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妖精の森編『ボォブと血脈と契約と!』


『でな、その時ソニアが妾にこういったんじゃ……』


「なぁーまだつかないのかクラレア?」


俺の隣を巨体の割にスタスタと軽い足音のみで歩きながらずっと話しているクラレアに、思わず声をかける。

この龍、凄まじく話好きで異世界を知らない身としては頼りになるのだが……


しかし……如何せん話が長い!


いや、面白いよ?面白いけどさ〜!

2時間も聞いてたらそりゃ飽きるし、景色も変わらないし暇な訳よ!


あと、その話ってのも、友達の龍の話ばっかりだし……

なんか、クラレアを怖がってるのか分からないが、動物もモンスターも出ないし……

いつ妖精の住処に行けるんだよ……


『あとちょっとだから我慢するんじゃな。

……で、その後ソニアにクリアがな〜……』


確か、シニアが紫龍で、クリアが虚龍だったっけ……?


……はぁ。もう誰が誰かもわからん。

それに……だいたいこういう時のちょっとって長いよね。


この調子だと1時間ぐらいかかりそうかなぁ?


あぁ暇だなぁ……?


……歌でも歌っちゃおうかな?

歌でも歌っちゃおうかと思っちゃったりなんかしちゃったりしちゃおうかなぁ?

よし。321で歌うぞ?

いや……スリーツーワンがいいかな?


やっぱ321だわ!


よし。ふぅ〜……スリー、ツー、ワン!


『でなー……って、ここじゃここじゃ!着いたぞ人の子!』


「君がぁぁあよぉぉお♪……エ?マジ?」


歌おうとしていた俺の体をクラレアに鼻先で揺らされてそちらを振り向く。思ってたより数倍短かった!

1時間もかからんかった!むしろ、5分程度だったわ!

疑って悪いクラレア……


いやぁ、しかし間一髪だったな。もう少し長引いていたら、危うく俺の愛国精神が炸裂するところだったぜ!


『まじじゃ!ここは綺麗で見応えがあるぞぉ人の子!

あと、なんか今呪文唱えてなかったか?』


呪文って何の話だ?

俺は怪しいことなんて何もしていないが……?

オリジナルの詠唱文なら昔作ったことはあるけど……


「……まぁいいや!そんなことより景色だ!

そんなに綺麗なとこなのか?」


俺はクラレアに目線で促され、周りを見渡してみる。

すると、これまで見ていたような日本でも森でよく見られる凸凹した太い木が無くなっていて、代わりに白樺の様な木の群生地帯になっていた。


しかし、その白樺は普通とは違っていて、目につくのは白樺自体ではなくその白樺から発せられている光だった。

薄ぼんやりとしたそれは、赤、青、緑、黄、紫と……思い思い様々な色でゆっくりと明滅を繰り返していた。まぁ例えるなら蛍みたいな感じである。

そして、それらが何本も集まって幾重にも光り輝いているその様は素晴らしく美しいものだった。


『なっ?凄いじゃろ?』


「ッ…!?……!!??」


『ん?どうしたんじゃ?感動しすぎて語彙力を無くしたか?』


「……あッ!あれッ!」


『なんじゃ?どうしたんじゃ?

そっちになにかあるのかの……ッて、ありゃあなんじゃあ?!』


そんな美しい光景にも関わらず、俺の目線はひとつのものに集中していた。

……それは。


「……ふんッ!……ふんッ!……ふんッ!」


それは。

その光り輝く木達の中心で、永遠とポージングをし続けているムキムキマッチョで黒ブーメランパンツ一丁スキンヘッドの姿だった……


「……」


『……』


「ふんッ!……ふんッ!」


俺とクラレアの間に沈黙が流れる。

辺りにはスキンヘッドのポージングする声だけが響いている。

……クラレアはただ単に困惑して喋らないだけだろうが、俺は違う理由で喋ることを放棄していた。

理由は辛いからだ。

クラレアにコレが身内とバレるのが。


だってこの人俺の……


「ッふん!……?オゥ?ソコ二オルワレ、ダレカオモッタラえいすけヤナイカ!

