第2章 王国対戦 2-4 王国対戦前懇親会2
ドラゴニクス王国の方々が別の国の方に移動して、やっとゆっくり出来るようになった。
エンシェントドラゴンを倒したからと言われても、こちらで保護しているわけではないし、運営の方針にケチを付けられてもこちらは困るのだが。
壁際にある椅子に腰掛けドリンクを飲みつつ食べ物をつまんでいると、今度はイツビシ王国の集団がこっちに来た。
とりあえず、そのまま無関係者を装い飲み食いをしていよう……でもアスカさんがそばに居るから目立つのだけど。
「こちらにログザイ王国のディスプ傭兵団の方々がいると聞いて伺ったのだが……」
「こっちですが、何か?」
「他の国の方も聞きに来ていると思いますが外の大型兵装についてお話をと。
私、イツビシ王国 五大老筆頭 家長・徳川と申します。以後お見知りおきを」
「これまたご丁寧に。」
「あの大型兵装でエンシェントドラゴンを倒したと聞き及んでいるのですが、本当でしょうか?」
「ええ、本当です。近くで見てはいませんが、運営の方で録画してあった映像を見せてもらったので、確かです。
ただ、あの大型兵装もボロボロになって帰ってきましたし、ドラゴンの方はすぐに復活すると言うことらしいので痛み分けといった感じみたいです」
「そうですか……そのプレーヤーはどちらに?」
ディスプくんが壁際で飲み食いしているこちらを指して居るのが見えた。
こっち? あまり会いたくはないので挙動不審になってしまっていた。
「彼がそうなのですが人見知りが激しいもので……特に今回のような大きなイベントで各国の主要人物となると……あんな感じです」
「そうですか、もっと詳しい話しを聞きたかったのですが……って、あれ?おい、何やってるんだ。誰かあいつを止めろ」
「へ?」
いつの間にかこちらの隣に高校生くらいの少年がいた。
家長・徳川の方に注目していたため気付かなかった……
「なぁなぁなぁ、兄ちゃん、あんたがエンシェントドラゴンを倒した人?」
「そうですよ。この人がエンシェントドラゴンを倒したナム・サンダーさんです」
「……ナムです」
「外の大型兵装を使って倒したんだよなぁ?どうやって?」
「アサルトライフリやヒートソードはかすり傷程度にしか効かなかったし、対戦車ライフルもちょっとダメージが付いただけだったんだ。
で、虎の子のレールキャノンでエンシェントドラゴンの腕が無くなり胴体に大穴が開いたけどまだ全然だった。
どうにもならなかったから大型ビームサーベルと超奥の手で超出力超加速して、最後はエンシェントドラゴンがこっちを見えないくらいに加速して超大出力にした大型ビームサーベルで首を切った。
最後はボロボロになってこっちも倒れたけど、エンシェントドラゴンがなめててくれたから倒せたんだけどな。もう無理」
「それでもすげーなぁ。王国対戦も兄ちゃん出るんだろ?」
「出ますよ」
「会ったら戦ってくれよな」
「ボロボロにしてしまうけどいいか?」
「いいぜ、こっちも簡単に負けないからな」
「分かった。戦場で会ったらな」
「おう。じゃあまたな」
アスカさんがイツビシ王国の面々について教えてくれた。
「ディスプさんと話していたのが五大老 家長・徳川様です。筆頭として5人の調整役もしています。強さとしては3番目といったところだそうです。
先ほどの少年が正直・伊達様です。2番目に強いとされてますが、若いのでいずれは一番になり、さらに上の国王より強くなるだろうとの評判です。ショタ好きな女性に人気があって、プリンさんも彼のファンです。
他に秀逸・豊臣様、義家・島津様、時空・北条様で五大老となりますが、皆様強いです。ちなみに時空・北条様は男装の麗人でこちらも女性に人気が高いです。
あと、国王が幸定・真田です。今のところイツビシ王国No.1の剣士です。
メインはこんなところでしょうか。その下の方々も少し劣りますがかなり強い方が多いですよ。
ちなみに、イツビシ王国は甲冑が先頭装備で日本風の王国になってます」
イツビシ王国も色々と特殊な国なんだなぁ……
とりあえず伊達くんとは戦う約束をしたので、なるべく破らないように戦ってあげたい。
伊達くんのおかげで少し気が紛れはしたが、やはりまだまだこの雰囲気には慣れないので引き続き壁際で待機中。
アスカさんが色々とお世話してくれるので飲み食いに集中している。
外のアーマードギア(AG)の方も盛況らしく、かなりの人が集まって見学しているらしい、とプリンが報告してきた。
そのプリンにアスカさんが伊達くんが来た事を教えたら絶望していた、そのうち会えるよきっと。
そうこうしていると今度はアースガルズ王国の方々が来られた。北欧神話マニアの美女集団らしい。
「こちらがログザイ王国のディスプ傭兵団だと聞いて来たのだが」
「はい、そうであります」
ディスプくんが声をかけてきた女性のあまりの美しさにテンパっている。
防波堤として頑張っていて欲しいんだが……
「外の大型兵装のパイロットに会いたいのだが……」
「あそこの壁際に引き籠もっているのがそのパイロットであります」
「ありがとう」
これはこちらに来るということか……出来れば逃げたいところ。
女性は嫌いではないがあまりに美人過ぎるのはちょっと恐れ多くて会話が出来ない。
美人では美人でもアスカさんくらいの会話のしやすい美人の方が助かるのだが……
「ブリュンヒルデ様、いらっしゃいませ」
「あら、アスカ・キキョウヤじゃない。なんでこんな所に?」
「今ちょっとディスプ傭兵団と関わりがありまして、今日はナムさんのお世話係をしておりますの」
「そうなの?そのナムさんとお話をしたいのですけどよろしいかしら?」
「ナムさんはこういう場所が苦手な方なのでなるべく手短にお願いします。」
何やらアスカさんとブリュンヒルデさんは何か因縁でもあるのか?
