をする事になっており、これまでであれば隣接しているミスプロ王国かドラゴニクス王国のどちらかを先に攻める予定となっている。ただ、建国して日の浅いミスプロ王国を攻めるのはあまり外聞のいい事ではないので、ドラゴニクス王国を先に攻め余剰戦力でミスプロ王国を攻めるのが通例だった。
しかし、今回はログザイ王国に神託に従わず恥をかかされたと言って、そちらを攻めようという人間が多い。
それでも聖女様があまり王国対戦に乗り気ではないため、大々的に攻めるのは聖女様に対する反抗と取られかねないと考え、積極的に攻めるのに反対する者もいる。
さらに神の贈り物として取り上げようとした元々の発端である例の大型兵装「ファントム」「エンプレス」より、プレーヤーであるナム・サンダー自体委が神の使途として崇める勢力もあり、国全体としてログザイ王国に攻め込む案がまとまらない状況である。
「さて、どうしたものでしょうか……
姉である聖女様の指示通り楽しむことに重きを置き、国全体として攻め込まないようにし、ここのプレーヤーのパーティーに任せるというのが一番問題がないのですが」
議長であるエリスティア自身ログザイ王国に思う所がないでもないが、護衛騎士筆頭であり聖女の妹という立場では無理に攻め込むことにまとめることも出来ない。
そのまま放っておいてもいいのだが、シズマとトーマがうるさいためどうにかしないといけないのを面倒だと思うばかりである。
「エリスティアさん、私とトーマ他有志だけでログザイを攻めに行ってきます。これなら聖女様のお言葉にも反しません」
「そうだ」
「この中でシズマとトーマに付いていくつもりの人は?」
「私、ノーリスも行こうかと思っています」
「それだと反対しているメルシアさん達が残るということになりますがいいですか?」
「何か問題でも?」
「いえ、いくら聖女様のお言葉に従っているという風に言っても、他国にそれなりの戦力で攻め込むわけですから反抗していると取られても知りませんよ?」
「その辺はエリスティアさんがどうにかしてくれるのでは?」
「反対派も多いのを知りませんか?
特にメルシアさん達は反対していますので、勢力的に帰って来れなくなるかも知れませんが。要は叩き出されますよ?」
一応メルシア達反対勢力をだしに使って抑えておきたいのですけど、どのくらい押さえ込めるか分からない所。
メルシア達も大々的に敵対するかのように言われて慌てていた。
「私達は、例の大型兵装と取り上げようとして恥をかかされたと言うことについて、こちらに非があると思っているので反対しているのです。
シズマさんとトーマさんを戻って来れないようにまでしようとは思っていません。
どうせ、ボロボロに叩かれるとは思いますから、帰ってこれるか分かりませんけど」
「なんだとぉ」
「だってそうでしょう。演武でちゃんと確認されましたか?我々の大型兵装との性能差を。
あれ見て理解できないようだとどうしようもないかと思いますよ」
大型兵装ファントムの演武はここにいる全員で確認しているが、誰も呆然とするほどの性能差だったと理解していたはず。
それが理解できないとは護衛騎士として愚かしい……
聖王国として護衛騎士としての品格を疑うものとエリスティアは判断した。
「それにナム・サンダー様のカードを確認しましたけど、本当にすごかったです。マジに神の使徒というか代行者といってもいいとしかか思えませんでした。
これじゃあ、大抵のプレーヤーはまずまともに戦えません。瞬殺されてもおかしくないです。
一応多分手加減してくれると思いますけど、彼も人だと言ってますのでどこまで手加減してくれるか……」
「そんなにすごかったのですか……」
「例えそうだとしても国としてのメンツをつぶされたのです。その報いは受けさせます」
「そうですか……それについて聖女様は認めていませんので、個人の私怨ということでこちらでは片づけさせていただきます。
何かあっても支援はありません。それでよろしいですか?」
「分かりました。私、シズマとトーマ、ノーリスの私怨ということでかまいません」
「「はい」」
「では、これで終了しましょう。
シズマとトーマ、ノーリスさんは気を付けて行ってらっしゃい」
すでに3人の準備は終えており、配下の30機が出発した。
途中のミスプロ王国には一切手を出さないように厳命を受けて……
「ミスプロ王国に連絡を取って下さい」
『……分かりました……』
しばし後……
『ミスプロ王国の担当者ですが』
「センチュリア聖王国 護衛騎士筆頭 エリスティアです。
こちらの部隊がログザイ王国へ攻めるため通過させてほしいのですが。
そちらへの攻撃はしないよう厳命しておりますので、もし攻撃を受けたなら賠償など対応させていただきますのでよろしくお願いします」
『一応こちらはログザイ王国と同盟を結んでいるのですが……』
「それについてはログザイ王国の方に連絡してくれてかまいません。特に奇襲を仕掛けるというわけではありませんので。
目的も例の大型兵装ですので、ログザイ王国の方でもファントムとエンプレスでしたか、そちらで迎撃していただければ助かると伝えてもらえれば」
『分かりました。通過とログザイ王国への連絡については承りました。
くれぐれもこちらへの攻撃等は迷惑はかけないよう、よろしくお願いします』
「はい、必ず」
エリスティアにとって面倒なことが増え、気苦労が絶えないことばかりである。
姉である聖女が直接伝えてくれればどれほど助かるだろう思う。
さらに言えば、メルシア達もナム・サンダーを神の使徒扱いし始めているためいつ離反してもおかしくない状態。
戦力が落ち、信仰の対象がよそに移ればこの国は一瞬で瓦解しかねないのだ。
ログザイ王国は問題の大型兵装の戦闘能力だけでなく、ナム・サンダー自体がセンチュリア聖王国にとって非常に迷惑な存在となってしまった。
かといって簡単に潰してしまえないし……
「出来れば関わりたくないんだけどなぁ……」
エリスティアの胃はいつまで持ちこたえてくれるのだろうか、王国対戦が早く終わってほしいと思う今日この頃だった。
次回予告
センチュリア聖王国からログザイ王国へ部隊が移動をはじめ、ミスプロ王国で問題を起こしながらログザイに到達した。
そんな中、センチュリア聖王国戦の最中を狙ってまたDX王国はログザイに攻め込む算段をしていた……
次回 2-15 王国対戦 ログザイ vs センチュリア2




