第2章 王国対戦 2-10 王国対戦 開戦前夜
ログザイ王国:
今回初の参加となるログザイ王国。
王国としての王国対戦に対する経験値がないので、防衛主体で場当たり的な対応となる。
アーマードギア(AG)という強力な大型兵装が2機有るため、ボロ負けして領地を奪い取られまくるということもないだろうと踏んでいるので、参加しているプレーヤーみんなは割と気楽ではある。
AGに乗るナムやアスカにしても王国に対して特に義理立てする事も無いので、概ね気楽である。最悪文句を言われるなら国王を倒して王位を簒奪すればいいし。
という事で国王が開戦前の訓示を行うことになった。
「ログザイ王国は今回初参加となる。領地もまだ未開発な部分が多いから、少々取られたところで痛くもかゆくもないから気楽に戦って欲しい。
基本防衛でいくので、どこかの国を攻めると言うことになったときは気を引き締めて当たってくれ。
とにかく楽しもう」
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ミスプロ王国:
出来て日の浅い王国なので戦力も乏しい。通常なら鴨にされるところだろう。
今回はザイログ王国と同盟を結んだため、AGの救援が期待できることが頼みの綱である。
ここも防衛主体の体勢を取っているので、攻め込むことはまずない。
しかし、この王国のプレーヤー達は以前も攻め込まれ守り切れなかったため、楽観視は出来ない状態だった。
という事で国王の開戦前の訓示はこうなった。
「今回はログザイ王国と同盟を結び、特殊な大型兵装やキキョウヤグループの支援が受けられるようになった。
とは言え楽観視できるものではないことは分かっている。この国を守るには皆の力が必要なのだ。
どうか力を貸して欲しい」
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DX王国:
懇親会ではログザイ王国に散々な目に遭わされ、宰相ゼフィリアはいまだ頭にきていた。
王国のトップに近いため今回の王国対戦において作戦にいくらでも口を出せる立場にある。
当然恥をかかせたログザイ王国に対して攻撃を指示する。そして、あの大型兵装の奪取を厳命していた。
しかし、宰相の私怨にばかり付き合いきれはしないので、その辺は適当でいいだろうとの判断をしていた。
それ以外に自分の直接指揮下にある闇ギルドのメンバーにも既に指示をし、開戦前から移動を始め一部ログザイ王国内に潜伏させているようだ。
それを知ってか知らずか国王は……
「単なるイベントだから楽しもうではないか。
普段戦えない他国の上位プレーヤーとの対戦も楽しいだろう。頑張って挑戦してみるといい」
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センチュリア聖王国:
この国ではあまり人対人の王国対戦には積極的に参加する事は無かったのだが、今回は一部の狂信派によりあの特殊な大型兵装が神からの贈り物と位置づけ手に入れようと目論んでいる。
しかし、国王であるアリスティアは、そのようなことはしないようにと厳命しているが、護衛騎士の一部が面目を潰されたと無視を決め込むことに。
何が起きても「神からの信託」で済ますつもりなのだろう……
それ以外にメルシア達常識派へは懇親会での顛末が伝えられ、大型兵装ではなくプレーヤーのナム・サンダーを神と崇め始めるようになってきている。それらは国王の指示を守り、ナムへの行いが行き過ぎれば狂信派と戦いも辞さない覚悟を決めている。
国王アリスティア・センチュリアからは次のような訓辞が述べられた。
「王国対戦は楽しんで参加するのは結構ですが、私怨で戦うのはやめなさい。我々の敵は人ではないのだから」
とはいえ、どの程度狂信派が抑えられるか分からず、メルシア達常識派はログザイ王国に移籍した方が良いかもと思い準備を進めている。
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アースガルズ王国:
こちらは普段から王国としての軍備は整えているので、王国対戦だからと慌てたりしない。
中型のモンスターが多く生息する地域のため、王国軍が出動することが多いためである。普通にプレーヤーをしているより経験値が稼げると言うことで入隊する者が多い。
ただ、今回の王国対戦についてはもめ事の種が一つあった。アスカ・キキョウヤである。