ちょっと雰囲気がピリピリしている感じで今まで以上に居心地が悪い。
早く帰りたくなる。
「では単刀直入に。アースガルズに来ないか?」
「「……」」
「どうかな?」
「今回は無理ですわよ?ログザイ国王がキレれるだろうし、運営も見逃してくれないわよ?」
「運営?」
「そう、運営の方とも懇意にしているんだけど、戦力的にそちらに行ったらワルキューレの9人出場停止にすると思うわよ。
それ以上の戦力がナムさんの「ファントム」にありますのよ」
今回は一番新しく発足した王国にAGという巨大戦力を置くことで、出来たばかりの時期に王国対戦を行うことにしたそうだ。
影さんがそう言っていた。
「ファントム……外の大型兵装の名前かい……どちらの方?」
「蒼の方ですわ。金色の「エンプレス」は私が搭乗するので」
「アスカ……復帰するのかい?ワルキューレ一同、楽しみだよ。
それならナムさんの勧誘は無しということで。でもいすれ来て欲しいね」
「ナムさんは男だけどいいの?それに北欧神話に傾倒してませんよね、ナムさん?」
「……北欧神話はあまり知らない……」
「女性が多いのは確かだけど、別に男を排除しているわけではないし男神もいるから、男神で役職を作ればいいじゃない」
「まぁ、そうなんですけどね」
「とりあえず楽しみが出来たよ。他の子がこの後来るかも知れないからよろしくね、じゃあ」
一応勧誘だけして、そしてアスカさんが王国対戦に参加するのを確認して帰って行った。
慌ただしい人だった。
「彼女ブリュンヒルデは、アースガルズ王国のワルキューレ9人の筆頭でまとめ役ですわ。
一応一番強いはずです。他の8人もワルキューレに因んだ名称の役職に就いてます。プレーヤーに合わせて名称が変わりますので。
今はフリスト、ゲイルスケグル、ランドグリーズ、ヘルヴォル、ゲンドゥル、ラーズグリーズ、ヒルド、シグルーンになっていますわ。
皆強いですわよ。」
「戦った事があるんですか?商人なのに……」
「私も昔ワルキューレに所属していましたの。そのときはレギンレイヴでした」
「それで何か因縁がありそうな感じだったんですね。ピリピリしてましたから、雰囲気が」
「仲が悪いわけではないのですけど、お互い対抗意識が強いものですから。
で、後国王として3人、ウルズ様、ヴェルザンディ様、スクルド様がいらっしゃいます。こちらの方々は基本魔法攻撃が凄まじいですので戦闘するときはご注意を。
今のところは女性プレーヤーで上の方を固めてる状況ですけど、戦闘は男に負けませんので油断なさらないように」
アースガルズ王国も北欧神話に傾倒した色物的な国かと思ったら何気に強い国だということか……
上位プレーヤーは女性ばかり……ディスプくん達が油断しなければいいんだけど。
次回予告
イツビシ王国とアースガルズ王国の次は残りの三国、センチュリア聖王国、DX王国、ミスプロ王国。
センチュリア聖王国、DX王国は居丈高にアーマードギアを寄こせという始末で、話にもならずうんざりとするナム達。
ナムの平穏はいつ戻るのか?
次回 2-5 王国対戦前懇親会3




