第2章 王国対戦 2-3 王国対戦前懇親会1
行きたくはないがディスプくん達やアスカさんがそばに居るということで、渋々出席を了承し、アーマードギア(AG)を展示して欲しいということで早めに王宮に到着した。
招待状を提示してしばし待つ。
「ディスプ傭兵団の者っす。国王に招待され出席しました。
AGの展示も頼まれてるんで、まずそっちに案内して欲しいんですけど」
「ああ、ディスプ傭兵団の方ですね、聞いてます。
お-い、こちらの方々を中庭の方に案内してくれ。くれぐれも丁寧にな。
その後は休憩室にご案内を
(ぼそぼそ)怒らせると国が無くなるからな、注意しろよ(ぼそぼそ)」
「「了解しました」」
何か不穏な言葉が聞こえてきたが無視しておこう。
中庭に到着し、噴水の両側にAG「ファントム」とAG「エンプレス」を設置した。
流石にエンプレスの金色ボディーは目立つ……
その後、呆然と見上げる案内してくれた衛兵を促して王宮内の休憩室に案内され、そこで時間まで待機となった。
専属のメイドさんがお茶を入れてくれ、提供されている食べ物をつまみながら時間を過ごした……
そろそろ開催時間になってきたので案内の衛兵が来て、懇親会会場まで連れて行ってくれた。
こちらの隣にはアスカさんが腕をしっかりとホールドしているため逃げるに逃げられない。
しかも、いつもの装備ではなくフォーマルな格好をしてるためさらに恥ずかしい……
衛兵に案内され、ディスプくんを先頭に会場へと入っていく。
王国主催の懇親会とはいえゲーム内に身分制度がある訳ではないので、普通の立食パーティーのようなものだ。
こちらはまずログザイ王国のテーブル群の方へ案内され、そこで待つことになった。
ディスプくんが案内してきてくれた衛兵に各国の配置を聞いてくれていた。
配置的には会場奥にステージがあり、その前にログザイ王国のスペース。
その左右にはメイドや黒服のもてなし部隊がおり、食事や飲み物が準備されていた。
会場中央がドラゴニクス王国、その右にイツビシ王国、左にアースガルズ王国。
会場入り口付近中央がセンチュリア聖王国、その右にDX、左にミスプロ、となっている。
勢力によって場所が決まっているわけではなく、中央の列の王国は参加人数が多いため広く場所を確保したためだった。
会場に音楽が流れ始め、懇親会の始まりが告げられた。
ステージにログザイ国王ジェスター・ログザイ1世が立ち、挨拶を始めた。
「各国の国王並びに主要プレーヤーの方々、よく来てくれた。
次の王国対戦は今しばらく開催に時間がかかるようだが、定例の顔見せの機会をもうけさせていただいた。
新しく出来たフィールドの王国ログザイだが、皆が見たいと思っていたであろう物を展示しプレーヤーにも来てもらっている。
存分に楽しんでいってもらいたい」
ワァァァーーー、パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
「なお、そのプレーヤーは人見知りが激しいそうなので、驚かせて逃げられないように注意していただきたい」
ははははははははははははははははははは
「では、お楽しみを……」
国王が何やらとんでもないことをぶち込んできた。
とても無事で居られる気がしない……
隣のアスカさんに丸投げする訳にもいかない部分があるだろうからどうしたものか。
とりあえず、飲み食いに専念しその時が来るまでおとなしくして、ディスプくん達にお任せすることにした。
しばらくはAGが身代わりとなってこちらには人が来なかったが、流石に時間も経つとこちらにも人が来るようになった。
まずはドラゴニクス王国の上位プレーヤーのようだった。
挨拶に来た人についての情報はアスカさんが教えてくれると言うことでお任せする。
「こちらがログザイ王国のディスプ傭兵団のスペースでよろしいかな?」
「そうっす」
「初めまして……ドラゴニクス王国 水竜の役職を拝命しているウォルターと申します」
「これはご丁寧に。ディスプ傭兵団のリーダー ディスプです。
なにせ創設したばかりなので、そこらの冒険者パーティーとさほど変わりがありませんが、今後ともよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。
それにしても外の大型兵装2機についてですが素晴らしいというか格好いいですね。後ろに居るうちの3人も欲しい欲しいとうるさいです。
どのようにして手に入れたのですか?」
やはりAGは目立つし、今の大型兵装では満足いかない人が多いようだ……そりゃあ欲しがるか。
あげられないし、今のところどうすれば手に入るかは分からないし……
「ああ、それについては現在調査中でして……ちょっと特殊なルートで搭乗者であるナムと一緒に落ちてきたというところなもんでして」
「ほう、いつかは手に入るということなのでしょうか?」
「どうなんでしょう……今の大型兵装を進化させる方が早いかも……ナムさん、そうだよね?」
「……うん……」
「彼がそのプレーヤーで?
