第1章 大型&中型モンスター掃討作戦 1-54 監視 in モニタールーム8(続)
アーマードギア(AG)の戦闘能力があまりに桁違いなのと、それが何度も使えなさそうだと言うことを共通認識化して、前回先輩に吐かせたAGのプレーヤーから聞き出したことについて検討する。
といってもAGのプレーヤーと話しをすりあわせていかないと確定したことが言えないのが問題だと思う。
それでもいくらかは不明な事を解消していくためには調査・検討していかないといけないことではある。
「神田さん、プレーヤーデータが共用出来ている件については何か分かりました?」
「うちの「E.G.G.」のデータフォーマットと比較すると、ほぼ同一って感じだね」
「うちでも各ゲームで結構違うはずですけど、それがほぼ一緒ですか……そんなことが普通にあるんですかね?」
「ないじゃろ。データフォーマットなんぞゲームの設計者次第じゃから、余程共通化しおるのでもない限りまずないじゃろ」
「そうですね。一応今後の拡張を見越してかなり予備領域を作ってるんだけどね、全体の長さが同じなんだよね。
さらに予備領域の使い分けもこちらが想定して設計したまんまに使い分けてるようだったよ。
まずあり得ないかな」
「うちのデータフォーマットそのままを使ってると見て良さそうだと?」
「そだね」
「こんなことしているようなら、確実に訴えられてもおかしくないぞ?」
「部長の言う通りですね」
「神田君、どこかのデータフォーマットをまねたのかね?」
「いえ、私の、私たちのオリジナルですよ。現時点及び過去に同じデータフォーマットを使用したゲームはありませんから」
「そうか……そうなるとやはりAGは未来から、といったところになるのか」
「今のところはそれが一番しっくりくるでしょうね……(ぼそぼそ)実際そうなんですけどね(ぼそぼそ)」
今のところデータフォーマットからはそれ以上何も出てこなさそうなので、次に行くことにした。
「AGのプレーヤーの方の「E.G.G.」の方で、かなりの人数がうちのゲームと同じように何かしらの処理を肩代わりしている、という話については……神田さん?」
「確かに現状ではかなりの処理がどこかで肩代わりしてくれていて、新しいフィールドはかなり処理が軽い状況ですね。
以前同様追っかけて行ってもいつものところからそれ以上確認できないところですよ」
「それは変わらずか……」
「せっかくなので、他のフィールドの処理も肩代わりしてもらおうかと思ってます。
次の王国対戦で、AGくんが他のフィールドに移動されたときに処理が重くなってしまうと困るので」
「仕方がないか……今のところ現在の時間軸で苦情も出てこなさそうというところだからな。
最悪何かあれば私が土下座しに行くよ……」
「まぁ、大丈夫じゃないですか?AGくんところもバグではなく正常な処理ということになっているのでしょうから」
「それでもだよ……私がこのゲームの運営のトップなんだから」
「まぁ、AGのプレーヤーの方でも調べてくれてますし、そっちでおかしな状況にならなければこのままということで、借りておきましょう」
処理の肩代わりも、結局肩代わりしてくれてる先がはっきりしないと対処できないということで現状維持。
うちだけが得することになってるのが申し訳ないところ。
はっきりしたら部長たちと菓子折り持って謝りにいかないとなぁ……行きたくはないけど。
「じゃあ次のAGのプレーヤーの方で”処理の肩代わりをプレーヤーにさせているゲームはずいぶん昔からない”という話ですが……」
「今のところ、処理の肩代わりをさせているゲーム自体うちの「E.G.G.」が初で、過去もないはずじゃったよな」
「一応最初からそうしていると銘打ってはいるから大丈夫ということですけど、法律的には結構グレーなことですからね」
「そうだな……結構関係省庁回って打合せしてスタートしたゲームだから、過去にはないはず」
「これもやっぱりAGのプレーヤーの方が未来にあるってことの証明になるんですかね?」
「そうなりそうじゃの」
「でも、この”処理の肩代わりをさせる”システムがそれほど流行るんですしょうか?
問い合わせとか来てるんですか?」
「それなりに来てはいるよ。まぁ、すぐに採用したいという話ではなく、将来的に処理の重くなりそうなゲームを作るときのために唾を付けておきたいといった程度だな」
「現状のサーバー性能が大きく上がらなければ、使うことになりそうな感じですね」
「そうじゃのう。バランスのとり方次第じゃがプレーヤー側が容認してくれるなら運営側にはメリットのある技術だからのう」
ここでもAGのプレーヤーの方が先にいることを匂わせているように感じる内容に感じる……証明は簡単にできないけど。
『それなら直接AGのプレーヤーがいつに生きている人なのか聞けばいいんじゃね?』
「先輩……そりゃ簡単に聞ければ楽ですけど、教えてくれるんですか?こんな重要情報」
『AGのプレーヤーも自分がいつにいるのか分かってないみたいだけど、未来から意図的に来ていることを隠してるということでもなければ重要情報ではないんじゃない?
多分簡単に教えてくれると思うよ?』
「では、先輩にお任せします。ちゃんと謝礼もはずんであげてください」
『ならまたドラゴン戦の映像頂戴。サイクロプス戦も一緒に。
まだ見てなかったから』
「……アレですか?……あとで後悔するかもしれませんよ……
送っときますので気を確かに持って見てください」
「OK」
結局今回もAGのプレーヤーがはっきりはしないが未来から来ていそうだという話ににかならなかった。
とりあえず、王国対戦の準備もあるし、しばらくはAGのプレーヤーからの情報待ちかな……
次回予告
スタンピード第2陣が終わり、次の第3陣に向け準備をするディスプ達リルの町防衛部隊。
とうとう第3陣が到達するが、中型モンスターの集団に苦戦を強いられ始める……
そんな中援軍が到着し……
次回 1-55 リルの町でのスタンピード3
第1章終了まであと3話。




