王国編『由芽と英輔と大脱走』
現在ステータス
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名前:広畑 英輔
種族:人族 年齢:17 職業:捜索者
Lv:1 HP:300 MP:300 SP:300
STR:300 DEX:300 CON:300
POW:300 INT:300 DEF:300
ーーー【アーツ】ーーー
〔速読:5〕〔演技:2〕〔演算:6〕
ーーー【スキル】ーーー
〔鑑定〕〔忍心:1〕〔捜索の心得:1〕
〔五感強化:1〕
〔ステータス表示:8〕
ーーー【エテルネルスキル】ーーー
〖適応〗
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あれからステータスを調べて見て分かった事がある。
それは……俺のステータスが凄い弱いということだ!
かすかに聞こえていた声で、クラスメイトのステータスを覚えているが、1番ステータスが弱かったものでも最高値500はあった!俺は最高値も最低値も300だ!くそう!
いや、だけどこの世界的にはそこまで弱いわけでは無いはず!
確か平均100……3倍はある!やってやれない事はない!為せば成る!
まあ、そんな事は置いといてだ。
今は外に行った時のことを考えるとしよう。
外に行ったらね。そりゃあ異世界ですから?
きっと魔物とかもいるでしょう!
もう出会ったら戦いになってしまうのは免れないことでしょう!
そんな時にはもう!ステータスの高さが物を言うわけですよ!
……そこでね。見て欲しいステータスがあるんだ。
……Str、con、pow、defさらにHP300!
……いやー、君、戦闘力ないよね!
これは確実に非戦闘員だよね!
外で魔物と戦いとか生きていけないね!
為せば成る!とか言ったけど、城から出たくないよね!正直!
でも状況的にスキルとか知られたら殺される可能性あるね!
クラスメイト探して欲しくないのに、クラスメイト探す技能しか無いからね!
なんだ職業:捜索者って!
ステータス見られたりしたら、もろジ・エンドじゃねぇか!
逃げないとワンチャン死ぬよ?!
殺されないまでも、一生部屋に閉じ込められたりとか……
……えっどうしようこれ。どうやっても抜け出すしかなくね?
いや、元から抜け出すつもりだったけどさ?
「……あーーー!よし!行くか!」
俺は自分の顔をパンと叩くと、布団から飛び起きた。
そして、そばにおいてあった備え付けの衣服数セット、持ち物にあった筆箱やらなんやらをとりあえずバック……が無かったので、風呂敷の要領で部屋のカーテンに包んで結び肩に担いだ。
うっ……割と重い。
……だが、必要経費だから!着替えとかはいるから絶対!
「ふぅ……」
扉の方を見て、ひとつ深呼吸する。
見つからないか正直不安だ。スニーキングミッションなんて生まれてこのかたゲームでしかしたことが無い。
だが、刀衣を見つけるためだ。
そう思うと、自然と強ばっていた体が動き出すのを感じた。
ドアに近づき、ノブに手をかける。
「あっそうだ。書き置きしなきゃ……」
危ない危ない。忘れるところだった。
みんなが心配しないように書き置きを残そうと思ってたんだった。
大輝もふわりも他のみんなも心配症だからな。
俺がなんの音沙汰もなく居なくなったら、夜も寝られないかもしれないし。
えーと、(カキカキ)これで良しと。
うむ。思い残すことはもう無いな。
じゃあ、うだうだやってても仕方ないし……
「……行くか!ダルいけど!」
ガチャリとノブを回し、扉を開けて外に出た。
長い廊下が続いている。どうやら今のところ誰もいないみたいだ。
「えー……こういう時は右だな!」
ばたん。と扉が閉まる。
その部屋には、余程急いでいたのだろう、地面に落ちた毛布と、たった一枚の書き置きだけ残されていたのだった。
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ふむり。迷いましたね。これ。
あ、食堂だ。これで三回目か……
…いや、入り組み過ぎじゃない?この城。
くっそむずいんだけど?寄木細工かよ。
……思わずくそ面白くないツッコミしてしまうぐらいには迷いまくってるよ?