おや、お隣に居るのはアスカ・キキョウヤさんではないですか。何でまたこちらに?」
「こんにちは。今彼らと行動を共にして、色々支援させていただいていますの。この方は将来の旦那様ですので……
それで今まで中立を保っていましたけど、今回はログザイ王国というかディスプ傭兵団の方に付きますのでよしなに」
周囲で何やら大きなどよめきが聞こえ、皆が慌てているのが見える……
いや、違うから違うから、違うんだぁぁぁ
「それだとキキョウヤグループから購入できないという事でしょうか?」
「そんなことはないですよ、これからも正規の価格で販売します。ただ、ログザイ王国は幾分安く卸させていただくだけで」
「ふぅぅぅ、それなら良かった」
そんなに他の国はキキョウヤグループに依存しているのか……
それは経済的にやばいと思うのだが。
そうすると横から赤系と黄緑系の衣装のプレーヤーが声をかけてきた。
何やら怒っているというか敵意を抱いているというか、そんな感じだった。
「なぁなぁ、外の大型兵装でエンシェントドラゴン様を倒したのはあんたなのか?」
「……そうだけど……」
「ドラゴン様を倒すとはどういうことだ?おまえ。そんなことしていいと思ってんのか?おら」
「……(ぼそぼそ)ヤンキー?もう絶滅してるはずだけど?(ぼそぼそ)……
いやぁ、勝負ということだったし、すぐ復活するっていってたから大丈夫かと……
それに運営の陰謀だったんだから仕方が無いかと」
「それでもだなぁ……あ、何?……彼にしても不可抗力だったし復活してるならそれでもういいだろうって?……しょうがねぇなぁ。
とりあえず許してやらぁ。
次に戦場で会ったらドラゴン様の分、ボコボコにするからな」
黄緑系の衣装のプレーヤーが取りなしてくれたので、これ以上はひどくならないらしい。
助かった。
これで興味を失ったのか別の国の方に行ってくれた。
「赤系の衣装の方が火竜のフィアー様。結構飽きっぽいです。
黄緑系の衣装の方が風竜のウインダーシュ様。物静かですけど本気を出すと竜巻や台風のように激しい方だそうです。
水色系の装の方が水竜のウォルター様。属性竜のリーダー格で色々と押しつけられている苦労人です。
あと、向こうに居て食事されているベージュ系の衣装の方が土竜のアーシア様。他の方の後方を守ってるお姉様的な存在の方です。
性格の違いがありますが、連携が取れチームバランスが意外にいいチームになってるとの評判です。
他にも方角に合わせた役職の上位プレーヤーもいらっしゃいます。こちらもかなりの実力者です」
アスカさんがドラゴニクス王国のプレーヤーについてこっそりと説明してくれた。
他国の上位プレーヤーとの初顔合わせだが、癖のあるプレーヤーが多いのだろうか……
まだまだ他の国のプレーヤーと会わなければいけないと思うと頭が痛い。
次回予告
ドラゴニクス王国のプレーヤーと会ったが、次はイツビシ王国とアースガルズ王国のプレーヤーが襲来。
主要プレーヤーの方々と面会していくが、ナムは耐えられるのか……
次回 2-3 王国対戦前懇親会2
ネーミングセンスがないのでどこかで聞いたような名前が出て来るかと思いますが、ご容赦を。




