13話 全ての始まり 終わり
最終回ではないからね。
「恋愛なんて………恋愛………なんて………クソくらいよ!」
「どぅへへへへ、そうですか、ならすぐに好きにしてあげますよ♡どぅふふふふ♡どぅへっどぅへっどぅへへへへ♡さあ誓いのキスを♡」
私は信じ続ける………神にではなくりょーちゃんのことを。
そして気萌井先生は私の下着に触れようと手を近づけてくる。それと同時に私に口づけをしようと顔も同時に近づいてくる。
私は目を瞑りただ祈り続ける。
今の私にはそれしかできないからだ。
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………………………………。
不意に自分の目から涙が溢れ頬を流れていくのが伝わる。
ああ、もう涙は流さないって決めてたのに………。
気萌井先生の息が当たる。それほどまでに距離が近づいている。
……………………………………………。
………………………りょ………ちゃん。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
それはどこからか聞こえて来た誰かの悲鳴…………いや、叫び声だった。
私は思わず目を開けてしまう。
「なんの声ですか?」
気萌井先生が一旦やめて不機嫌そうに声のした方を見る。
声がした方は気萌井先生の後ろからだった…………。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「一体なんなんですか!?」
後ろを振り向いても誰もいなかったのか私の方に振り向いたと同時にまた同じ声で誰かの叫び声が聞こえて来た。
……………さっきよりも大きく、そして近くで。
私は涙が止まらなかった………………
……………だってこの声は……………
「あ!あいつは?!」
私がピンチになったときは必ず助けに来てくれるから。
私のヒーローが。
私も声のした方向に目を向ける…………幻覚ではなく現実であると確認するため…………。
そして私は見つけた…………叫び声をあげている人物に。
ああ、やっぱり…………りょーちy………………ん?
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……………………………………………
……………………………………………
…………………………………………ん?
私の目には服がはだけて子供のように泣き叫びながら走ってきている…………いや逃げてきているりょーちゃんとそれを追いかけている全裸の男、の光景が映っていた。
……………………………は?
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
俺は逃げる。
逃げ続ける。
あまりの恐怖に叫び声をあげてしまうが走る足を決して止める事はない。
「まあああてぇえええええええええええ!!涼!!俺とのセッ○スはどおすんだぁああああああ!!!!」
尾絵留先輩がすぐ後ろまで迫っているが俺は止まらない。
もしここで止まってしまえば俺が終わるから、そしてこのチャンスをくれたりっちゃん(幻覚)に申し訳ないから、だから俺は走り続ける。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
俺は全力で尾絵留先輩から逃げる。
そんな時、俺は見つけてしまった。
「あ、あれは!」
目の前に人影のようなものが見えた。
これは涼にとっては救いだった。なぜならこれで尾絵留先輩をどうにかできるからだ…………きっと。
だから俺は目の前の人に助けを求めるべく………走った。
「助けてくださあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…………………い?」
その人物を確認すると同時に助けを求めようとしたのだが………………俺は思わず目を丸くして口を開け間抜けな姿を晒してしまう。
なぜならそこには…………………
………………………………………
………………………………………
気萌井先生がりっちゃんに馬乗りしていたからである。
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…………………………………………は?
「な、なんでりっちゃんが気萌井先生と?」
俺は目の前の状況に少しだけ混乱してしまった、そう少しだけ。
俺はそれでも走る足を止めないでいると目の前のことがはっきりと見ることができた。
そう、今のりっちゃんの状況を。
拘束された両手、下着姿の体、そして瞳には止まることのない涙、その涙でくしゃくしゃになってしまっているりっちゃんの顔。
それを俺が見ただけで混乱してたはずの俺が変わった。
この時の俺は尾絵留先輩のことなんてどうでもいいとさえ思っていた……………いや違う、尾絵留先輩のことを忘れていた。
「なにやったなんだ!?てめえええええええ!!!」
俺にあったのはただ一つ……………怒りだけだった。
なぜなら見てしまったから…………りっちゃんの涙を。
俺は尾絵留先輩に追いかけられていたとき以上の速さで気萌井先生に近づく。
なぜこのときこれほどの速さが出せたのか、それは俺自身も分からなかった。ただわかる事は一つだけ……
……………………………………りっちゃんを助ける。
だから俺は………………………。
「な、なんで?!お前がいるんだ?!」
俺が気萌井先生の目の前まで来た時、叫ぶような悲鳴のような声で叫んだ。
だが俺は止まらない。
「てめぇ!?なにしてんだぁあああああああ!!?」
俺はそのまま気萌井先生の顔を思い切り蹴り飛ばした。
「ぶごっっっ?!!」
気萌井先生は軽く吹っ飛び、りっちゃんの上から離れる。
それでも俺は止まらない。
俺はそのまま吹っ飛んだ気萌井先生の顔を思い切り殴り飛ばした。
私は全裸の男から逃げているりょーちゃんを見て思考が停止してしまったが、りょーちゃんが近づいてくるにつれてりょーちゃんの瞳から涙が溢れ顔がすごいことになっていることがわかった。
なに…………………あれ?………………りょーちゃんが……………泣いてるの?………………あいつのせいで?
私はこのとき気萌井先生のことを忘れていた…………
なぜなら怒りで理性を失いかけているからである。
「いや!?なにしてんのよ!?」
凛は見てしまったのだ……………涼の涙を。
だから凛は涼のことを追いかけている全裸の男を凝視する。
あいつを潰すために。
だが今の凛は動くことができない。だから凛は必死に暴れる、この拘束から出るために。
「なっ?!」
近づいてくるりょーちゃんを見ていた気萌井先生が暴れた私に視線を向ける……………ちょうどそのときだった。
気萌井先生が私から離れた…………いや、吹き飛んだ。
なぜならりょーちゃんが気萌井先生の頭部を思いっきり蹴り飛ばしたからだ。
拘束が解けた私はりょーちゃんのもとにいくのではなく後ろの全裸の男に向かった走り出した。
「えっ!?ちょっ?!はっ?!」
りょーちゃんが気萌井先生を蹴り飛ばしたのに驚いたのか私が近づいて来たのに驚いたのか、全裸の男が一瞬動きが停止する。
「りょーちゃんに!!なにしてんのよ!!!」
だから私は停止した全裸の男の股間を蹴り飛ばした、自分の怒りを込めた渾身の一撃を。
「グチャリ」
何かが潰れたような音が私の耳に響いた。
とても嫌な音だった。
そして数秒の沈黙後。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!?!?!?」
全裸の男が声にならないほどの声を叫びたい散らかした。
私はもう一度同じことをしようとしたが全裸の男が叫んだ後、口から泡を吹きながらゆっくりと倒れたので蹴るのをやめた。
私はその場で力が抜けたように地面にしなだれ落ちる。
そして私はりょーちゃんの方に視線を動かすと私と同じように地面にしなだれ落ちていた。
なお、気萌井先生は眼鏡が割れ顔に大きなあざができ気絶している。
そして私たちは………………………
「りっちゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!」
「りょーちゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!」
私たちは抱き合った、お互いの腰に手を回して離さんとばかりに強く、強く抱き合い、そして泣いた。
これにより私たちは『恋愛』を嫌うのであった。
ーーなお、これはあくまで一方的な想いなので『恋愛』ではない。『恋愛』とは一方的な想いではなく両方の想いで成り立つものである。これはそんなこともわかっていない涼と凛の物語であるーー
これで『全ての始まり』の終わりです!
が、しかしここからです!
次から本編です!
遅くなってすいません!
良ければイイねお願いします!