ナンヤワレ!?ケッタイナdragonツレテンナ〜!?」


くそっ、ALTだけあってドラゴンの発音だけ異常にいいぜ……

あぁ……クラレアめっちゃこっち見てるわ。

凄い見てるわ。お前マジか……っていう言葉が言わずとも聞こえてくるわ。


『お前マジか……』


言われたわ。

完全にこのポージングと同類に観られてるわ。

はよ説明しないと好感度だだ下がりだわ。

好感度メーターあったら今半分切ってるのがわかるわ。


「Hey,dragon?ワイハ、Bobテイウンヤ!

コノえいすけトハキッテモキレヌナカヤデ!!ゾクニユウ、ニコイチッテヤッチャナ!!」


『……へぇーソウナンジャナ?』


今好感度メーターが下に突きぬけていくのが見えたわ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……てことで、この人は俺の何人もいる先生の中の一人って訳だ。」


『なんじゃぁ〜!そういうことなら早く言わんか!

人の子が教えを乞う先生の方じゃったんじゃな!』


「ソウヤデ!メチャクチャEnglishオシエルデワイ!」


『その、いんぐりっしゅというのはなんなんじゃ?妾すごく気になるぞい?』


やっべー興味持っちゃった。

どうしよう!なんか説明めんどいし、単純に異世界の言語ですって言ってもいいかな?


「オー!ソリャモウ、The EarthノAmericaっチュウ国ノコトバヤ!

EnglishはCOOLデッセ!dragonノwoman!」


『半分くらい何言うとるか理解できぬが、何らかの言語であるということは理解したぞ!

……だがこの世に妾の知らぬ言語がまだあったとは……妾ももっと世界を知らねばならぬな!』


「そ、そうだな!俺の国はめっちゃ辺境だからな!」


いやー、ボブのお陰?かは置いといて何とかなったわ。

良かったよかった!


……ていうか、なんでボブここにいるんだよ?


しかも服がブーメランパンツだけだし。

そもそもポージングをとっていた理由もわからん!


……聞くの疲れるけど聞いてみるか!


そう思った俺はクラレアと話し込んでいるボブに話しかける。


『ふむふむ、なかなか難しい言語構成になっておるんじゃな。』


「ソウヤ!Englishはムズカシインヤデ!」


「なぁ、ボブ?ちょっと聞いていいか?」


「フン?ナンヤエイスケ!イイデ、ナンデモキイテヤ!」


よし、聞いてくれそうだな。まずは何故ここにいるか、からだな!

目の前に寄ってきた、俺の倍は身長がありそうなボブを見る。元々は、白Tシャツとダメージ入れすぎて短パンみたいになったとボブが言っていたボブ手製のジーンズだったのに、今はブーメランパンツだけになっている。

俺はそんな仮にも教師をやってる人の姿に悲しくなりながらも、口を開いた。


「いや、話っていうのも簡単なことで、なんで先生がこんな森にいるんだってのを聞こうと思ってな?」


「……アーソノハナシナ。

ワイ、イマコノモリデfairyヤッテン。ドヤ?カッコイイヤロ?」


「へー。ふぇありーね。そうかそうか。



……ちょっともっかいいってくれる?フェアリー???」


「オウ!fairyヤ!モットチャントイウト、

【森の大精霊】ユウラシイデ?」


「……クラレア??

フェアリーってもっとこう……

なんか、小さい少女っぽい見た目の、羽生えた奴じゃないの?

ねぇ?