気配を消せるスキル、忍心もあと6分ぐらいでMPが尽きるんだけど?見つかったらやばいよ?ねぇ?
そんな事を考えながら、めちゃくちゃ高そうなツボや甲冑とかが置いてある廊下を見ていると、遠くの曲がり角から人影が来るのが見えた。
「……ッ!やば、人きた。……しゃーない。一旦後ろに戻るか」
安全を期すために俺が、後ろの通路へ戻ろうとそちらを向いた瞬間だった。
つい、さっきまで見ていた方向から声が掛かった。
「君。面白い考え方してるよね。」
「ふぁっ!誰だ?!」
「こんにちは。英輔くん。そっちには行かない方がいいよ?兵隊さん沢山いるから」
ビクッとして返事をすると。
そこに居たのは、クラスメイトの朝比奈 由芽だった。
「……それはどうも。えーと、こんちは?朝比奈さん?いや、由芽さんの方がいいか?」
同郷だったことに少し安堵して俺は挨拶する。
しかし、今言われた言葉。
兵隊がいっぱいいるから危ないという言葉。
それは俺がここを抜け出そうとしていることを知っているということであり、警戒するに越したことはないということはわかりきったことだった。
「へ~。私の名前覚えてるんだ。意外だなー。苗字でも名前でも好きな方でいいよ」
身長は低く大体140後半ぐらいで、茶髪のセミロング。普通に可愛い容姿だが、クラスでは永遠と寝ているためどんな子かは覚えてない。
とにかくどんな状況でも寝てたなー。ていう記憶しかない。確か転移の時も、王が話してた時も寝てたと思う。
そのため、大体のクラスメイトと関わりがある俺でさえ話した回数は少ないと記憶している。
「えーと、どうしてここに?」
「ん~?私は散歩だよー。散歩してたら君に偶然あったから、話してるだけだよ?」
「フーンそっか。じゃあ、俺はもう行くね!」
そう言って、俺は前に向き直る。
こういうのは、話終わらせて無視するに限る!
ここで話しているうちに見つかってしまっては抜け出した意味が無いのだ!悪いが、逃げさせてもらう!
そう思い、陸上選手よろしく、クラウチングスタートからのダッシュを決める。
俺は昔からある程度の運動はできたし、足の速さは上位に入るぐらいには速かった!
これは巻いただろ!と内心ドヤり後ろを振り返る。
「〜♪」
……そこには、余裕でついてくる由芽さんの姿。
めちゃめちゃびっくりし内心パニクりながらも、冷静を装い話しかける。ポーカーフェイス全開である。
「……えっと。なんでついてくんの?」
「あのさ。さっきそこの部屋に入ったんだけど。凄い武器とか防具とか置いてあったよ。なんか凄そうだったなー。」
人の話聞かねぇえ!なんだこいつ!!
ていうか、怖いぐらいついてくるんだけど?!
え、俺のDEXそんな遅いの?!
運動できなさそうな女子にも負けるぐらい遅いの?!
うわぁぁあ!怖い!しかも余裕そうなのが心にくる!俺めっちゃ全力なのに!息も絶え絶えだよ?!
「へ、へ~!そうなんだ!それはすごいね!
じゃあ、俺はもう行くから!」
「だからね。持ってきたんだよね~。はい、君にもあげるよ。刀。男の子はこういうの好きでしょ?」
「は?!いや、それは持ってきちゃダメなやつでしょ?
え、何この刀めっちゃ高そう。怖ッ!」
「あぁ。大丈夫だよ?私のは持ってるから。遠慮なく持っていっていいよ。大特価だよ。タダだよ。タダ」
「話聞かねぇな!おい?!
我がもの顔で言ってるけど、コレ国のだろ絶対!