もともとワルキューレに所属していたこともあり、ヘルヴォル、ヒルド、シグルーンをはじめとする親派が取り戻そうと画策しているようだった。
ともあれ、三人の国王としての訓示は
「王国対戦は喧嘩や勢力争い、人の取り合いの場ではありません。普段出来ないプレーヤー同士で戦い自分の力を見極めるための場です。
ここを去った人を取り返そう、といている方がいるようですがそのようなことはやめなさい。
それぞれ居る場所が異なったとしても仲間には違いないのですから」
と延べはしたがそこにヘルヴォル、ヒルド、シグルーンが割り込み……
「いいえ、レギンレイヴお姉様はこちらに取り戻さなければなりません。我々の至上のお姉様なのです。
あのにっくき大型兵装のプレーヤーにたぶらかされてログザイ王国に居るのです。
我らの手でお姉様の目を覚まさせ、取り戻すの……ブギャ」
と、声を上げている途中でブリュンヒルデのげんこつを食らい沈黙した……
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ドラゴニクス王国:
こちらも普段通りの配備で問題はなく、新規配備される大型兵装の習熟訓練に力を入れていた。
一応エンシェントドラゴンを倒したとされるナム・サンダーに対して国として思うところが無いわけではないが、概ね平静である。
皆胸に闘志を抱き、ナムの大型兵装と対戦するときにそれをぶつけようと心に誓っている位だった。
その中で一番も得ているのは火竜のフィアーではあるが、今のところ普段と変わりない状態である。
そんな中国王 バルザー・ドラゴニクス5世は次のように述べている。
「王国対戦開戦が近付き、皆は闘志を燃やしているだろう。
エンシェントドラゴンを倒した若者がいるとのことだが、それに対して怒りに我を忘れることなく自分の力を出し切って欲しい。
特に大型兵装を操縦する者は気をつけて欲しい。対戦したときに私怨に駆られることなく戦い、自分の納得のいく結果を出すことに力を使って欲しい」
この国のプレーヤーは皆冷静であった。
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イツビシ王国:
この国は中央に位置するため各国から攻められ易いという不利な立地ではあるが、最初に出来た国であるため戦力も十分備え、プレーヤーの練度も高いのが特徴。
心配事だった補給についても解決し、普段通りであれば領地を大きく減じることなどないだろう。
ただし、ログザイ王国と隣接しているため、伊達が速攻で突っ込んで行かないかが国として今のところ一番の心配事である。
それ以外アスカの戦場復帰により多くの女性プレーヤ-が張り切っているため、士気が高くなっている。
国王 幸定・真田は特に皆に何も言うことはなかったが……
「伊達、君は我が国の重要な戦力である事を心して欲しい。自分勝手に行動しては皆の動きが悪くなるのだ。
最後には例の大型兵装との決戦の場を設けるつもりなので、徳川達の指示に従ってくれ」
と一番心配な伊達に対して諭した。
「分かった。最後の見せ場を用意してくれるんなら、それまでみんなのために頑張るよ。
その代わりちゃんと用意してくれないと終わった後暴れるからな?」
皆が確実にあの大型兵装と戦えるように段取りしなければならなくなり、また余計な手間が増えたのであった。
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XXXXXXXX:
正体不明の男 (人間かどうかもよく分からなかったが)にもらった大型兵装を使って散々訓練させられた。
依頼は王国対戦の盤面を乱すこと、だそうだ。長く続けさせたいということなのだろう。
闇ギルド幹部だった俺があの大型兵装に敗れ、あぶれ彷徨っていたところを拾われ、この大型兵装を与えられた。
黒というより影のような色の機体。俺にはちょうどいい色だ。
負けたあの大型兵装に近い形状をしているのは癪だが、腕部、脚部ががっしりとしたパワフルな形状をしている。
これで戦えと言われた。
このまま闇ギルドに戻ってもあの女狐に取られかねないから、このまま一匹狼でやっていくとしよう。
しかし、正体不明の男からその内メンバーを増やしていくから、とは言われている。
とりあえず序盤は様子見しながら手を出して、中盤辺りから本格的に介入するつもりだ。
次回予告
色々と画策していると思われる開発部門チーフ 神田の内面を紹介する……
次回 2-11 開発部門 神田3