……え?異世界のフェアリー全部こんな感じなの?全部マッチョメンなの?」


『い、いや?そんなことはないはずなんじゃが。

……もしかしてお主。特殊個体か?』


そう言われると、ボブはそれそれー!みたいな感じでクラレアを指さした。


「ソヤ!ワイハ特殊個体ラシイデ!他ノfairy二イワレタンヤ!ナンデモ、【古の血脈(イニシエのチミャク)】っチュウ、タニカラウマレタラシイデ!」


『なんと……古の血脈から……』


なんだそれ?みたいな顔をしていると、クラレアが気が付き話してくれる。


『古の血脈はさっき通った谷じゃよ。

あれは、かつて、災悪と畏れられた魔王【災悪の魔王 シャナクル】と、当時勇者であり人の身でありながら現人神にまで登り詰めた男【刀神の勇者 ハルト】の戦いによって出来た谷なんじゃ。』


「へ、へぇーそんなことが……ところで、その勇者ってどこから来た人か知ってる?」


……うん!

ハルトとか、絶対日本人だろこれ!

あのトアール王(名前忘れた)も、日本人って言ってたし、もしかして割といるのか?異世界人?


『ん?あぁ確か異世界の曰本から来たとか何とか。まぁ、戦いの時に魔王と一緒に死んでしまったから、真相はわからんのじゃがな……

ところでお主。さっきぼぶがフェアリーと知った時に、テンパって異世界と言っておったが、もしかして……?』


あっやべ墓穴ほった!

ど、どうするか?伝えるか?異世界からきたって?

……あぁでも説明がめんどくさい!俺は説明するのが苦手なんだ!

……ふぅ……さて、どうするか……


「……ナァ!エイスケ!

ワイエイスケがドコカラキタカキニナルデ!」


ナイスタイミングボブ!


「あぁ!俺はなボォブ!

トアール王国にいたんだが、刀衣が心配で探しに来ちゃったんだよボォブ!」


「?ナンヤシランケド、タイヘンソウヤナァ!」


「あぁ!ボォブ!それでこのクラレアにでっかい蛇に襲われてるところを助けられてなボォブ!

俺一人じゃ死ぬかもしれんからって妖精を捕まえに来たんだボォブ!」


「ケッタイナハナシヤナァ!トコロでfairyキャッチシテルナラ、ワイガツカマッテヤロカ?」


「え……?!いやいいよ!俺は大丈夫だよ!」


すごく嫌だ!ボブと契約したら絶対めんどくさい!断固として断らなければ……!


そう思い俺が断ろうとした時、ボブが目ざとく俺の持っていたフェアリーボール(仮)を見つける。


「ソンナテレンデモエエデ!オッ!コレヤナ!」


「ちょっまっ!」


俺が止める間も無くボブがフェアリーボール(仮)に触る。

その瞬間、ボブの体が光の球体になり吸い込まれてゆく。

唖然としてみていると、俺は自分の力が増していってることに気がついた。

なんだこれ?どうなってるかわからんけど力増してる!

そうだ!ステータスを見れば!鑑定!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前:広畑 英輔


 種族:人族  年齢:17  職業:捜索者


Lv:1 HP:300+100  MP:300+220  SP:300+50


 STR:300+100 DEX:300+40 CON:300+56


 POW:300+200 INT:300+200 DEF:300+50


ーーー【アーツ】ーーー


〔速読:5〕〔演技:2〕〔演算:6〕


ーーー【スキル】ーーー


〔鑑定〕〔忍心:1〕〔捜索の心得:1〕


〔五感強化:1〕〔ステータス表示:8〕


ーーー【エテルネルスキル】ーーー


      〖適応(アダプティブ)




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

      契約妖精ステータス

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前:Word(ワード) Robert(ロバート)

 種族:精霊族  年齢:28  職業:契約者


 Lv:5  HP1000 MP:2200 SP500


 STR:1000 DEX:400 CON:560   


 POW:2000 INT:2000 DEF:500


ーーー【アーツ】ーーー

〔隠密:5〕〔射撃:6〕〔変装:6〕〔英語:8〕〔体術:8〕


ーーー【スキル】ーーー

〔武闘法:1〕〔魔闘法:1〕

〔フォルムチェンジ〕


ーーー【エテルネルスキル】ーーー

     〖観測者(ヴォワールユマン)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


え……なんかステータスにバフかかってる……?




……てか、そんなことよりボブつっっっっっっっっっっよ!!!



……い、忙しかったんですよ?(焦)

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