持っていったら逮捕されるやつだよねこれェ!?
タダより高いものはないってやつだよねこれェ!?」
誰が見ても価値があると分かるその刀は、年季が入っていそうな趣のある紅い鞘に収められている。
そこから少しだけ抜くと、ちらりと見える刀身は艶めかしいという言葉が似合う美しさを持っていた。
まるで水面に咲き誇る、妖しく美しい夜桜の様だ。
「どやぁ……」
くそ!私!やさしい!みたいな顔しやがって。めちゃくちゃ殴ってやりたいわ!
口でどやぁって言うもんじゃないんだよ!
無表情だから分かりずらいと思ったのかな?!
ありがとうございます!ドヤ顔してるって教えてくれてねぇ!
ウザさが増しましたよえぇ!
ていうか、ぜったいたけぇよコレ!国宝級のやつだよこれ!
あ~犯罪者になっちゃう~!
……でもこの刀かっこいい……くッ!手から離せないよぉ!
「……ありがとうございます!」
俺はその刀をぎゅっと抱き締めた。
もう離さないよ!たとえこの身が滅びようとも!
「あ、そうだ。これを忘れてた。」
……そんな事をしながら2分ぐらい走っていると、思い出したかのように由芽は肩から掛けてたカバンに手を入れた。
そのカバンはきらびやかな装飾が施されており、「自分、高いっすよ?」と言わんばかりに光を反射していた。
絶対に盗品である。
「ボブ先生にあったらこれ渡しといてよ。はい。
あ、あとお駄賃あげるね。内緒だよ?」
「ボブ先生に?え?なんでボブ先生が?
ていうかお駄賃?て、おい?!ちょっと?」
そして由芽は俺に手紙?と、どっしりとした布袋を渡したかと思うと突然すっと止まった。
俺が困惑して足を止めると、それを見てから前方を指さした。
「その先真っ直ぐ行けば出れるよ~。じゃね~」
そう言うと、くるっと後ろに向き直り、鼻歌交じりで来た道を引き返していく。
それを唖然と見送る俺の手には、一振の刀と手紙一通、どっしりとした布袋。
「…はぁはぁ…なんなんだよ全く。
由芽さん、何がしたかったんだ……いや、なんか色々くれたけども。……この先に行けば出られるのか?」
少し休憩して、息を整える。
目の前を見ると少し小さい扉が一つだけあった。
めちゃくちゃに走ってきたせいで、今いる場所はもう分からなくなっている。
良くあれだけ走ってバレなかったと思うが、そういえば由芽以外誰にも遭わなかったな。何でだろう。
……まぁ、いいか。
こんなことで悩んでたら、いくつ脳があっても足りないだろう。
だって、がんばらなきゃいけないのはこっからだからな!
「……さぁ、行くか!……異世界へ!」
その言葉を口にすると、こんな状況であるのに無性にワクワクする自分が居た。
異世界転生、いや、異世界転移か。
地球とは違う、危険な世界で人探し。
いいじゃねぇか!やってやろうじゃねぇか!
俺は絶対に刀衣を見つけて、クラスメイトを見つけて、この異世界を楽しんでやる!
そうだ、全てが終わったら刀衣と、みんなと異世界を観光しよう!
知らない街に、知らない種族、知らない景色に、知らないご飯。うん、きっと楽しい!
そのためには、さっさとみんなを見つけなきゃな!
俺はギィと軋む扉を開けて周囲を見渡す。
……どうやら裏口の様だ。城内から城壁の外に直接繋がっていて、ここから森に抜けれそうだ。
何処に行くかは分からんが、何となくこの方角に行けば刀衣に会えると確信していた。多分、捜索者とかスキルの力だろう。
異世界への、不安と、まだ見ぬ物への期待を胸にして。
ーーー俺は、異世界に1歩を踏み出した。
久しぶりに書いたら設定忘れてて、全部読む羽目になりました。うっす。




